- 2021年03月18日 09:42
「同性婚できないのは憲法違反」報道はミスリード。同性婚実現と憲法改正の論点を整理する
1/2こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
まず冒頭、私は同性婚を認めるべきとの立場であり、同性婚を望む人々が社会的不利益を被る状況は一刻も早く改善すべきと考えています。
その上で、本日の論考を読み進めていただければ幸いです。
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本日、札幌地裁がいわゆる「同性婚訴訟」において、損害賠償請求は棄却したものの、一部で憲法違反を認める判決を出しました。
これに対して、テレビを含む複数のメディアが「『同性婚を認めないのは憲法違反』との判決」であると一斉に報じました。
【判決要旨全文】「同性婚できないのは憲法違反」札幌地裁が日本初の判断(ハフィントン・ポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6051715cc5b6f2f91a2d567e
「同性婚を認めないのは違憲」画期的な判決の内容は【要旨全文】(BuzzFeed)
https://this.kiji.is/744779061945270272?c=113147194022725109
確かに一部を「違憲」と断じた判決は画期的であり、一歩前進と評価できると思います。
しかしながら、これをもって「同性婚を認めないのは違憲」とするのは明らかにミスリードであり、むしろ「同性婚」の実現には憲法改正が必要ということが示唆された内容であると言えます。
以下、その理由を順にまとめていきたいと思います。
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話題になっている違憲判決の部分は、下記の通りです。
>本件規定が、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは、立法府の裁量権の範囲を超えたものであって、その限度で憲法14条1項(法の下の平等)に違反する。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6051715cc5b6f2f91a2d567e
太字にした部分にご注目ください。あくまで裁判所が「違反」としたのは「婚姻によって生じる利益を一部の人が受けられず、その受けるための『法的手段』を提供していない」ことに対してです。
つまり、その法的手段が「同性婚・婚姻」であるとは断じておらず、むしろその後に続く全文を読めば、例えば自治体で先行しているパートナーシップ制度等で「法的効果」を提供できれば良いと解釈できます。
さらに同性婚裁判の「本丸」である、婚姻を規定した憲法24条に対しては
>いわゆる婚姻をするについての自由は,憲法24条1項の規定の趣旨に照らし,十分尊重に値するものと解することができる。しかしながら,現行民法への改正や憲法が制定された戦後初期の頃においても,同性愛は精神疾患であるとされており,同性婚は許されないものと解されていた。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6051715cc5b6f2f91a2d567e
>このような経過に加え,憲法24条が「両性」など男女を想起させる文言を用いていることにも照らせば,同条は異性婚について定めたものであり,同性婚について定めるものではないと解するのが相当である。
と断定しており、現行の憲法が想定しているのは異性間のみで、現在の婚姻制度で「同性婚」を実現するためには憲法改正が必要だということを示す内容であると言えます。
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いずれにしても、同性愛者が不利益を被っている現状が憲法14条「法の下の平等」に違反するとした部分は画期的な前進でした。
「同性婚」を真に実現したいなら憲法改正は不可欠です。憲法24条を「解釈」で乗り切ることは無理筋で、それは今回も裁判所が指摘する通り。実利を取って別制度を作るのがゴールならば憲法改正は不要ですが、その辺りは当事者の皆さまでも望むものが異なるのではないかと思科します。 https://t.co/JAVQ39MjCD
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) March 17, 2021
しかしここから、考え方は2つに別れます。
一つは、なんらかの「法的手段」によりこの不利益が解消されれば良いとするもの。
具体的には、各自治体で先行しているパートナーシップ制度を強化し、法律で整備して婚姻同様の効果を保証する手法が考えられます。
むしろ同性に限らずに事実婚を登録して公的制度を受けるようにできる制度作れば、戸籍制度変にいじくらずに夫婦別姓の問題も解決していいんじゃないでしょうか。 https://t.co/PYWyd3pzXE
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) March 17, 2021
この場合は宇佐美さんが指摘するように、私もパートナーシップ制度は同性間に限らず異性間でも使えるものにすることが望ましいと考えます。「事実婚」をさらに踏み込んで法的に担保するわけですね。
- 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)
- 参・維新/政治をアップデートする。日本初の「ブロガー議員」



