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米中間選挙とティーパーティー運動 中山俊宏

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11月2日にアメリカで中間選挙が行わる。アメリカでは2年ごとに連邦議会選挙が行われるが、今回、改選の対象となるのは下院の全議席435議席と上院100議席のうち37議席だ。

今回の選挙で最大の関心事は、野党共和党がどこまで巻き返すかという点だ。そして、共和党の巻き返しの原動力になっていると見なされているのが、勝手連的な政治運動であるティーパーティー運動である。本稿では、ティーパーティー運動の台頭について考えてみたい。

ティーパーティー運動は、オバマ政権が誕生して突如現れたと描写されることが多い。さらに、その「特異性」や「ぶれ方」ばかりに関心が集まっている。これもメディアのロジックからすれば当然といえば当然だろう。

しかし、アメリカの保守主義を観察してきた立場からすると、ティーパーティー運動の台頭については、「やっぱり来たか」という印象を抱かずにはいられない。他方、ここまでこの運動が勢いづくと予想していた人は決して多くはなかっただろう。その意味で、アメリカの保守思想を長らく観察してきた会田弘継氏が述べているように、ティーパーティー運動は「既視感」と「意外感」の双方を覚えるような運動であるという指摘は的を得ている。

では早速分析に入ろう。

2008年1月にオバマ政権が発足した当初、オバマ大統領の支持率は70%近くあった。これはかなり高い数字だ。しかし、いまやその数は40%台前半にまで落ち込んでいる。低い支持率に慣れているわれわれ日本人からすると、40%台を維持しているならば、まぁどうにか踏ん張っているという印象を持ちがちだ。しかし、アメリカ政治の文脈では50%を切ってしまうと政治的に厳しい。

この2年間、オバマ政権が無為無策であったわけではまったくない。むしろ、数々の政策的実績を挙げてきたとさえいえる。政権が発足して間もない2009年2月には、7870億ドルにのぼる景気刺激対策を成立させた。それに引き続き、金融機関やジェネラルモーターズの公的資金の投入による再建、金融規制法の制定、そしてなによりも2010年3月には国民健康保険改革法を成立させた。

さらに外交・安全保障の面でも、野心的なアジェンダを次々と打ち出している。これらひとつひとつの成果は、ひとつの政権が四年がかりで目指す政策目標としても十分に野心的である。

このように数々の実績を挙げてきたにもかかわらず、オバマ大統領の支持率は確実に下がり続けている。最近では、下落傾向に一定の歯止めがかかり、40%台前半あたりで推移している。10月23日のギャラップ社の数字では、支持が43%、不支持が49%と、不支持が支持を確実に上回っている。

この数字を見ると、党派や人種、そして世代を超えた2年前のオバマ大統領に対する期待は疑いなく萎んでいる。特にオバマ政権誕生の原動力となった、無党派層や若い世代のオバマ離れはかなりはっきりとしている。

今回の中間選挙では、オバマ大統領自身が出馬しているわけではないが、オバマ政権への期待感が裏切られたことにより、上下両院で多数党である与党民主党は勢いを失い、民主党の歴史的な大敗北を予測する人が大勢を占めている。

選挙直前の予想としては、下院においては共和党が多数派の地位を奪還することがほぼ確実視されている。また、100議席中37議席しか改選されない上院において共和党が多数党になることは難しいが、議席数を増やすことはやはり確実視されている。

選挙当日が近づくにつれて多少民主党がキャッチアップしたこと、また特に上院議員選挙の場合には、党ではなく候補者自身に投票するという色彩が強くなるため、図式的に説明できない部分もあるが、全体としては、戦いの構図はどちらが勝つかではなく、民主党がどれほど負け幅を小さくできるかという状況になっている。

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