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トルコリラ、一時15%急落し最安値付近 中銀総裁更迭を嫌気


[イスタンブール 22日 ロイター] - 22日のトルコリラは一時15%急落し、最安値付近で取引された。

トルコのエルドアン大統領は20日、金融引き締めを進めてきたトルコ中央銀行のアーバル総裁を解任し、高金利に批判的な見解で自身と一致する与党・公正発展党(AKP)の元議員、シャハプ・カブジュオール氏を後任に起用した。

低金利を繰り返し求めてきたエルドアン大統領が中銀総裁を解任するのは2019年半ば以降3回目。

関係筋によると、カブジュオール氏は21日に銀行幹部らと90分にわたり電話協議し、金融政策をすぐに転換するつもりはないと説明。リラ急落や利上げから利下げへの転換を巡る懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。

リラは一時、先週末終値の7.2185リラから1ドル=8.4850リラまで下落。昨年11月初旬以来の安値を記録した。最安値は昨年11月初旬に記録した8.58リラ。

ただその後は、トルコのエルバン財務相が、自由市場のルールと為替の自由変動制を堅持する方針を示したことを受けて下げ渋った。

1930GMT(日本時間23日午前4時30分)現在のレートは7.4%安の7.7550リラ。

トルコの主要株価指数は一時約10%安。銀行株が最も大きく売られた。

ウエストパックの為替担当シニアストラテジストは「投資家はリラがプラスの実質金利を背景に安定して推移すると期待していたが、リラの価値を守る当局が、そうした期待を抱いていないとの懸念でリラが急落している」と指摘。

今後さらにリラ安が進む可能性があるとし「欧州で取引が始まる時間帯が正念場になる」と述べた。

カブジュオール氏はハト派的、非正統的な見解の持ち主であるため、ゴールドマン・サックスなどはリラなどのトルコ資産が急落すると予想していた。

アナリストは、中銀総裁の交代で、従来のタカ派的な措置が近く変更される可能性があると予想。外貨準備のバッファーは枯渇しており、トルコが対外収支危機に向かう恐れがあるとの見方を示している。

関係筋によると、カブジュオール氏は銀行幹部らとの協議で、政策を変更するかどうかはインフレ率が低下するかにかかっていると主張。インフレ率の低下が主たる目標だと述べた。現行の政策アプローチを維持する方針も示したという。

中銀のコメントは取れていない。

カブジュオール氏は21日発表した声明で、中銀はインフレ率を恒久的に引き下げることを重視すると表明。

同氏は与党・公正発展党(AKP)の元議員。2月に新聞への寄稿で、高金利は「間接的にインフレ高進をもたらす」と主張するなど、エルドアン大統領と同様に非正統的な説を支持している。

トルコ中銀は18日の政策決定会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを200ベーシスポイント(bp)引き上げ、19%にすることを決定したばかりだった。

ゴールドマン・サックスは21日のリポートで、アーバル総裁更迭を受け、トルコリラに差し迫った「非連続性の」下落見通しが高まり、利下げサイクルの前倒しに向けた段階となっているとの見方を示した。また、資本流出リスクに加え、トルコ経常収支の急速な調整が必須になる可能性を指摘した。

カブジュオール氏は声明で、政策決定会合は今後も毎月行われると表明しており、利下げに踏み切るとすれば、次回会合の来月15日に以降になるとみられる。

格付け会社ムーディーズは、アーバル総裁の解任を受けトルコへの資本流入の逆流が起き、これにより外国為替相場に圧力がかかり、インフレが高まると予想。また、成長支援に向け中銀は新総裁の下で政策金利をインフレ率を下回る水準に引き下げる可能性があるとの見方も示した。

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