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シェア・エコノミーはどこへ向かう?


日本でレイチェル・ボッツマンによる『シェア画像を見る』が発売され、これまでと異なる消費の形、"Collaborative Consunption(協力的消費)"やシェア・エコノミーが広く知られるようになったのは2010年のことでしたが、その後様々なCollaborative Consunptionを促すサービスが日本でも生まれました。

アメリカはAirbnbなどシェア・エコノミー的な概念を一般化させたWebサービスが多数生まれた国ですが、そのような事業に投資し、消費至上的な文化からのシフトを促進を促しているCollaborative Fundの設立者、Craig Shapiroがこのような経済の今後についてFastCompanyに寄稿しており、そちらがとても興味深かったので要約しつつご紹介。(このような経済のあり方が果たして労働を生み出すのか、規制上どのように扱われるのか、長期的な発展はあるのか、が主な焦点。)

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▼雇用創出
不況によって雇用が失われる中、シリコンバレーにおけるテックブームが果たして雇用を生み出すのか、と懐疑的な声も聞かれていますが、Collaborative Fundはこのような疑問に対し、シェア・エコノミーは(既にアメリカの労働者の1/3を占めるともいわれ、今も急速な成長を続ける)フリーランスのような働き方の多様化を、様々な収入源を提供する形で後押ししているとしています。

▼規制
規制とインターネットが促進するシェアの概念はこれまでのNapstarなどの例をみても相性がよくありません。
売買における詐欺やその他の危険性を鑑み、規制は新しい経済のあり方に対して抵抗しがちですが、それ以上に考えなければならないのは、”ホテルの代わりにAirbnbを使うことが新たな建設の停滞につながるのか?”、”車を買うのではなく、共有することがデトロイトの工業を停滞させるのか?”、”生産性の向上が経済成長を妨げるのか?”といったことです。ジェボンズのパラドックスは”技術の進歩により資源利用の効率性が向上したにもかかわらず、資源の消費量は減らずにむしろ増加する”としていますが、生産性の向上が経済成長に繋がるかは定かではありません。
また、これまでのようなセーフティーネットや保険や課税制度などが整っていない新たな経済活動をどのように支援していくか、も大きな課題です。

▼長期的な成長
Airbnbのホストはサンフランシスコにおいて、5600万ドルの経済活動を促し、うち4310万ドルはホストの周囲にあるお店において消費されました。しかし、このような経済機会の創出が果たして継続的なものになれるのかについては注視しなければなりません。
『不都合な経済』後のエコブームにおいても多くのグリーンベンチャーが生まれましたが、継続的なビジネスモデルを構築できなかったため、消えていきました。

▼これから
シェア・エコノミーはまだまだ乗り越えなければならない壁が多くあります。政府はイノベーションのスピードについていくのに四苦八苦しており、ビジネスモデルの確立が求められ、今後も経済は主にこれまで通りの消費によって動いていくはずです。

しかしながら、シェア・エコノミーをつくっている多くの事業はそれぞれのビジネスモデルを確立しつつあり、起業家や消費者もその効率性や資源の減少やそのポテンシャルに気づき始めています。働き方が多様化し、規制がうまく適応していけばシェア・エコノミー型の事業は今後数十年で大きな見返りをもたらすのではないかと期待しています。
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今回の邦訳はかなり要約していますので、ご興味ある方は是非元記事を読んでみてくださいませ。
日本においても本記事と同様に、働き方の多様化や様々なシェアサービスが生まれていますが、果たして経済としてスケールできるのか、今後の動きが楽しみですねー。


【参考】
What's The Future Of The Sharing Economy?

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