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むしろ男子校・女子校の方がジェンダーへの理解が深まる? 入学し直すなら、あなたは男女共学派?男女別学派?

 Instagramで公開され女子校出身者の間で話題になっている漫画『女子高で黒歴史、作ってました』。中高の6年間を女子校で過ごしたシブヤツキミさんが自身の“こじらせ体験”を作品にしたもので、ネット上には「私も女子校だったからわかる」と共感の声が寄せられている。

・【映像】男子校・女子校はオワコン!? "共学or別学"を議論!

「ヒエラルキーは無かったけれど、学年での上下関係はあった。上級生は体操着を外に出していいけど、下級生は中にしまわないといけないみたいな(笑)。ただ、活躍したいなと思ったらバンバン手を挙げたり、周りの目を気にするということも全然なかった。それは女子校のメリットだったと思う。勉強にも集中できたかなと思うし、共学の大学に入って楽しい青春を送るということだけを目標に、めちゃくちゃ勉強した。もし男子がいたら恋とかして気が散ったと思う」と振り返るシブヤさん。

 一方、「大学(共学)に入ると周りの目に気づいて“あれ、もしかして私、浮いているのかな。他の女子ってもっとおとなしいな”と気づいたし、男子に頼りたいという気持ちが自然と生まれちゃって、女子校時代ほど目立つようなことをしなくなった気がする。そして大学に入ってすぐの頃はめっちゃ緊張して、男子とは全く喋れなくて。大学2年くらいになってやっと会話ができるくらいになった。だいぶ出遅れた。自分の子どもは、となると決めかねるが、自分が生まれ変わるなら、絶対に男女共学」と話した。

■減少の一途の“男女別学” ジェンダー理解が深まる側面も?

 30年ほど前までは全体の20%近くを占めていた男女別学校だが、今やそこから半減。ところが東大合格者の上位を独占するのは長きにわたり男子校といったデータもあること、さらにはジェンダーへの理解について深まる側面もあるとして、男女別学の意義を強調する人もいる。

 中学受験の学習塾を経営する矢野耕平さんもその一人だ。現在の共学化の流れについて矢野さんは「昔は女子校だったのが、今は名前を変えて共学化しているというケースも多い。男女共同参画という時代だし、多感な中高時代は共学で過ごすべきだ、みたいな論調が中心になってきた結果だと思う」との認識を示した上で、「ところが共学だと、例えば生徒会長を男の子で副会長や書紀は女の子、あるいは重い荷物運びは男の子が…と、自然と役割分担をしてしまう。逆に別学の子たちが言うのは、“性別が消滅していた”ということ。つまり“男だから、女だから、ということをいちいち意識しない。加えて人間同士の、一生ものの濃い付き合いも生まれる。だから私は別学派だ」と話す。

「“ガリ勉”という言葉を使うのも共学に多いと思う。しかし別学では何かに一生懸命何な人の方が認められ、偉いと思われる。だからカーストのようなものも無い。加えて、男子は理系、女子は文系みたいなイメージが無意識のうちに形作られやすいのも共学だ。それがない女子校の場合、やはり理系進学率は共学校に比べて高いし、それこそ医学部医学科の現役合格率ランキングの上位3校のうち2校は女子校だ。

 あるいは性教育についても、別学の方が歯に衣着せずに説明できる。異性との距離感がわからなくなるというのはもちろんあると思うが、逆に言えば異性を大切に思うようになる。ある有名な男子校の校長は、“うちの男の子たち、ガサツなように見えて実はすごく優しい。特に女性教員にはちゃんと気を使う”と言っていた。お腹の大きい女性教員がいると、何も言わなくても授業前に荷物を持ってくれたそうだ」。

■共学出身のケンコバ「最低限のエチケットがないと破滅すると学んだ」

『ABEMA Prime』の出演者たちからも、自身の経験を踏まえて様々な意見が出た。まず、共学出身のケンドーコバヤシ、ジャーナリストの佐々木俊尚氏、テレビ朝日の平石直之アナウンサーは、“やっぱり共学”派。

「めちゃくちゃ学んだし、いまでも役に立つことが多い。女性と接する時は最低限のエチケットを守らなければ破滅するということを学んだし、女性の政治力の高さを知った。だからもっと政治家に女性を増やした方がいいんじゃないかと思う」(ケンドーコバヤシ)、「自分から話しかけなくても、共学なら話しかけられることがある。思春期の中高6年を男子校で過ごしていたら、女性と話せない大人になっていたんじゃないかと思う」(テレビ朝日の平石直之アナウンサー)。

 また、ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「別学の方がジェンダーギャップを感じないで済むというのは、その通りだなと感心した。一方で、共学の大学に入ったり社会人になったりした時にその体験が活かされているのかといえば疑問だ。たとえば東大には“私立御三家”の中高男子校が多いという話だが、法学部、財務省…と、男だらけのホモソーシャルな世界で生きることが当たり前になった結果、女性は家にいて家事をしているもんだ、というような感覚になってしまう人も多いのではないか。突き詰めていくと、男子だけ、女子だけの企業を作り、分かれて働いた方がいいということにはならないか」と疑問を呈した。

 一方、テレビ朝日の佐藤ちひろアナウンサーは共学出身だが“別学”派。「それこそ甘酸っぱい青春の思い出もなく、ヒエラルキーの上の方にいたわけでもないので、逆に別学だったらどうだったんだろうという憧れみたいなものがある」。

 さらに男子校出身のリディラバ安部敏樹代表、中高6年間を女子校で過ごしたタレントでソフトウェアエンジニアの池澤あやかは“やっぱり別学”派。「中学校は共学だったが、高校は男子校。決まった価値観に寄り添ったヤツが偉いと思われがちなのが共学だと思うが、男子校は突き抜けたヤツが尊敬される。だから面白いだけでも価値があるし、オタクも胸を張って生きられる。リーダーシップを奪い合うぐらいの環境いた方が将来的にレバレッジがかかる気もしているので、本当の意味でジェンダーを考えるなら、やっぱり別学の方がいい」(安部氏)、「ジャニーズに走る子もいれば、文学や漫画、プラモに走る子もいた。当時は“共学いいな、甘酸っぱい思い出作りたいな”と思っていたが、卒業してしばらく経ってみると、あの6年間で勉強や好きなことに没頭できたのは良かったと思う」(池澤)。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

▶映像:男子校・女子校はオワコン!?"共学or別学"を議論!

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