- 2021年03月24日 17:36
【読書感想】伝え方の作法 どんな相手からも一目置かれる63の心得
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伝え方の作法 どんな相手からも一目置かれる63の心得 (SB新書)
- 作者:池上 彰,佐藤 優
- 発売日: 2021/03/06
- メディア: 新書
Kindle版もあります。
伝え方の作法 どんな相手からも一目置かれる63の心得 (SB新書)
- 作者:池上 彰,佐藤 優
- 発売日: 2021/03/05
- メディア: Kindle版
日本を代表する「伝え方のプロ」池上 彰と、「知の巨人」佐藤 優が教える、
どんな相手からも信頼される、知的コミュニケーションの作法!
僕自身は、医療という仕事をしているので、自宅でのテレワークの経験はないのです。長男は新型コロナ禍での学校の授業でZOOMを使いこなしていて、人はこうして時代に取り残されていくのか……と感じています。
それでも、新型コロナ感染予防のためのオンライン診療なども行われるようになってきています。
対面診療が大前提にはなるのでしょうけど、外出するのが大変な高齢者に対しては、状態が落ち着いていれば、オンライン診療が今後も選択肢に入ってきそうです。
一度、オンライン診療をはじめて、それで大きな問題がなければ、コロナが収まったから以前の状態に戻す、というのは難しいのではないかと。
オンラインでのコミュニケーションは移動の時間が省け、良くも悪くも相手と直接触れることができないのです。
LINEなどのSNSと同じで、リアルタイムでの対応が求められたり、「遠いからお会いするのは難しい」と断れなかったり、という問題点もありますよね。
この本、池上彰さんと佐藤優さんの対談本シリーズのひとつなのですが、とくに「リモートワークでのコミュニケーションのコツ」について、多くのページが割かれています。
佐藤優:日本人は表情が乏しいとも言われますが、マスクで顔半分が覆われていることが多い今は、普段よりも表情をしっかりと表現するように意識するのも大事ですね。
池上彰:今、盛んに取り入れられているリモートミーティングでも、オーバーリアクションは重要です。リアルで相手と直接対面しているとき、「何となくの空気感」で伝わる情報量は侮れません。それがないリモートでは、表情を大きくするほか、大きくうなずく、あえて手元も画面に映るようにして身振り手振りを加えるなど、オーバーリアクションを心がける。それだけでもコミュニケーションの充実度はだいぶ違ってくると思います。
佐藤:リアルで会う機会が減っているなかで、どう画面越しにうまくコミュニケーションをとるか。これも、コロナ禍を機に大きく変化しつつあり、しかも変化が根付いていかざるを得ないところですね。
池上:ちなみにそのほかで、私がリモートで会話をする際に気をつけているのは、PCのカメラに目線が行くようにすることですね。複数名での打ち合わせでは、PCのスクリーンに相手の顔がコマ割りで表示されるので、無意識のうちに話している相手のほうを見る。するとそのときの自分の様子は、相手の画面上では目をそらしているように映るのです。
佐藤:なるほど、リモートの場合、対面式の会話と同じ要領で画面に映る話者のほうを見てしまうと、かえって相手から目をそらして聞いているような格好になってしまうというのは、対面式のコミュニケーションでは起こり得なかったことですね。このような場合、どう対処したらいいと思いますか?
池上:たとえば、PC画面の上に打ち合わせ用の資料を置いて話す。相手の顔は見えにくくなりますが、こうするとPCのカメラには自然と目線が行きます。このようにちょっとしたコツを意識することで、相手に好印象を与えることができるのです。
ずっとカメラの前で話す仕事をしていた池上さんらしい視点ではありますよね。
正直、リモートワーク慣れしていない人どうしなら、多少ぎこちないほうがホッとするところもあるのですが、これだけ「当たり前の選択肢」のひとつになってくると、そこで相手に好印象を与えるに越したことはありません。採用のためのリモート面接も行われているのですから。
また、「リモートという選択肢」ができたことについて、こんな話も出てきます。
池上:直に会わずに済まされるという意味では、女性にとってもリモートの普及はいいことだと思いますね。たとえば仕事の上下関係や利害関係のある人に誘われたら、パワハラ、セクハラ的な振る舞いをしてくる相手であっても、無下に断れない。リアルが基本だと、勇気を出して「断る」か、少しの我慢と思って「行く」か、2つの選択肢しかありません。しかし断ったら仕事に支障が出るかもしれないし、行ったら行ったで大変不本意な目に遭う危険がある。
佐藤:もちろん、パワハラ、セクハラめいた振る舞いが常習化している人物なら、本をただせば相手のほうが悪いわけですが、そういう不埒な輩がいることは事実です。女性は対抗策をもっておいたほうがいいですね。
池上:そんななかで、リモートという第三の道を選べる。自分の身を守りながら、しかし顔を見ながら話すということができるわけです。「この人、あぶないな」と思ったら、「リモートにしましょう」と提案するというのは、非常にいい護身術だと思いますよ。
佐藤さんは、「成果物の質」が変わらないのであれば、移動費や打ち合わせの際の飲食費なども不要になるので、(リモートワークができるようにするための初期投資はかかるとしても)かなりの経費削減になる、と仰っています。
「資本主義の論理からして、リモートが根付いていくのは必然だと思う」とも。
この対談本も、お二人のリモートでの対話をもとにつくられたものだそうです。
読んだ印象としては、直接会って話をしてつくられた本と、そんなに大きな変化は感じられませんでした。
もちろん、「実際に顔を合わせているからこそ生まれる空気感」というのもありますし、すべてがリモートに置き換わることはないのでしょうけど。
コンサートとか、オンライン配信で観ても、ついスマートフォンに手が伸びてしまうんですよね……僕がスマホ依存なのですが。
この話にも出てくるのですが、新型コロナは、親しい人たちとの飲み会を困難にした一方で、接待や「仕事の付き合いでの気乗りしない酒席」を激減してくれてもいるのです。
たしかに、「リモートにしましょう」が推奨される世界は、少し生きやすいのではないかと思いますし。
そして、「リモートという選択肢がある社会」だからこそ、「実際に会う」ことの価値が上がるという面もあるのです。



