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【ロボット宅配】、ラスト50フィートは2足歩行ロボ!流通コンサルタントも浦島太郎?


■新型コロナウイルス感染拡大で流通業界ではネットスーパー需要が急伸している。それにともないITの進化が加速しながら、これまで毛嫌いされてきたロボットも導入を急ぐチェーンストアが目立ってきている。

業界最大手チェーンのウォルマートは1月、ロボット物流のマイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)を本格的に拡大していくことを発表。

MFCを「ローカル・フルフィルメントセンター(Local Fulfillment Center:LFC)」を呼ぶウォルマートでは、MFC開発のベンチャー企業と提携し、スーパーセンター等に併設する形でロボット物流倉庫を展開していくのだ。

ウォルマート以外でもMFCに積極的に導入するアルバートソンズなど食品スーパーは後をたたない。

スーパーマーケット最大手チェーンのクローガーは今月初め、ネットスーパー専用倉庫としては最大級となるセントライズド・フルフィルメントセンター(Centralized Fulfillment Center:CFC)の稼働を開始した。

こちらはイギリスのネットスーパー最大手のオカド(Ocado)と提携した大型のロボット物流倉庫だ。クローガーはロボット物流のCFCを20ヶ所展開する。

 物流倉庫から消費者宅までのラスト・ワン・マイルもロボット導入が盛んだ。ドライバーレス・デリバリーで使われる自動運転車は、スタートアップなど16社以上が開発に取り組んでいる。

無人配送用自動運転車を開発するスタートアップのニューロ(Nuro)やユーデルブ(Udelv)はすでにウォルマートやクローガーと提携しながら実証実験を何度も繰り返している。

ウォルマートはガティック(Gatik)と提携し中・長距離でのミドルマイル輸送に自動運転車のテストを行っている。

陸だけでなく空のラスト・ワン・マイルにもロボットはテストされている。

ウォルマートはベンチャーのフライトレックス(Flytrex)と提携したドローン宅配テスト、ドローン開発のドローンアップ(DroneUp)との実地テスト、さらには固定翼ドローンのジップライン(Zipline)と提携したテストも始めている。

テストフェーズから本格的な拡大フェーズに移っているのは大学のキャンパス内での出前ロボットだ。

宅配ロボットを開発するスタートアップのスターシップ・テクノロジーは1月、自動走行ロボットを使ってピザやコーヒーを届ける注文件数が累計で100万回を突破したことを発表。ロボットを使った食品宅配も手掛けるスターシップは大学キャンパス100ヶ所に出前ロボットを拡大する目標を掲げている。

 ロボット物流倉庫にロボット宅配、そして最後のポイントとなる「ラスト50フィート(15メートル)」にもロボットが投入されようとしている。

ラスト50フィートとは宅配サービスの自動運転車が利用者宅の前で停まった場所から玄関までの間隔だ。

AIを搭載した自動運転ロボットカーが目的地に到着しても利用者が宅配物を取りに来なければ宅配サービスの完了とはならない。

ハイテクカーを投入しても留守であればサービスが無駄になってしまう。

路肩に停まっている車から宅配品を運び、玄関に置いていくラスト50フィートを担うロボットが注目されているのだ。

ロボット開発のアジリティー・ロボティクス(Agility Robotics)は40ポンド(約18キログラム)の箱を運べる二足歩行ロボット「デジット(Digit)」を昨年、市場に投入した。

デジットは高さ150センチで頭のないロボット。デジットの2本の足はダチョウのように逆関節で曲がり人のように歩行する。

デジットは宅配物の箱を二本の腕となる補足器具で挟み、持ち上げて運ぶように設計されている。

デジットには複数のカメラとレーザーレーダーの「ライダー(LiDAR)」を搭載しており、障害物をかわしながら、段差を乗り越えたり、階段の昇降を可能にしている。

プロトタイプは25万ドル(約2,700万円)もするのだがフォード社が2台を購入した。量産化に踏み切ればデジットは7万ドル(約770万円)まで低価格化するのだ。

 いまのところ倉庫内など場所を限定された稼働となるようだが、宅配のコンタクトレス化でデジットが路上デビューするのも早くなるかもしれない。

アメリカでは以前、雇用を奪うとしてロボットは忌み嫌われていた。コンタクトフリーまでニューノーマルとして根付けば、宅配品を持って歩くロボットを昼夜を問わず住宅街で見かけるようになるかもしれない。

トップ動画:アジリティー・ロボティクス(Agility Robotics)が開発した、40ポンド(約18キログラム)の箱を運べる二足歩行ロボット「デジット(Digit)」バージョン1。現在はバージョン2になっているが、ラスト50フィートを担うのはバージョン5ぐらいだろうか。
2021年2月22日 - 【スターシップ】、UCLAで配達ロボットを試した!想像以上に普通のサービスだった?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先日、UCLAで出前ロボットを試した時、もうこんな時代が来たのかと感動しました。ロボットカーで配達品を受け取る以上に学生らはもう見慣れた光景としてロボットの往来に気にかけていない様子だったのです。20代ぐらいの若い人たちにとって自律走行の出前ミニカーはもう普通という事実は若干、自分だけ違う時間軸にいる「浦島太郎状態」。

スターシップが亀に見えて一瞬、背に乗って竜宮城に帰ってやろうかと思いました(というのはウソ)。エントリー記事にあるように二足歩行ロボットの歩道デビューも時間の問題かも。いずれ住宅街でカシャーン、カシャーン、カシャーンの静かな歩行音が響き渡るのでしょうか。

ただラスト50フィートで問題なのは玄関に置き配された宅配物を盗む輩「ポーチ・パイレーツ(Porch Pirates:ポーチとは玄関の意味で『玄関盗賊』)」です。留守宅だったり、利用者が宅配に気づかなかったりすれば、そのスキに盗まれます。そうなるとIT先進国のアメリカではカウンターのロボット投入です。

 カシャーン、カシャーン、カシャーンを電柱から見守るのは明子ねーちゃんロボ。窃盗を追いかけるのは天才バカボンの本官さん。両目のつながった顔面に、撃って撃って撃ちまくる過激な追撃ロボットです。でも、古いマンガからの引用はやっぱり浦島太郎(鬱)...

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