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【読書感想】「顧客消滅」時代のマーケティング ファンから始まる「売れるしくみ」の作り方

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「顧客消滅」時代のマーケティング ファンから始まる「売れるしくみ」の作り方 (PHPビジネス新書)

  • 作者:小阪 裕司
  • 発売日: 2021/02/27
  • メディア: 新書








「顧客消滅」時代のマーケティング ファンから始まる「売れるしくみ」の作り方 (PHPビジネス新書)

  • 作者:小阪 裕司
  • 発売日: 2021/02/27
  • メディア: Kindle版

コロナ禍により、街から人が消えた。だが、そんな中でも、売上を倍増させた店や会社があった……。絶望的な時代を乗り切る、コロナ時代の新・マーケティングバイブルが登場! コロナショックの影響を最も受けたのは、リアルな顧客を相手にする小売・サービス業だ。だが、1,500社を超える企業が参加する会を主宰するマーケティングのカリスマ・小阪裕司氏のもとには、「コロナ禍でも売上が落ちなかった」「むしろ売上が伸びた」という声が多く届いているという。「顧客消滅」という非常時にこそ、「一見よりもファン作り」「フローからストックへ」といった小阪流マーケティングの真価が発揮された形だ。「営業自粛でも前年比150%を達成したレストラン」「深夜営業NGでも売上を維持したバー」「取引先を次々とファンにしたBtoB企業」など豊富な事例をもとに、マーケティングのニューノーマルを説く。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、サービス業に大きなダメージを与えました。外出・外食の自粛が促されたり、夜間営業の禁止や感染予防対策など、飲食店も厳しい状況に追い込まれているのです。「食事中の会話は控えてください」とか「20時に閉店」と言われると、それなら、わざわざ外食しなくてもねえ……基本的には「ステイホーム」のほうが良いのだろうし……という気持ちにもなりますよね。行政からの「協力金」で、かえって潤っている店もある、とも聞いて、それはそれで釈然としないものもありますが。

 新型コロナウイルスの感染拡大のような特別な状況であれば、「売れなくなる」のが当たり前だと思うのです。テイクアウトに活路を見いだした、という店もあるとしても、「もともとテイクアウトをやっていて、ノウハウを持っている」ところに、新規参入で勝負するのは難しい。僕もお客としては、待ち時間が短くて、手際が良い、テイクアウト向きのメニューを選ぶことが多いですし。

 著者は、マーケティングの専門家として、「新型コロナ禍のなかでも、売上を伸ばしてきた店」を紹介し、なぜ、それが可能だったのかを検証しています。

 そこで、こういう例をご紹介しよう。新潟の農村部、田んぼと山に囲まれた地域にある、45坪ほどの小さなスーパー「エスマート」での出来事だ。

 2020年4月に発出された緊急事態宣言は、5月に入ると各地で段階的に解除されていった。しかし、先述の通り、人出が一気に元に戻ったとは言い難い状況だった。
 そんな中、同店には、緊急事態宣言解除の直後、顧客がわっと押し寄せた。別に便利な場所にあるわけではない。それどころか、周囲はまったくの田園地帯で、人家もほとんどないような場所だ。にもかかわらず、開店直後から顧客が大勢やってきた。

 ある70代半ばのお客さんは、店内に入るなり店主のところへ駆け寄り、興奮気味にこう言った。
「店長! 私、昨日の夜からワクワクが止まらないの~! 明日、エスマートに行こう! と昨日の夜主人と約束した瞬間からず~っとだよ。今朝起きてもワクワクしてるの! ねぇ、店長、何? この店何? このワクワクは何? 止まらないんだけど(笑)」
 緊急事態宣言下で我慢の日々が続いていた反動もあるとは思いつつ、この言葉は嬉しかったと店主・鈴木紀夫氏は言う。

 ちなみに同店、顧客からは次のような言葉をよくいただくそうだ。
「何か温泉旅館に来たような気分になる」
「ディズニーランドより楽しいかも」
「おばあちゃんから、あの楽しいところにまた連れて行ってとせがまれるんです」
「子供があの店にまた行こう、また行こうとうるさくて」
「私、週末にここに来る楽しみがあるから一週間つらい仕事を頑張れるんです」
「将来こういう店を持つのが私の夢なんです」
 確かに同店は、こう言われるだけのことはやっている。店主の意志ある品揃え、店内ありこちの読むだけで楽しいPOP(店頭販促物)、来店客との親しげな会話、等々。

 本の記述からは、『ドン・キホーテ』や『ヴィレッジヴァンガード』みたいな感じのスーパーマーケットなのかなあ、と僕は思ったのです。この店の場合は、新潟の農村にある、という立地がかえってプラスになっているのかもしれません。そして、僕自身もコロナ禍のなかで実感したのは、「実物の商品を見ながら買い物をするというのは、けっこう楽しい」ということなんですよね。ネットショッピングとはまた違った高揚感があるのです。

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