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  • 東龍
  • 2021年03月24日 18:50

緊急事態宣言がようやく解除も、飲食店に大きな分断が起きている残念な理由

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緊急事態宣言がようやく解除

2021年3月21日をもって、一都三県で緊急事態宣言がようやく解除されます。1月8日から始まり、延長も再延長もあって、3ヶ月近くもの期間中、自粛していたことになります。

東京都は、緊急事態宣言が解除された後も、段階的緩和期間として22日から31日にかけて、飲食店に自粛を要請。営業短縮は20時から21時まで、酒類提供は19時から20時まで、協力金については1日6万円から4万円へと変更されています。

「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(3/8~3/31実施分)」について(東京都産業労働局)

飲食店は4月以降の完全解除が視野に入ってきたところで、ようやく希望がもてそうです。しかし、今回の緊急事態宣言の発令がもとになり、飲食店、ひいては、飲食業界で様々な不信感が芽生え、分断が起きているように思います。

菅義偉首相が緊急事態宣言を再延長 飲食店への対応がやっぱりダメな3つの理由

グローバルダイニングが都を提訴へ

東京都は3月18日、時短営業の要請に応じていない飲食店27店に、特措法45条に基づく時短営業命令を出しました。このうち26店がグローバルダイニングの飲食店であったことは衝撃的。時短営業に従わなかった飲食店はいくつもあっただけに、まるで狙い撃ちしたかのようです。

緊急事態宣言が発令も「営業時間を短縮しない!」 有名飲食店の決断が賛同されるワケ

グローバルダイニングは逆に、行政による過剰な権利制約が続いているとして、3月22日に都を提訴するといいます。

都の時短「命令」、グローバルダイニング系飲食店に集中(朝日新聞)

時短命令は違法か グローバルダイニングが東京都提訴へ(日本経済新聞)

東京都が特定の飲食店に命令し、命令された飲食店が東京都を提訴するなど、溝はますます深まるばかり。ここまでの事態に発展したのは、飲食店が国や自治体に対して不信感を募りに募らせた結果であるといえるでしょう。

飲食業界ではまだ他にも分断が起きています。

協力金の不平等感

協力金の金額は一律で、緊急事態宣言の間は1日6万円、緊急事態宣言の解除後からは1日4万円となっています。当初は、中小企業だけが対象となっており、大企業が対象となっていないなど大きな欠陥が見かけられました。現在は大企業も対象になっていますが、事業規模に応じて協力金が決まるのではなく、一律の金額となっていることに対して、飲食業界の中で大きな不満が起こっています。

飲食店には様々な業態があります。10坪足らずで数席だけの小さな店から、300席もあるような大箱までと幅広いです。数百円のファストフードや好きに食べて飲んで1000円台という店もあれば、グランメゾンや料亭、鉄板焼や鮨のように、3万円であれば決して高くないというファインダイニングもあります。月商でいえば、1億円という驚きの超ドル箱店舗から、100万円にも満たない職住一体かつ家族経営で成り立っている店もあるのです。

それなのに、緊急事態宣言が延長に再延長を重ねても、いつまでたっても同金額の一律配布しか行われていないのは、怠慢ではないでしょうか。大手飲食店グループやホテルなどに話を聞くと、1日6万円の協力金では足りないと、必ず不満が聞かれます。

小さい規模の飲食店に対して「協力金バブル」と妬みが向いたりすることも大きな問題。国や自治体の施策に不備があるだけで、飲食店自体は何も悪いことをしていません。個店は経営面で体力もないだけに、先行きが不透明なコロナ禍では不安しかないでしょう。経営資金に余裕をもって是非ともコロナ禍を乗り越えてもらいたいです。

「協力金バブル」と揶揄する論調は飲食業界を分断することになりかねません。メディアもそのような報道をしないように気を付けるべきです。協力金に不満があったとしても、批判の矛先が決して飲食店に向けられることがあってはなりません。

引き続き飲食店に対して厳しい姿勢

東京都は協力金の支給条件として、店舗ごとに感染症対策の責任者であるコロナ対策リーダーの登録を新たに求めています。

「コロナ対策リーダー」登録も 飲食店の感染対策(NHK NEWS WEB)

緊急事態宣言の解除後も、感染の再拡大を防ぐために、国は5本の柱からなる総合的な対策を決定しました。その5つの柱とは、「飲食を通じた感染防止対策」、「変異株の監視体制の強化」、「感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施」、「安全・迅速なワクチン接種」、「次の感染拡大に備えた医療体制の強化」。

飲食店の対策が筆頭に挙げられるなど、引き続き飲食店に対しては厳しい見方がされているといってよいでしょう。

菅首相、21日宣言解除を表明 5本柱で「再拡大防ぐ」(朝日新聞)

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