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- 2010年10月30日 23:59
米中間選挙とティーパーティー運動 中山俊宏
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2年前のオバマ政権誕生時の興奮を思い返すと、2年でここまで変わってしまうのかと思ってしまうほど、オバマ政権を取り巻く政治環境は激変している。なぜ、オバマ政権はこのような状況に直面しているのだろうか。
まずなによりも、失業率の問題が挙げられる。選挙前の最後の統計では失業率は9.6%だった。州単位で見るならば、失業率が10%を超える州も少なくない。オバマ政権は雇用状況について、前向きなメッセージを発することができず、共和党政権だったらもっとひどいことになっていたに違いないというかたちでしか、自分たちに対する批判をかわすことができないでいる。
2年前にはオバマの「変革/チェンジ」のメッセージに強く心を打たれ、オバマ・キャンペーンの一端を担った若者が、いまは仕事がなく、うちひしがれている。このような光景が全米各地で見られるような状況下では、オバマ政権への支持率が低下していくこともある程度やむをえないだろう。
しかし、このことだけでは、オバマ政権が現在直面している状況の困難さを十分には説明しきれない。というのも、現在起きているのは、単にかつてオバマを支持した人たちが民主党から離反しているということではなく、オバマ政権に対する強い反感と不信感が保守派を中心に共和党内に蔓延し、それが「反オバマ運動」と形容してもいいような潮流を生み出し、それが共和党を勢いづかせているからだ。
そして、この「反オバマ運動」の中心にいるのが、「ティーパーティー運動」だ。「ティーパーティー運動」は、アメリカの独立革命の引き金をひいたボストン茶会事件にちなんで名づけられた。いったい何がこの運動を突き動かしているのだろうか。
画像を見るティーパーティー運動のデモで必ずといっていいほど見かける旗がある。それは中央にガラガラ蛇をあしらった「ガズデン旗(Gadsden Flag)」と呼ばれる旗だ。ガズデン旗は、独立戦争時の軍人、クリストファー・ガズデン(1724〜1805年)が考案したもので、蛇の下には「Don’t Tread on Me(私を踏みつけるな)」と書かれている。ガラガラ蛇には踏みつけられなければ攻撃しないが、ひとたび踏みつけられると獰猛に反撃するという習性があるそうだ。つまり、ガズデン旗は、「自分たちの生活圏に侵入してくるな!もし侵入してくるならば必ずや抵抗する!」という明確な意思表示のあらわれである。では彼らは何が侵入してくることを恐れているのだろうか。
アメリカの保守主義には三つの潮流がある。一つは伝統主義、二つ目は対外的に「強いアメリカ」を目指す対外強硬論、そして最後にとにかく連邦政府の役割、機能、存在を極小化すべきだと考えるリバタリアン的潮流がある。この三つの潮流は時に対立しながらも、状況に応じてバランスを変化させ、これまで保守主義運動を突き動かしてきた。
ティーパーティー運動というのは、保守主義の三つの潮流の中でも特に三番目の潮流が極端なまでに純化された現象と見るべきではないか。つまり、彼らは連邦政府がオバマ政権の下で肥大化しすぎ、そのことがアメリカの民主主義そのものを脅かすまでに至っているという危機感を抱いている。ゆえに彼らの関心は、介入主義的な連邦政府を押し返すことであり、財政均衡であり、減税である。
彼らは、G・W・ブッシュ政権時代にその存在がとりわけ注目された宗教右派が大きな関心を寄せるソーシャル・イシュー、すなわち中絶問題や同性婚問題にはあまり強く反応しない。また、対外強硬論の典型であるネオコン的な思考とはむしろ対極の孤立主義的傾向を有している。
すでに言及したようにオバマ政権は数々の政策的実績を挙げてきた。しかし、その多くが、保守派が抱く連邦政府への不信感を刺激してしまうような政策であったことは否定できない。その極みが国民皆保険制度の導入だろう。
まずなによりも、失業率の問題が挙げられる。選挙前の最後の統計では失業率は9.6%だった。州単位で見るならば、失業率が10%を超える州も少なくない。オバマ政権は雇用状況について、前向きなメッセージを発することができず、共和党政権だったらもっとひどいことになっていたに違いないというかたちでしか、自分たちに対する批判をかわすことができないでいる。
2年前にはオバマの「変革/チェンジ」のメッセージに強く心を打たれ、オバマ・キャンペーンの一端を担った若者が、いまは仕事がなく、うちひしがれている。このような光景が全米各地で見られるような状況下では、オバマ政権への支持率が低下していくこともある程度やむをえないだろう。
しかし、このことだけでは、オバマ政権が現在直面している状況の困難さを十分には説明しきれない。というのも、現在起きているのは、単にかつてオバマを支持した人たちが民主党から離反しているということではなく、オバマ政権に対する強い反感と不信感が保守派を中心に共和党内に蔓延し、それが「反オバマ運動」と形容してもいいような潮流を生み出し、それが共和党を勢いづかせているからだ。
そして、この「反オバマ運動」の中心にいるのが、「ティーパーティー運動」だ。「ティーパーティー運動」は、アメリカの独立革命の引き金をひいたボストン茶会事件にちなんで名づけられた。いったい何がこの運動を突き動かしているのだろうか。
画像を見るティーパーティー運動のデモで必ずといっていいほど見かける旗がある。それは中央にガラガラ蛇をあしらった「ガズデン旗(Gadsden Flag)」と呼ばれる旗だ。ガズデン旗は、独立戦争時の軍人、クリストファー・ガズデン(1724〜1805年)が考案したもので、蛇の下には「Don’t Tread on Me(私を踏みつけるな)」と書かれている。ガラガラ蛇には踏みつけられなければ攻撃しないが、ひとたび踏みつけられると獰猛に反撃するという習性があるそうだ。つまり、ガズデン旗は、「自分たちの生活圏に侵入してくるな!もし侵入してくるならば必ずや抵抗する!」という明確な意思表示のあらわれである。では彼らは何が侵入してくることを恐れているのだろうか。
アメリカの保守主義には三つの潮流がある。一つは伝統主義、二つ目は対外的に「強いアメリカ」を目指す対外強硬論、そして最後にとにかく連邦政府の役割、機能、存在を極小化すべきだと考えるリバタリアン的潮流がある。この三つの潮流は時に対立しながらも、状況に応じてバランスを変化させ、これまで保守主義運動を突き動かしてきた。
ティーパーティー運動というのは、保守主義の三つの潮流の中でも特に三番目の潮流が極端なまでに純化された現象と見るべきではないか。つまり、彼らは連邦政府がオバマ政権の下で肥大化しすぎ、そのことがアメリカの民主主義そのものを脅かすまでに至っているという危機感を抱いている。ゆえに彼らの関心は、介入主義的な連邦政府を押し返すことであり、財政均衡であり、減税である。
彼らは、G・W・ブッシュ政権時代にその存在がとりわけ注目された宗教右派が大きな関心を寄せるソーシャル・イシュー、すなわち中絶問題や同性婚問題にはあまり強く反応しない。また、対外強硬論の典型であるネオコン的な思考とはむしろ対極の孤立主義的傾向を有している。
すでに言及したようにオバマ政権は数々の政策的実績を挙げてきた。しかし、その多くが、保守派が抱く連邦政府への不信感を刺激してしまうような政策であったことは否定できない。その極みが国民皆保険制度の導入だろう。



