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V6が残す「どのジャニーズも達成できなかったこと」 バレーボールも特撮美男子も彼らが始まりだった - みきーる

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 1995年秋、アニメでは「新世紀エヴァンゲリオン」が、ジャニーズではV6が世界を変えました。V6が結成されたのは同年9月4日。1カ月後の10月4日に“エヴァ”のテレビ放送が始まり、さらに約1月後、11月1日にV6はCDデビューを果たしました。

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 ともに四半世紀を超えて愛されてきた両者が、くしくも同時期に結びの時を迎えました。2021年3月8日にエヴァの完結編とされる「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が公開され、4日後の3月12日にV6が「2021年11月1日に解散する」ことを発表したのです。

 25年間、同じ時代を生きてきたV6とエヴァには、どこか通じる部分があるように思います。突然の解散発表から約2週間。衝撃の余韻が残る胸をなでながら、両者の相似を読み解いてみます。


V6 Johnny's netより

“バレーボールデビュー”のファーストチルドレン

 V6はバレーボールワールドカップのイメージキャラクターとして、大会のテーマ曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」でデビューしました。彼らこそ、バレーボールワールドカップの大会テーマ曲という武器を引っさげてデビューしたジャニーズの“ファーストチルドレン”であり、V6以降、ジャニーズのグループがバレーボールワールドカップのテーマ曲でデビューするスタイルは定番化します。

 嵐(1999年「A・RA・SHI」)、NEWS(2003年「NEWSニッポン」)、Hey! Say! JUMP(2007年「Ultra Music Power」)、NYC boys(2009年「悪魔な恋/NYC」)、Sexy Zone(2011年「Sexy Zone」)らが続き、歌声で大会を盛り上げてきました。

 バレーボールとのコラボデビューはジャニーズファン以外の認知を高める効果が極めて高く、その中から新たなファンを獲得しました。そのすべてはV6から始まったのです。

 そのデビューから四半世紀。6人が思いをシンクロさせてきたV6に“活動限界”が来たのは、必然だったのかもしれません。メンバーは全員40代となり、これからの人生を見据えた森田剛さんは、役者に専念する決意をしました。V6は、6人が意志をひとつにしてこそ活きる“いのち”です。5人で続けることは、彼らにとって“違った”のでしょう。それでも、なぜ“解散”でなければならなかったかという疑問は残ります。彼らは何を成すために、この道を選んだのでしょう。

“V6の思惑”に迫る前に、まず6人の人となりを見ておきたいと思います。SMAPやTOKIO、嵐らと比べてTVバラエティ番組への出演が少なかった彼らの人となりは、ジャニーズファン以外からは思ったよりも知られていないかもしれません。ジャニーズ史上でも長い25年というグループ活動を成し遂げたのは、どんな個性を持った6人だったのでしょう。

「女性というのはなんて可愛く…」

 リーダー・坂本昌行さん(49)は、芳醇な大人の魅力を湛えた人です。

 デビュー前に一度ジャニーズ事務所を離れた時期があり、復帰後に東山紀之さんの付き人を経験した彼は、酸いも甘いもかみ分けて人生の豊かさを表現できるエンターテイナーです。近年は舞台やミュージカルを中心に活躍し、2016年には第24回読売演劇大賞で優秀男優賞(「MURDER for Two」)を受賞。Bunkamuraオーチャードホールを満席にしたソロコンサート「ONE MAN STANDING 2019 The Greatest Symphony」では、「女性というのはなんて可愛く、なんて素敵で、ときにわがままなんでしょう? つかみどころのないところも、女性がチャーミングな理由のひとつだと思います」という伝説のMCを披露し、大人のファンたちを大いに酔わせました。

 解散発表後、出演中の舞台「Oslo」のカーテンコールでは「(ファンの)みなさんにとっては、非常につらく悲しいお知らせではあったと思いますが、第2章のスタートとして、僕たちはこのエンターテインメントの世界にい続けます」と宣言。リーダーらしく新たな希望を示してくれました。

