記事

今から投票してきます

千葉県、全国最低の投票率汚名返上へ若者に呼びかけ(産経新聞)

衆院選の投開票を控え、千葉県選挙管理委員会は13日、JR海浜幕張駅前で啓発活動を実施した。前回の衆院選で県内は全国最低の投票率を記録。近年は特に20代や30代の投票率低迷が続いており、選管は若年層をターゲットに投票を呼びかけ、不名誉な記録の返上を目指している。

この日夕、駅前には選管のマスコットキャラクターやトナカイに扮(ふん)したアルパカ、サンタクロース姿の大道芸人が登場。投票を呼びかけた。選管職員がティッシュなどの啓発グッズを配布したほか、アルパカとの撮影会も行われ、多くの若い女性が携帯電話のカメラを向けていた。

前回衆院選(平成21年)で県内の投票率は64・87%(小選挙区)と全国で最も低かった。特に深刻なのは若年層で、選管の調査によると20代の投票率は43・1%(30代は55・98%)と、60代と比べると36・93ポイントの差があった。

若年層には、県内から東京都内の職場へ通う「千葉都民」が多いとされる。特に他県出身者は地域への愛着が薄いため「投票を棄権するケースが多いのではないか」(選管関係者)とみられている。

若年層の投票率が低く高齢者が高ければ、子育て世代などを対象とした政策よりも高齢者向けの政策が重視され、世代間の不公平感を助長することになりかねない。選管は「国民一人ひとりに直結した選挙に若い人たちも関心を持ってもらいたい」と呼びかけている。

 

この記事が読まれる頃には、既に投票日が終わっていることも多いでしょうか。とりあえず私は、これから投票に行くところです。さて、報道によると千葉県は全国最低の投票率を記録するなど低迷が続くとかで着ぐるみや芸人を投じて投票を呼びかけているとか。一応、投票は「すべき」ものとして位置づけられているわけですけれど、こういう投票キャンペーンはどうなのでしょう、ある意味でこれこそ「税金の無駄遣い」というイメージがないでもありません。マスコットキャラや大道芸人に惹かれて投票に行くことにした人って、どれくらいいるのでしょうね。

ちなみに私も上述の「千葉都民」ですが、選管関係者が推測するという低投票率の要因が妥当なものなのかどうか、今一つ分かりません。とにかく選挙には投票しなければならないのだ、と世間的にはそれが正論とされていますけれど、この投票率の低さも一種の社会的メッセージとして、真摯に向き合う必要も出てきているのではないでしょうかね。投票「しない」という選択も意思表示の一つであって、それを頭から否定して「とにかく投票に行け」「投票に行かない奴はダメだ」云々とか、芸人を動員してのキャンペーンとか、こういう対応が何かを変えられるとも思えないところです。


ちなみに某有名人が「ひとつだけ『絶対にイヤ』な政党があります」等と宣ってネット上で話題を攫ったとか。「絶対にイヤ」な政党があると言いつつ名前を挙げないところに嫌らしさを感じる発言でもあったのですが、ともあれ私にも「絶対に嫌」な党が複数あります。そこから強いて一つを挙げるなら、民主党ですね。民主を含め、どこの政党に入れても自分の首を絞めることになりそうな今回の選挙ですけれど、とりあえずこの3年半の政権を信任するかそれとも不信任とするか、その意思は示したいと思います。最高裁判事の国民審査のように、何も言わずに承認するかそれとも「×」を付けるのか、そういう気構えで今から投票に向かいます。

 画像を見る

……で、冒頭に引用した記事でも、ここに載せた実に浅はかなツィートでも、ある種の世界観が共有されているわけです。こうした世代間対立への落とし込みを計る言説は近年、急速に普及しつつありますが、しかし現実と比べるとどうなのでしょうか。どうにも我々の社会は被害者意識に浸るのが好きなようです。外国/外国人なり、公務員/官僚や電力会社社員なり、あるいは社会保障受給者や中高年正規雇用者に教職員組合等々、こうした諸々のせいで「我々」が蝕まれていると、そういう被害妄想を楽しんでいる人が多い、それを焚きつけることで支持を訴えている政党や論者も多いように思います。その中でも幅広い層から無批判に受け入れられがちなのが、高齢者を不当な受益者として若者はその犠牲者であるかのごとくに見せかける類ですね。


もっとも、その世界観は最初から疑わしい。何でも高齢者の方が投票率が高いせいで高齢者向けの政策が重視されているのだとか。いったい、どこの国の話でしょう。日本で高齢者向けの政策が重視されているなど、少しでも政治に関心がある人にとっては鼻で笑う話のはずです。年金支給開始年齢は引き上げられ、後期高齢者医療制度など高齢者向けの社会保障費を削る動きは決して止まらない、子ども手当という無計画な花火が打ち上げられた一方で高齢者向けの政策で何か好転の一つもあったでしょうか。強いて言えば、長年のデフレ放置は「今まで稼いできた人」に優しく「これから稼ごうという人」には厳しいものですが、それは高齢者の投票率が高いせいで続けられてきたものなのでしょうか?


