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公益法人改革(置き土産)

 今となってはもう日の目を見ることもないでしょうが、私は「公益法人改革」について相当に詰めた議論を行い、以下のような方針を書き上げてきました。これは行政関係部局や国会の法制局ともかなり激論をしながら作ったものです。

 これは法改正がなくてもやれる内容を盛り込んでいます。最後の最後のところで、これを閣議決定する方向性を付けたかったのですが、解散で実現しませんでした。心血を注いで作りこんできただけに結構な自信作です。

 ゴチャゴチャしたことが書かれていますが、内容的には色々なものが盛り込まれています。天下り、内部留保、会費、検査事務、調達等、これくらいの規制が閣議決定でかかれば、間違いなく公益法人をめぐる様々なことが変わるでしょう。ポイントは最後の四です。ここできちんと締めることが必要なんです。

 誰かの目に留まり、実現しないかなという淡い期待感を持ちながら、ここに書き残しておきます。

【公益法人に関する分野における行政改革についての方針(仮称)(案)】

 公益法人に関しては、「政府関連公益法人の徹底的な見直しについて」(平成21年12月25日閣議決定)により示された基本的姿勢及び見直しの視点を踏まえ、行政刷新会議や行政改革実行本部において、事業仕分けや政府系公益法人の見直し(平成23年7月12日内閣府公益法人行政担当室公表)が実施されてきたところである。  しかしながら、公益法人と行政の関係に関する従来の見直しは十分なものとはいえず、公益法人と行政の関係に対する国民の視線には依然として厳しいものがある。  そこで、政府は、公益法人に関する分野において、以下の方針に従い、行政改革を進めるものとする。

一 公益法人に対する規制の見直し

 公益法人の役員の選考、役員等の待遇、内部留保の水準、会費の授受、国からの委託事業に係る成果の公開等に関する規律と透明性の向上を目的として下記の規制を行い、公益法人としての信頼性を確保する。

1.役員の選考(公募等の実施)
①  行政への依存度(直近事業年度決算において、当該公益法人の収入金額の総額に占める当該公益法人が国から受けた給付金等の総額の割合をいう。)が3分の2以上(ただし次年度にこれを下回ることが確実である場合を除く。)(職員の退職管理に関する内閣府令第9条第2号)である法人(以下「財源行政依存法人」という。)については、事業執行に責任を有する役員の明確化を目的として、すべての常勤又は有給の役員のポストにつき、公募等を行う。

②  ①以外でも、行政から一定額以上の収入を得ており、同一府省等出身者が同一役員(有給)ポストに3代以上連続している法人につき、選考を透明化し、いわゆる「指定席」の疑いを払拭することを目的として、役員の選考につき、該当ポスト(3代連続)について、公募等を行う。

③  ①、②いずれの場合も当該公募等のプロセス及び結果の公開及び公表を行い、必要な場合には結果についての説明責任を徹底する。

2.役員等の待遇(報酬等の公開)
①  財源行政依存法人については、すべての常勤又は有給の役員のポストごとに、年間報酬及び退職金等総額を決算時に公開する。

②  財源行政依存法人及び行政から一定額以上の収入を得ており、同一府省等出身者が同一役員(有給)ポストに3代以上連続している法人については、すべての常勤又は有給の役員の報酬及び退職金等は民間企業の給与水準と比較して不当に高額のものでないようにする。

③  すべての公益認定を受けた法人につき、公益法人としての信頼性確保を目的として、常勤役員の平均報酬をバンドで公開する(なお、報酬規程等については、公益認定法に基づき公開が必要)。

3.内部留保の適正化
①  財源行政依存法人については、規律と透明性の向上を目的として、内部留保の率及び金額を決算時に公表するとともに、内部留保の水準について基準を設定し、国庫納付の検討を含めた対応を行う。

②  国の補助金等により公益法人に造成された基金については、「基金」に名を借りた実質的な内部留保の管理を徹底することを目的として、各府省において、補助金適正化法等に基づき、適切な管理を徹底する。

③  すべての公益認定を受けた法人につき、公益法人としての信頼性確保を目的として、内閣府の審査により公益認定法に基づく遊休財産規制の徹底を行う。その際、根拠の薄い引当資産等の手法を通じた規制逃れに十分留意する。

4.会費の授受・支出の適正化
①  財源行政依存法人については、規律と透明性の向上を目的として、会費の授受は業務遂行のために真に必要なものに限定することとし、支出先及び金額を公表する。
②  ①以外でも、権限付与に係る業務を独占的に実施している法人については、独占的地位を利用して会費を不当に収集しているのではないかという懸念の解消等を目的として、付与する権限の所管府省が、必要な場合、法人に対して会費規定の公表を求める等、監督を強化する。

5.委託事業の成果の公開
 公益法人が受託した委託事業につき、成果のない無駄な委託の防止を目的として、委託事業の成果について、委託元府省等において公開を徹底する。

二 検査事務等に係る国の関与の在り方の見直し

 国からの委託等又は推薦等を受けて検査、認定、資格付与等の事務又は事業(以下「検査事務等」という。)を行う公益法人等(以下「検査事務等実施法人」という。)に対し、下記の事項を確保するため、適切に関与を行う。

