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何を「一転認めた」のか!河井元法相公選法違反“公判供述”

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河井克行元法務大臣の公選法違反事件の公判で、昨日(3月23日)から被告人質問が始まった。

3月3日に保釈された克行氏が、その後、議員辞職の意向を固めたと報じられていたが、昨日の公判では、議員辞職の意向を示したのに加えて、それまで全面的に否認し無罪を主張してきた公選法違反の事実を「一転して」認めたかのように報じられている。

しかし、産経新聞の公判詳報(《【克行議員初の被告人質問】(1)「結婚20年」「案里の当選得たい気持ち、なかったとはいえない」》 ~(7))を見る限り、実際の河井氏の供述は、「一転して」公選法違反を認めたというようなものではない。

克行氏が公判で、起訴事実について述べた内容は、「河井案里の当選を得たいという気持ちが全くなかったとはいえない、否定することはできないと考えている」という、まさに、誰がどう考えても「否定する余地のない当然のこと」だ。

そして、それ以外の克行氏の供述は、要するに、

(1)妻の河井案里には、政治家として素晴らしい素質があり、広島県民からの支持も見込めたので、2人目の自民党公認候補として立候補しても当選するものと予想していた、という政治家・河井案里への礼賛。

(2)現金を配布してまで、案里氏を擁立し、選挙運動を行ったのは、(「当時の首相安倍晋三氏の溝手顕正氏への遺恨」や、「当時の官房長官の菅義偉氏の岸田文雄氏との総裁選に向けての確執」などという、マスコミで取り沙汰された「背景」によるものではなく)、純粋に、「自民党公認候補での2議席独占」をめざしたものだった(ベテランの溝手氏と若手で女性の案里氏とでは支持層が全然違うので、自民党支持層の投票先が溝手氏から案里氏に移ることはあり得ない、という自民党本部の対応の正当化。

(3) 広島県連は、長年にわたって、自民党1議席、野党1議席というぬるま湯につかった選挙をしてきた。真面目に地盤培養、党勢拡大をしてきたとはとても思えない。溝手氏や、県連会長を務めていた宮沢洋一氏は、案里が出馬することで楽な選挙ができなくなるとして、案里の立候補に反対した、という自民党広島県連への批判。

の3つである。

克行氏公判供述は「自白」なのか

克行氏は、主張を変えた理由について、

「本当に、案里を参院選に当選させたいという気持ちがなかったのか。家族同然の後援会の皆さんが証言されている姿を見て、連日深く自省しました」

などと、もっともらしく「自白に至った経緯」を話しているが、「案里を当選させたい気持」があったことは、誰が考えても当然のことであり、「深く自省」しなければ供述できないことではない。

検察の主張は、領収書も受け取らず、「違法な裏金」として多額の現金を配布した、というものだ。「違法な裏金」だと認識して現金を配布したというのでなければ、「事実を認めて自白した」ということにはならない。

一方、克行氏側の従前の「無罪主張」は、

《「当選を得させる目的」はあったが、そのために「選挙運動」を依頼して金を渡したのではない。あくまで、案里の当選に向けての「党勢拡大」「地盤培養行為」のような政治活動のための費用として渡した金である》

という主張であり、「無罪主張を翻す」ということであれば、

「案里への投票と、そのための選挙運動を依頼するために金を渡したものであり、政治活動に関するものではなかった」

と認めることになるはずだ。

ところが、弁護人から、「選挙に向けた準備」について質問された克行氏は、

「党勢拡大活動と地盤培養行為を真面目にやっていくことに尽きる。」

と述べており、結局のところ、案里氏の選挙に向けての「政治活動」を行っていたという従前の主張に何ら変わりはない。

克行氏は、

「選挙人買収の目的のみではないが、事実として認める。」

と、抽象的に事実を認めるように言っているだけだ。具体的な「自白」ではなく、「公選法違反」を「結論」として「自認」しているだけに過ぎない。

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