我々の社会では代替的な補償を特権と呼びます。日本人と同等の公的保護を受けられない永住外国人向けに自治体が独自の代替措置を執ったり、あるいは争議権など諸々の権利が認められていない代わりに公務員へ一定の身分保障を約束したり、あるいは安定供給の義務を課す代わりに他社の参入に一定の制限を加えたり等々、ともあれこうした類を我々の社会では「特権」と呼んでいるわけです。そうした考え方が行き着く先として、官民の雇用から排除された世代の人間への年金支給や、身体的に衰える年代への医療支援といった類もまた特権として、その「特権」の外にいる人間からの収奪として理解されるのかも知れません。


それ以前に高齢者からの票で占められている政党って、どこがあるのでしょうね。自民党は高齢者にも人気がありますが、「高齢者向けの政策」を重視しているとは思えません。若年層に媚びているイメージが強いのはダイヤモンドなどに代表される自称経済誌の類(政党としては維新とみんなが近い)ですけれど、ともすると「若者のため」と称して繰り出される主張は常に「若くなくなった人」の排除だったりするわけです。中高年をもっと簡単に解雇できるようにして、若者の雇用機会を云々みたいな言説が白面で垂れ流され続ける一方、その結果はどうなのやら。増えたのは、若い内だけ働かせて中高年にさしかかる頃には辞めさせられる、若者を使い捨てにするブラック企業の増大です。実際に中途で就職活動をしてみれば、そういう「若くなくなった人」をどんどん会社から追い出すブラック企業が若者に雇用機会を提供していることはよく分かりますが、しかし若者は自分が中高年になっても働けそうな職場を求めるもの、では何が「若者のため」になるのやら。

参考、若者優遇はもう終わりにしよう

中高年になっても働けそうな職場を求める若者のニーズに応えるには、中高年になっても安易に会社から追い出されないよう、雇用側をしっかりと規制、牽制していく必要があります。つまり、「今」の中高年を守ることが若年層の未来を守ることになるのですが、それを厭う人も多いのですね。なんとしても若年層の不満の矛先を、中高年社員なり高齢者に向けたがる人がいる、と。

そして高齢者向けの社会保障が削られれば、負担が増えるのは親を養う子世代でもあります。まぁ、爺様と婆様の面倒を見るのはパパとママの役目と、そう思っていられるお子様世代には高齢者向けの政策が自分のお小遣いを奪うものに見えてしまうのかも知れません。でも、いずれ老親を支えなければならない時が「今」の若者にも訪れる、そのことは覚えておくべきでしょう。「若者のため」を装って中高年世代、高齢者層を若者の利益を損なう存在であるかのごとくに見せかけようとする人々にこそ、警戒が必要と言えます。

あわせて読みたい

「衆議院選挙2012」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    質疑から逃げた立民は論外だが、自民党も改憲やる気なし。不誠実な憲法審査会の結末

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    05月07日 10:21

  2. 2

    病床ひっ迫で入院厳しく…「来た時点で肺が真っ白」 大阪の医師が警鐘「第3波以前とは全く別の病気という印象」

    ABEMA TIMES

    05月07日 08:12

  3. 3

    「首相も都知事もリアルな社会人の生活を理解してない」 "間引き運転"で露呈した政治家たちの「わかってない」感

    キャリコネニュース

    05月07日 09:14

  4. 4

    格差問題の必然性

    ヒロ

    05月07日 11:19

  5. 5

    原宿の竹下通りが「地方都市のシャッター商店街化」の衝撃

    内藤忍

    05月06日 16:17

  6. 6

    出口治明さんが語る「35年ローン」で家を買ってはいけない理由

    幻冬舎plus

    05月07日 09:04

  7. 7

    「日本を食い物にする」無責任IOCに批判殺到…世界からも続々

    女性自身

    05月07日 13:46

  8. 8

    今も裁判で「三女アーチャリー」として…松本麗華氏を25年間も縛り続けるオウム真理教

    松本麗華

    05月06日 15:25

  9. 9

    朝ごはんの器で1日が変わる コロナ禍で“食”を見つめ直すきっかけに

    羽柴観子

    05月07日 08:40

  10. 10

    菅政権の中途半端なコロナ対応

    大串博志

    05月07日 08:28

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。