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選挙に際して私たちは主権者として「不断の努力」を怠っていないだろうか


衆議院選挙の結果は予想通り自民党の圧勝でした
各党の獲得議席をメモしておきます

自民294
民主57
維新54
公明31
みんな18
未来9
共産8
社民2
大地、国民新各1
無所属5

さて、次のツイートをご覧下さい 自民党の得票率は、小選挙区では前回36.68%、今回は43.01%で、7.5%ほど得票率をのばしました。
比例代表でも前回26.73%、今回は27.66%0.9%ほど得票率を伸ばしただけなので、自民への支持はさほど増えていないと言えるでしょう。

ところが、議席獲得率では、小選挙区で前回21.33%だったのが今回79.00%にまで跳ね上がっています。

つまり、小選挙区では得票率をわずか7.5%伸ばしただけなのに議席獲得率は57.6%も跳ね上がったのです。

これはどうみても民意を正確に反映してるとは言えません。議会に民意を正確に反映することが民主主義的議会運営の大前提ですから、第一党ほど恐ろしく上げ底えこひいきにしてもらえる小選挙区制は、民主主義にふさわしくない不公平な「格差」選挙だと何度も申し上げましょう。
これで比例定数を減らしたら、ますます正確な民意反映から遠ざかってしまいます。

しかし、それを除いても、若干不思議と言えば不思議です。
3年前の政権交代は、自民的政治に我慢できなくなって民主党に期待を託して起こりました。
でも民主党も変わらず自民的政治を行ったことに激しく失望したから、民主党は得票率を小選挙区で47.43%から22.81%と24.6%近く、比例代表でも42.41%から16.03%と26.4%近くも減らしたのです。

しかしこの減った分の票は、自民に若干と、あとは主に王政復古党(維新)とみんなの党に回りました。

自民的政治なものにうんざりしてるなら非自民的政策の政党に投票すればいいと思うのです
例えば選挙前に、お年寄りに政府にどういう政治をしてもらいたいかを取材した報道があったのですが(出典がわからなくなってURLが示せなくて申し訳ないです)、医療費負担がきついので減らして欲しい、年金を増やして欲しい、消費税は上げないで欲しい、という政策を希望していました。
一般庶民の願いもそうでしょう、安定した雇用と収入、子育てしやすい環境、そういった政策を望んでいるはずです。

でも、自民、王政復古党、みんなの党は軒並みそういう政策とは逆に社会保障を削減しまくる庶民に冷たい政策です。自民は生活保護を目の敵にして廃止まで言い出してるところもあるし、王政復古党は最低賃金の廃止(改正と言い換えましたが同じ事)を提唱しています。
原発だって自民、維新は推進、みんなは脱原発を謳っていますが「直ちにゼロ」ではないので再稼働okです。

庶民の望む政策を、財源も示して明確に掲げている政党はちゃんとあるのに、そういう政党は伸びてないのです。
これって、非合理的な投票行動ではないでしょうか?

一昨日、「普通選挙さえ行われれば民主主義ってもんじゃないでしょう」というエントリ-を書きましたが、日本は、投票行動で有権者が意思を示すに至るまでの間も含め、民主主義の実現過程が歪められていると感じます。

しかし、そのエントリ-に書いたことだけが原因ではないでしょう、有権者自身のなかに多分に潜んでいる「お任せ民主主義」の体質も大きな問題だと思うのです。
これは有権者一人一人の主権者としての意識の問題です。

今回自民党は、憲法改正で国民の基本的人権を否定し、平和主義をかなぐり捨て、TPPに参加して日本の農業や医療を壊滅的にし、普天間基地の辺野古移設を強行し、オスプレイ配備も続行させ、消費税を増税し、原発を推進していくことを公約に掲げていました。

自民党のこの公約をきちんと知った上で自民党に投票した人はどれくらいいるのでしょうか?

今回自民が勝てば、私たち国民がこれらの公約に信任を与えたと受け止められることをどのくらいの人が自覚していたでしょうか?

自民党とはあの「秋葉原の祭典」を見れば分かるように、テンノウヘイカ万歳!帝国憲法万歳!朝鮮人をたたき出せ!と叫んで無数の日章旗がはためく中、君が代大合唱される在特怪みたいな排外主義政党だと知っているのでしょうか?

私たちはあの震災からたった1年9ヶ月で原発事故を忘れてしまったのでしょうか?あまりに早い忘却ではないでしょうか。

小選挙区制ではほんのわずかに自民党が得票率を上げただけでゴッソリ議席をさらっていく可能性があることを認識しているのなら、有権者は、まずは小選挙区制はダメだ、と言う声からあげるべきでしょう
それが主権者としての主体的な意識の現れだと思います。

ちなみに、選挙制度は通常の法令と同じように国会の多数決で決めること自体おかしいと思います。多数派に有利なように改悪されるに決まっているからです。選挙制度は多数派の「お手盛り」を防ぐ方法で決定すべきではないでしょうか
●選挙制度は「お手盛り」で決められていいのでしょうか?
http://t.co/39omsr9z
主権者としての主体的な意識を持ち、お任せ民主主義にしないこと、これも憲法12条前段が国民に課した「不断の努力」義務でしょう。
憲法12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
「あの一票がそんなことになるなんて」の後悔と教訓を心に刻み、日本中を原発だらけにして今でも推進を公言する自民党が過半数を獲ろうとしていることを不条理に思うこと、それも国民の自由と権利を守るための国民の不断の努力だと思うのです。

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