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「歯と口腔の健康づくり推進条例」は重要でないのか?

14日の市議会本会議終了ののちに開かれた議会運営委員会(議運)でわたしは怒りました。

わたしは、議運メンバーではないので、「委員外議員」として発言しました。

この日の議運のテーマは、議会基本条例に位置づけた政策討論会の開催についてです。

政策討論会とは、議会基本条例の第14条に、「市議会は、市政に関する重要な政策、課題等に対して、議員間の共通認識及び合意形成を図るため、政策討論会を開催する」とあります。
この開催については、議題にしたい案件があるとき、議長に申し出て、議運に提出すれば開催について議運が決定することになっています。

わたしたち無会派の議員3人と、公明の議員1人は、3月の議会へ提出を予定している「歯と口腔の健康づくり推進条例」を政策討論会の議題にしてもらおうと申し入れをおこない、前回の議運から取り扱いについての協議がもたれています。

前回の議運では、「条文にある市政に関する重要な政策、課題等」に該当するかどうかに疑問があるという声があがり、各会派に持ち帰って検討することになりました。

で、会派で検討した結果を持ち寄ったというのが、14日の議運。

議運メンバー個々の発言は次のようでした。<
●真政クラブ(自民党系)の水谷晴夫氏
 「大多数は政策討論会の『必要なし』ということだった。『する』か『しない』かの話だったので、なぜ必要ないかという理由までは聞いていない。

●あかつき会((自民・その他)の田中ユウジ氏
「(歯と口腔について)知識がない中、(政策討論会を開いても)あまり意義がない。まず、関係者(条例案提出予定者のことかと、本人に確認を求めると、歯科医師会や歯科衛生士会を意味するとのこと)に説明に来ていただきたい」

●共産党の久松倫生氏
「やっていただいてけっこう」

●市民民主クラブ(民主党+社民党)の川口保氏
「重要な案件とは言えないので必要ない」

●公明党の西村友志氏
「基本条例にあるように、意見交換の場となるよう前向きにうけとめ、大いに議論することはよいことだ」
わたしたちは、11月26日に、議長に「政策討論会」の開催を申し入れました。

政策討論会の規定は基本条例14条に「市議会は、市政に関する重要な政策、課題等に対して、議員間の共通認識及び合意形成を図るため、政策討論会を開催する」とあり、別途定める規定で、議長は、開催の是非は議会運営委員会(議運)に諮ることとなっています。

最初の協議は、12月5日開かれた議会運営委員会。

わたしは、てっきり、いつ、どのような日程で政策討論会を開催し、討論会の運営方式はどのようであるべきか、手順的なことを協議するのだろうと思っていました。

ところが、今回、申し入れた政策討論会の開催項目が、条例にある「市政に関する重要な政策、課題等」にあたるかどうかを議論すべきとの意見が出て、それについて各会派に持ち帰って検討するということになった。

その答えが、上記の各会派の見解というわけです。

政策討論会にかけていこうという政策の意義についての判断が、各会派の恣意的な判断に委ねられること自体、許されてよいはずがないと考えます。

議会基本条例に盛り込んだ意義は、実施の有無について判断に会派の恣意性を排除しようという点にあるはずです。
ところが、今回のような結論の出し方は、会派の恣意性以外のなにものでもありません。

条例の趣旨は市民の健康を守ることにほかならりません。
それ自体、市政の総合計画にもある重要課題です。

歯と口腔に関しては平成23年に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行され、24年3月には県条例「みえ歯と口腔の健康づくり条例」が制定され、「市町の役割」も位置づけられています。

その趣旨にのっとった条例を制定しようというわけで、子どもから、介護を必要としている高齢者に至るまですべての市民が生涯にわたって歯科検診をうけることができるなどの環境を整えようという内容で、たんに理念だけではなく、実効性ある項目も含んでいます。

議員提案できる要件(議員定数の12分の1)をそろえている本条例案が重要であるかどうかを、各会派で持ちかえって議論するということ自体が、おかしな話です。

会派の多くは、「重要でない」(市民民主クラブ)とか、「知識がない」(あかつき会)、「なぜ必要ないかという理由までは聞いていないが必要ない」(真政クラブ)などという、とんでもない回答を示してきました。

条例の内容いかんにかかわらず、すでに政策条例として提出できる態勢にあるものを「重要でない」といって政策討論を拒むなんてことは信じがたい。
条例案となること自体すでに、市政にとって重要な課題です。

議運のメンバーの中には、わたしと同様、2年半以上、議会改革検討委員会並びに作業部会に属して、政策提案型の議会をめざし、重要な案件については議員の合意形成を図っていく場づくりを議会が提供していくことが、松阪市議会を意味あう議会に変えていくことの重要な足がかりにあるはずだと信じて、議会基本条例の条文づくりに多くの時間をさいて議論を重ねてきたはずです。

政策討論会に位置づけることをよしとしない会派の、そのメンバーたちからは、議運の中においては基本条例の中に位置づけた「政策討論会」を活用していくことの意義の大きさを視野に入れた発言が聞かれなかったのは本当に残念です。

議会運営委員会は、議会改革の検討に携わってきたメンバーが多くを占める。なんのために政策討論会を基本条例の中に位置づけたのか、その理念はわかっているはずです。

いったん会派という密室に戻し、その結論だけを議運に報告し合い、その多数でもって政策討論会の開催の是非を決めてしまうようなことが起きれば、せっかく3年近くも積み上げてきた議会改革の議論は無かったにも等しいこととなります。

議員提案の政策条例は少ないと言われる。それをどんどん作って立法機能を発揮し、また、その前提として、議員間の討議を活発にしていこうという趣旨をなんど、議会改革検討委員会の中で議論したことでしょうか。

基本条例を活用しない議会にすることはカンタンだが、本来、今回のような政策提案は歓迎し、政策討論会の中に位置づけ、基本条例を活かすことにつなげていくことを考えるべきでしょう。

せめて、「市政に関する重要な政策、課題等」に該当するかどうかは、議運に検討を求めているのだから、公開された機関である議運でもっと議論するべきです。

また、同時に、議会改革の作業部会のほうでも、「政策討論会」の意義について、改めて共通の認識を持たなければならないということをつくづく実感させられました。

議運では、もう一度、会派に持ち帰って話し直すということにはなりましたが、なぜ、重要な政策の成否のゆくえを会派にゆだねなければならないのか、はなはだ疑問です。

きょうの午後、議会改革特別委員会の作業部会がありますので、作業部会のほうでこの問題について議論をするよう問題提起するつもりでいます。

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