記事

【アルバートソンズ】、食品スーパーも売上の20%がネットスーパー!DXで売場も変化?


■全米第2位のスーパーマーケットチェーンであるアルバートソンズは売上の20%がネットスーパー経由になるとの見方を示した。

アルバートソンズCEOのヴィヴェック・サンカラン氏がシティグループ主催のバーチャル・インタビューでパンデミックの影響でネットスーパーが当初の予測より大きく成長することを語ったのだ。

ネットスーパーでも宅配よりカーブサイド・ピックアップが成長の軸になり、ロボット物流のマイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)が同社のロジスティックの要となる考えだ。

新型コロナウイルス感染拡大前、アルバートソンズはネットスーパーが売上全体の10%になるとの予測だった。

パンデミック以降、アルバートソンズのネットスーパー事業が急拡大し、2020年度の第1四半期は前年同期比276%の増加、第2四半期も同243%増、第3四半期も同225%の増加だった。

いずれも200%を超える増加幅となったことで今年度中には売上全体の10%はネットスーパー経由ということになる。その後も成長を続け売上の20%ぐらいにまで占めるというのだ。

すでにアルバートソンズのカーブサイド・ピックアップ「ドライブ・アップ&ゴー(Drive Up & Go)」は1,400ヶ所に展開しており、1,800ヶ所まで拡大。2時間の時短宅配サービスもセーフウェイやボンズなど全2,250店(34州)での展開となる。

アルバートソンズではネットスーパーの成長にドライブ・アップ&ゴーが柱となる考えで、同社の店舗ロケーションが好立地であることに加え、宅配サービスはどうしても利用者宅との距離が心理的ボトルネックになるとの見方だ。

つまり利用者宅が店から離れていればいるほど、宅配までの時間がかかり待機時間が長くなることで利用者のストレスとなるのだ。したがってネットスーパーでもカーブサイド・ピックアップの利用が増える傾向と見ている。

 フルフィルメントセンター開発を手掛けるテイクオフ・テクノロジー(Takeoff Technologies)との提携拡大を発表しているアルバートソンズはMFCを今年、7ヶ所に設置することを明かした。

昨年に6ヶ所の設置との発表だったことから、1ヶ所増えたのだ。

アルバートソンズはサンフランシスコ近郊にあるセーフウェイ(2019年10月)とサンノゼのセーフウェイ(同年12月)にMFCをすでに導入している実績がある。昨年の決算発表ではこの2ヶ所のMFCによって労働生産性が25%もアップしたとの報告も行っていた。

MFCを積極的に拡大する理由として地域性を上げている。店によって取り扱う商品が異なっていることでスーパーマーケット店内に設置されるMFCが有効と見ているのだ。

また宅配は物流拠点から利用者宅の距離が重要であり、短い配達区域には店併設のMFCのほうがより適しているのだ。

これはネットスーパー専用倉庫としては最大級となるセントライズド・フルフィルメントセンター(Centralized Fulfillment Center:CFC)を展開するスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーとは異なる見解だ。

クローガーのCFCは1万坪前後となり、ミニCFCでも4,000坪弱となっており、複数の店をカバーする仕様だ。

 一方、パンデミックの買い物傾向ではクローガーCEOロドニー・マクマレン氏と同意見となった。

政府からの給付金により顧客は食品をアップグレードしているのだ。アルバートソンズでもシーフードは割高となる貝類が売れ、顧客は高級ワインを買うようになっている。

(自宅で料理を作る機会が増え)食材等をアップグレードすることもあり、品質の違いを理解するようになったのだ。

この違いを知ったことでパンデミック後もインフレでもなければ、アップグレードした食品を買い続けるとサンカラン氏も見ている。

 全米第2位の食品スーパーも売上の20%がネットスーパーになるとの予測で、スーパー業界は積極的にIT投資となるのだ。

トップ画像:アルバートソンズはサンフランシスコ近郊にあるセーフウェイ(2019年10月)とサンノゼのセーフウェイ(同年12月)にMFCを導入している。昨年の決算発表ではこの2ヶ所のMFCによって労働生産性が25%もアップしたとの報告だ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。エントリー記事にある「食品スーパーの売上の20%がネットスーパー経由」をみて「売上の8割がまだ売り場から」という考え方ではDXの時代に生き残れません。単なる引き算ではありません。ネットスーパーの時代には売れる商品も異なり品揃えも異なってくるのです。リアル店の売上2割減で、売り場の商品構成や見せ方も変化します。

つまり持続的イノベーションとしての売り場つまり「10-2」の計算式ではなく、破壊的イノベーションで起きる売り場革命です。これはアルバートソンズCEOのヴィヴェック・サンカラン氏も考えていることです。最も大きな変化はブランド。

ネットスーパーの売上が上がれば上がるほど顧客は売り場に来る機会が減るため、選択される商品ブランドは狭くなっていきます。ネットスーパー利用では履歴から商品を購入することが大半です。これでブランドスイッチが起こりにくくなるのです。したがって大手チェーンではPB開発に余念がありません。アルバートソンズでも25%をPB、できれば30%と考えているのです。

 ネットスーパーの時代、お客が食品スーパーの売り場に来る機会が減るということは何を意味するのかをアメリカの先行事例からもっとよく勉強すべきでしょう。10-2=8で、まだ8あるじゃないかではありません。パレートの法則も思い出してください。

あわせて読みたい

「小売業界」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    飲食店の酒提供に対し小刻みな制限をかける小池都知事 科学的根拠はあるのか

    深谷隆司

    06月20日 16:18

  2. 2

    年上の高齢男性から告白されるということについて

    紙屋高雪

    06月21日 09:11

  3. 3

    共同通信『慰安婦謝罪像、東京で展示を検討』 とんでもないことで許せぬ

    和田政宗

    06月21日 08:22

  4. 4

    日本人はナゼ「貧乏になったこと」に気が付かないのか?

    内藤忍

    06月21日 14:24

  5. 5

    日経平均2万8000円割れ:識者はこうみる

    ロイター

    06月21日 11:44

  6. 6

    「反ワクチン」言説は支持しません。が、Amazonなどからの一斉排除はいささかの懸念が残る

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月21日 08:18

  7. 7

    尾身氏らが提言した無観客開催 五輪ファンの生きがいが奪われるリスクは検討したのか

    山崎 毅(食の安全と安心)

    06月21日 10:53

  8. 8

    60歳以上の約3割「家族以外の親しい友人がいない」孤独に長生きして幸せなのか

    毒蝮三太夫

    06月21日 09:31

  9. 9

    ワクチン接種の義務付けをめぐる「公共の福祉」と「個人の自由」日本とアメリカで違い

    中村ゆきつぐ

    06月21日 08:35

  10. 10

    早すぎた緊急事態宣言の解除 7月半ばに再び赤信号が点灯する予感

    企業法務戦士(id:FJneo1994)

    06月21日 12:18

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。