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司法の暴走か 婚姻制度の目的を顧みず立法府を軽視し巧妙に憲法改正を封じた札幌地裁同性婚違憲判決

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国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!

をモットーとする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

 我が国は、憲法に戻づいて、国民の権利が守られ、三権分立によって国家が運営されている自由で民主的な社会です。

3月17日(水)、札幌地方裁判所(武部知子裁判長)の同性婚を認めないのは違憲判決は、下級審の判決とはいえ、司法の暴走とも言えるものだと感じました。国民多数の理解と合意を得ないまま、同性婚を認めることは、社会の混乱に繋がり、国の基盤である家族を揺るがし、三権分立を崩壊させかねないと思うからです。

まず大前提として、同性愛者や性的少数者に対して、差別や偏見はあってはならないことです。そのため、私共は法務省人権擁護局の各種人権啓発や救済活動を積極的に支援しています。なお、法務省がまとめた人権侵犯事事件の中で、年1万5千件以上の中で、性的指向に関する差別待遇事案が6件、性自認に関する事案が6件となっています(平成31年令和元年)。

http://www.moj.go.jp/content/001316962.pdf

ただし、同性愛者の一部の方々が求める同性婚を法律改正して認めるということになると話が違ってきます。それは、夫婦や家族という社会制度、婚姻制度自体の問題となるからです。

●婚姻制度の目的とは

私が同判決に違和感を持った第一の理由は、民法における婚姻制度の目的が、夫婦がその間に生まれた子供を産み育てながら共同生活を送るという関係に対して法的な保護を与えることにあるという点を軽視して、夫婦間のみを重視しているからです。子供ができない、もしくは子供を産む予定がないという夫婦も当然あるわけですが、家族は夫婦関係のみを前提とせず、人類の発展、国家社会を維持継続させるために子供の存在は欠くことができないからです。他国のように、同性婚を認め、養子制度で家族を構成するという選択肢もあるわけですが、我が国はそこまで国民の理解と合意が得られているとはいえないと思います。

第二の理由は、初めに違憲という結論ありきで立法府を軽視する判決と言わざるを得ないからです。

同判決は、同性婚を認めない国家への賠償について、同性婚議論が平成27年からの直近の議論であるから認めないとしています。にもかかわらず、憲法14条の法の下の平等に反するという理屈を展開するのには無理があります。同性婚議論が平成27年からの直近の議論であれば、すぐさま憲法14条違反とはならないのが通常の論理というものでしょう。

また、国権の最高機関である立法府の裁量を超える範囲である同判決は批判しています。同性婚の議論が平成27年からの直近ということを同判決は認めておきながら、立法府の裁量を超える、つまり何もしていないとはどういう了見でしょうか。まず数年しか経っていないのに、国民感情や国会での議論を待つというのが、正しい司法判断というものではないでしょうか。

第三の理由は、巧妙に憲法改正論議を封じるという理屈を展開している点です。

同判決は、同性婚を認めない現行民法は、憲法24条の異性婚規定や憲法13条の幸福追求権規定からみて合憲とし、憲法14条の法の下での平等に反するとしています。通常は、憲法24条の規定がある以上、同性婚を想定していない現行民法や戸籍法は当然合憲でしょう。24条を根拠に違憲判決を出すと、憲法改正をしない限り同性婚が認められなくなるわけで、巧妙に憲法改正論議を封じたものだと思われます。この理屈は、同性婚を認める法案を提出している一部野党の動きと軌を一にするものです。 

また、同判決は、同性婚を認めない現行民法は、同性愛を精神疾患としているからだという歴史的考察をしています。キリスト教の伝統を持つ欧米ではいざ知らず、歴史的に同性愛に寛容な我が国おいて、同性婚を禁止したのは同性愛を精神疾患とみなしていたからだという説を初めて聞きました。今と違って貧しい中で、結婚し子供を産み育てて家族や親戚で助けあって働き生きることに精一杯だった先人たちにとって、同性愛があったとしても、同性婚を求めるという風潮になかっただけではないか。改めて歴史の勉強をしてみたいとも思いました。

以上、縷々述べましたが、下級審とはいえ、違憲判決は大変重いものです。三権分立の民主国家の中で、国民を護る人権の砦である司法が逆に国民から不信の目で見られ、司法を機能させるための裁判官の独立性が、独善性に陥って国民からの支持を失うことのないようにと願うばかりです。

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