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- 2012年12月18日 13:18
「古い自民党」の終焉
選挙期間中ということでブログの更新を控えていましたが、本日より再開いたします。
今回の選挙は自民党の圧勝に終わったわけですが、この選挙から見えてきたことがいくつかあります。
一つ目は、既存メディアの情報収集能力はネットよりも格段に優れているということです。既存メディアは投票日までに何度も世論調査を行い、「自民単独過半数の勢い」(『東京新聞』12月13日付)、「自公、300議席うかがう」(『朝日新聞』同)といった予測を行っていました。他方、ネット上では日本未来の党が議席を伸ばすといった観測がなされていましたが、結果を見ればどちらが正しかったかは歴然としています。
ネット上では、既存メディアによって世論操作が行われたといった議論もなされていますが、読売新聞はまだしも、自民党に対して批判的な東京新聞や朝日新聞が意図的に自民党を利するような報道をするとは思えません。
そもそも、「既存メディアによって世論操作が行われた」という主張自体が、自民党を貶めるための「世論操作」です。既存メディアの報道が公正・中立でないように、ネットの書き込みも公正・中立ではありません。それでもあえて「世論操作」が行われたとするならば、既存メディアは「世論操作能力」においてもネットより格段に優れているということです。
二つ目は、各政党の「基礎体力」です。民主党が逆風の中で獲得した57議席は、今後も余程のことがない限り維持することができるはずです。他方、自民党の「基礎体力」は、2009年に吹き荒れた逆風の中獲得した119議席、すなわち今回の選挙戦前の議席数です。維新の会の「基礎体力」は、維新の会に対して逆風が吹いたときに明らかになるでしょう。
今回の選挙で議席数が大きく変動したのは自民党と民主党です。そこから判断すると、たいていの有権者にとって、選択肢は自民党と民主党の二者択一だったようです。その意味で、日本にも二大政党制が根付きつつあると言えますが、自民党と民主党の「基礎体力」に大きな開きがあることを考えると、日本の二大政党制はまだまだ不完全と言わざるを得ません。もっとも、二大政党制が日本政治にとって適当であるかどうかは別の話ですが。
三つ目は、今後の日本政治をリードする政治家のタイプです。それは「エリート」で「政策通」の政治家たちです。民主党政権時代から批判されてきた松下政経塾出身の政治家をイメージすればわかりやすいと思います。
松下政経塾など冗談じゃないと言う人も多いかもしれませんが、実際今回の選挙で、野田佳彦氏や玄葉光一郎氏、前原誠司氏などの政経塾出身の政治家たちは、逆風をはねのけて当選しています。
これは単に彼らが選挙に強いからというだけでなく、今日の世の中が、「エリート」で「政策通」の政治家、別の言い方をすれば官僚のようなタイプの政治家が主流を占める時代になりつつあるからだと思います。自民党の安倍氏や石破氏も、「エリート」で「政策通」の雰囲気を身にまとっています。
他方、今後政界において居場所を失っていくのが、「寝業師」と呼ばれ、裏で政局を操るタイプの政治家です。田中角栄タイプと言ってもいいでしょう。森元総理や古賀誠氏が選挙に出なかったのも、世の中の流れを巧みに読み取ったからだと思います。また、田中真紀子氏の落選にもそのことが表れています。
逆に言えば、自民党が勝利したのは、長老たちの引退によって「古い自民党」のイメージを脱ぎ捨てることができたからでしょう。その意味で、今回の選挙は「古い自民党政治」の終焉を象徴していたように思います。もっとも、これにより日本政治が良くなるかどうかは全く別の話です。
安倍政権がどれだけ続くかは別として、自民党政権自体はこれから4年間続くでしょう。民主党が300を越える議席を獲得したにも関わらず4年続かなかったのは、小沢一郎という「剛腕」が存在したからです。現在の自民党にはそのような「剛腕」は存在しません。