特撮美男子路線はこの人から始まった

 長野博さん(48)は、一歩踏み込んだ思いやりを持つ人です。

 長野さんは1996年、ジャニーズ初の“ウルトラマン”として「ウルトラマンティガ」(TBS系)の主人公マドカ・ダイゴ役を演じ、従来にないスマートでさわやかなヒーロー像を確立しました。“長野ティガ”の登場は、その後のつるの剛士さんのウルトラマンダイナや、オダギリジョーさんの仮面ライダークウガへと引き継がれ、特撮ヒーロー美男子路線を確立したエポックメイキングなキャスティングでした。

 余談ですが、“バレーボールデビュー組”の後輩でもある有岡大貴さん(Hey! Say! JUMP)は、「エヴァ」の庵野秀明さんが企画・脚本を務める「シン・ウルトラマン」(2021年初夏公開)への出演が決まっています。ジャニヲタにとってウルトラマンといえばティガ=長野さんなので、その系譜を有岡さんが継ぐことで、改めて長野さんの功績の大きさが際立ちます。

 V6内では“お母さん”と呼ばれ、調理師と野菜ソムリエの資格を持つ長野さん。グルメ番組の出演や料理関連の著書も多数。本には「なぜこの材料を先に入れるのか? なぜゆっくり火入れをするのか? とか、全部理由があるのでその理由もきちんと記載」したのだそう。丁寧なコミュニケーションから滲み出る誠実さは、ファンならば誰もが知るところです。

V6の“グループ内中間管理職”

 井ノ原快彦さん(44)は、人と人をつなぐ力のある人です。

 井ノ原さんは年上組の「20th Century」(トニセン)所属ですが、年齢的には年下組の「Coming Century」(カミセン)とのちょうど真ん中。“グループ内中間管理職”ともいうべき役割を担ってきました。

 テレビでは「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)の司会を務めるほか、ドラマ「特捜9」シリーズ(テレビ朝日系)に主演。また、2018年3月まで有働由美子さんと共に「あさイチ」(NHK)の初代メインキャスターを担当し、視聴者の心に寄り添う人柄が支持を集めました。

 特に番組内で朝ドラマの感想を語り合う“朝ドラ受け”は好評で、これは井ノ原さんの「ひとり暮らしのおばあちゃんが朝ドラを見て、感想を言い合えないとさびしいじゃないですか」、「せめて、テレビに話しかけてくれたらと思ったのがきっかけ」との思いによるもの。売れっ子なはずなのに、隣の家に住んでいるような近さを感じる名采配でした。

シビアな芝居の道を邁進

 森田剛さん(42)は、嘘のつけない誠実な人です。

 森田さんはV6の解散と同時にジャニーズ事務所を離れ、俳優業に重点を置くことを発表しました。「これからの生き方を考えたときに、ここで大きな変化が必要だと思ったし、芝居をしたい、1人になって勝負したいということを強く思った」という森田さんが芝居の魅力に目覚めたのは、2005年、舞台「荒神~AraJinn」に主演したときだといいます。以来、その演技で名だたる舞台人を魅了してきました。

 印象的だったのは、ドキュメンタリー番組で紹介されたソロショットの撮影シーンでのこと。笑顔が控えめなことを“省エネ”と指摘された森田さんは「失礼だな(笑)。全然わかってないね」と異論を唱えました。スタッフは“満面のアイドルスマイル”を期待したようですが、森田さんは「これマックスです」「省エネに見えるんだね。そりゃそうか。でもきっと、こだわるところが違うんだよ。他の人たちと」とその理由を伝えました。コンサートでの森田さんを見れば、彼が笑顔をケチる人でないことはすぐにわかります。

 これから森田さんが邁進する芝居の世界では、心の動きをミリ単位で表情に刻む繊細さが求められます。シビアさを十分に知った上でその道に進む覚悟をしたのは、それだけ芝居に向けるひたむきな思いがあればこそ。解散の発端になったとも言われていますが、その決意はなまなかのものではないはずです。

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