1.検査事務等の手数料等
①  検査事務等の手数料等は、実費を踏まえ、明確な積算根拠に基づき適正に設定されること。

②  ①により手数料が設定されたときは、その積算根拠を含め、これがインターネットの利用その他適切な方法により公表されること。

③  検査事務等の手数料等の徴収に当たっては、合理的理由に基づく負担軽減のための措置が講じられること。

④  検査事務等の手数料等については、前年度までの当該検査事務等の実績及びこれに基づく適切な推計を基に、定期的に見直しが行われること。

2.財務(適切な整理と公表)
①  検査事務等に係る経理は、その他の経理と適切に区分して整理されること。

②  検査事務等については、その事業年度の財務諸表及び事業報告書が作成され、インターネットの利用その他適切な方法により公表されること。

③  検査事務等実施法人の理事の報酬及び退職金等は、当該検査事務等実施法人の資産及び収支の状況を踏まえ、上記一2.②と同様とする。

3.利便性の向上
①  検査事務等に係る申請については、国民の負担軽減及び利便性の向上を図る観点から、申請手続の簡素化、便宜の提供その他必要な措置が講じられること。

②  検査事務等については、インターネットの利用その他適切な方法により、申請手続その他必要な情報が無償で提供されること。

三 調達に関する見直し

 国家公務員出身者が役員等に在籍する公益法人については、行政からの支出又は権限の付与により事務又は事業を実施させることによって、国家公務員出身者の報酬の財源を確保する手段となっているのではないかという批判がある。
 そこで、競争性及び透明性の確保の観点から下記の見直しを行い、一者応札及び一者応募となっている契約等における参入拡大のための措置の促進、競争性のない随意契約の適正化並びに競争性のある契約等における適切な評価及び選定の実施を確保する。

1.一者応札及び一者応募となっている契約等における参入拡大のための措置の促進
①  参入要件等の見直し
ア  入札、企画競争及び公募の参加条件(参加者に求める資格・能力、実施体制等)は、過去に多数の受注実績があることや特殊な業務の経験を有していることを求めるなど、参加可能な者を必要以上に特定の者に限定する内容とはしない。また、事業の実績等については、総合評価、企画競争における審査項目として評価することとし、できる限り競争参加条件としないよう努める。

イ  入札、企画競争及び公募における仕様書の内容は、前回又は過去に当該事業を受託した者でなければ実施できないものとなっているなど、入札等に参加可能な者を必要以上に限定するものとはしない。

ウ  総合評価落札方式による一般競争入札や企画競争における提案書や企画書の審査は、過去に当該事業又は同種類似事業を実施した者が採点上有利になるような評価構造となっているなど、特定の者に有利となるものとはしない。

②  契約準備期間等の確保
 一般競争入札等の競争的な調達方式による契約における公告日から開札日までの期間等は、特に新規参入希望者が、提案書等の検討、仕様書で求められている業務を実施するための準備、前年度の事業実施者からの業務の引き継ぎ等を行うのに十分な期間を確保する。

③  仕様書の記載内容の明確化
 仕様書等の記載内容は、新規参入希望者が業務内容や業務量を十分理解し適正な入札価格を算出するために必要な情報を、具体的かつ分かりやすく記載したものとする。

④  事業の分割化
 仕様書において実施を求める業務内容は、多岐に及ぶ広範囲なものとなっているためにすべてを一括して受注し実施できる事業者が限定されてしまう内容とはしない。また、事業者が限定されてしまうおそれがあるものについて、参入拡大の観点から、事業の成果に対する影響や事業費削減等の観点にも留意しつつ、分割の可否を十分検討する。

2.競争性のない随意契約の適正化

①  複数年度にわたる事業における2年目以降の競争性のない随意契約の見直し
 事業内容が複数年度にわたるものの、予算措置や契約等は単年度で措置されている調査研究等の契約で、事業開始年度においては企画競争等の競争的な調達方式による契約により事業者を選定しているものについて、競争性のない随意契約の削減等の観点から、次年度以降の契約においても、可能な限り引き続き競争的な調達方式による契約とするよう努める。また、真に競争的な調達方式による契約によりがたい場合であっても、当該事業者と継続して契約する必要性を十分検討する。

②  研究開発に係る事業の委託については、予算の効果的かつ効率的な執行、事業の達成目標の明確化の観点から、事業の必要性、実施内容を十分検討し、随意契約の金額の妥当性について厳しく精査する。

③  調査研究等の委託契約における再委託先及び再委託金額の指定は、実質的には国と再委託先との競争性のない随意契約に相当するため、競争性のない随意契約の削減等の観点から、その必要性を十分に検討し、真に必要な場合のみに限定する。やむを得ず指定する場合は、その合理的理由を公表する。

3.競争性のある契約等における適切な評価及び選定の実施の確保
①  総合評価落札方式による一般競争入札、企画競争等における提案書や企画書の審査等において、十分な審査時間を確保する、一部審査者の採点に偏りが見られた場合など不適切な審査結果が出た場合に一定のルールに基づいて是正を行う等、審査や評価に関して公平性・公正性の確保を十分に図る。

②  事業者の事業遂行能力を的確に審査する。また、履行不能となった場合には、責任の所在を明確にした上で適切な処理を行う。

四 実効性確保措置

 以上の規制につきその実効性を確保するため、必要に応じて下記の措置を講ずるものとする。

1.予算交付等の見直し
 予算交付等を行っている各府省等において、必要に応じて法人の対応状況を把握する。仮に是正等が必要と考えられる場合(法人の不適切な対応等)が生じれば、更に対応要請等の段階を踏み、最終的には予算交付等の見直しを行う。

2.内閣府特命担当大臣による勧告
 内閣府(行政改革実行本部事務局)は、各府省による1の対応を注視する。最終的には内閣府設置法に基づく内閣府特命担当大臣の勧告権(資料提出要求等段階を踏んで行われるもの)の行使を視野に入れる。

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