2012年は世界のリーダーの顔ぶれが大きく代わる年でしたが、日本も図らずもこの流れに乗ることになりました。安倍政権は果たしてどのような政治を行っていくのか、TPPや原発、憲法改正、沖縄問題など、その政策を注視していく必要があります。(YN)
今回の選挙は自民党の圧勝に終わったわけですが、この選挙から見えてきたことがいくつかあります。
一つ目は、既存メディアの情報収集能力はネットよりも格段に優れているということです。既存メディアは投票日までに何度も世論調査を行い、「自民単独過半数の勢い」(『東京新聞』12月13日付)、「自公、300議席うかがう」(『朝日新聞』同)といった予測を行っていました。他方、ネット上では日本未来の党が議席を伸ばすといった観測がなされていましたが、結果を見ればどちらが正しかったかは歴然としています。
ネット上では、既存メディアによって世論操作が行われたといった議論もなされていますが、読売新聞はまだしも、自民党に対して批判的な東京新聞や朝日新聞が意図的に自民党を利するような報道をするとは思えません。
そもそも、「既存メディアによって世論操作が行われた」という主張自体が、自民党を貶めるための「世論操作」です。既存メディアの報道が公正・中立でないように、ネットの書き込みも公正・中立ではありません。それでもあえて「世論操作」が行われたとするならば、既存メディアは「世論操作能力」においてもネットより格段に優れているということです。
二つ目は、各政党の「基礎体力」です。民主党が逆風の中で獲得した57議席は、今後も余程のことがない限り維持することができるはずです。他方、自民党の「基礎体力」は、2009年に吹き荒れた逆風の中獲得した119議席、すなわち今回の選挙戦前の議席数です。維新の会の「基礎体力」は、維新の会に対して逆風が吹いたときに明らかになるでしょう。
今回の選挙で議席数が大きく変動したのは自民党と民主党です。そこから判断すると、たいていの有権者にとって、選択肢は自民党と民主党の二者択一だったようです。その意味で、日本にも二大政党制が根付きつつあると言えますが、自民党と民主党の「基礎体力」に大きな開きがあることを考えると、日本の二大政党制はまだまだ不完全と言わざるを得ません。もっとも、二大政党制が日本政治にとって適当であるかどうかは別の話ですが。
三つ目は、今後の日本政治をリードする政治家のタイプです。それは「エリート」で「政策通」の政治家たちです。民主党政権時代から批判されてきた松下政経塾出身の政治家をイメージすればわかりやすいと思います。
松下政経塾など冗談じゃないと言う人も多いかもしれませんが、実際今回の選挙で、野田佳彦氏や玄葉光一郎氏、前原誠司氏などの政経塾出身の政治家たちは、逆風をはねのけて当選しています。
これは単に彼らが選挙に強いからというだけでなく、今日の世の中が、「エリート」で「政策通」の政治家、別の言い方をすれば官僚のようなタイプの政治家が主流を占める時代になりつつあるからだと思います。自民党の安倍氏や石破氏も、「エリート」で「政策通」の雰囲気を身にまとっています。
他方、今後政界において居場所を失っていくのが、「寝業師」と呼ばれ、裏で政局を操るタイプの政治家です。田中角栄タイプと言ってもいいでしょう。森元総理や古賀誠氏が選挙に出なかったのも、世の中の流れを巧みに読み取ったからだと思います。また、田中真紀子氏の落選にもそのことが表れています。
逆に言えば、自民党が勝利したのは、長老たちの引退によって「古い自民党」のイメージを脱ぎ捨てることができたからでしょう。その意味で、今回の選挙は「古い自民党政治」の終焉を象徴していたように思います。もっとも、これにより日本政治が良くなるかどうかは全く別の話です。
安倍政権がどれだけ続くかは別として、自民党政権自体はこれから4年間続くでしょう。民主党が300を越える議席を獲得したにも関わらず4年続かなかったのは、小沢一郎という「剛腕」が存在したからです。現在の自民党にはそのような「剛腕」は存在しません。
2012年は世界のリーダーの顔ぶれが大きく代わる年でしたが、日本も図らずもこの流れに乗ることになりました。安倍政権は果たしてどのような政治を行っていくのか、TPPや原発、憲法改正、沖縄問題など、その政策を注視していく必要があります。(YN)



