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“ポップス歌手”が「いま、やれること」とは? 桑田佳祐は「3.11」と「コロナ禍」に想いを馳せて「Blue Note Tokyo」で歌った - 山内 宏泰

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 桑田佳祐がソロ初の配信ライブを行った。場所はジャズクラブ「Blue Note Tokyo」。この一夜限りのプレミアライブに、桑田はどのような思いを込めたのか。収録の舞台裏をレポートする。

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◆ ◆ ◆

 2月下旬、ある日の午後のこと。東京・表参道に、桑田佳祐の姿はあった。

 ジャズクラブ「Blue Note Tokyo」のスタッフエントランスを潜り、地階にある施設へと軽快な足取りで降りていく。

 そう、これからここでライブが執り行われるのだ。

 とはいえご時節柄、聴衆を入れての通常のかたちではない。

「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」と題した配信ライブが、3月7日に公開となる。そのための収録である。


©岡田貴之

 コロナ禍の世になって以来、サザンオールスターズは2度の無観客配信ライブを開いてきた。昨年6月と12月、会場はいずれも横浜アリーナ。

 気分が沈むことの多い毎日に、ほんのすこしでも明るい兆しをもたらせたら。聴いてくれるファンはもちろんのこと、周りのスタッフや自分の気分だって鼓舞したい。そんな思いから企画されたものだ。

「オトナ」なBlue Note Tokyoでライブを敢行

 自身3度目となる今回は、サザンでなくソロ名義。しかもジャズの名門として名高いライブハウスでの開催となった。この理由を本人は、「もういい加減、いいオトナになったのでね」と語る。たしかに2月26日に誕生日を迎えた桑田は、これで65歳となった。オトナの雰囲気漂うBlue Note Tokyoのステージに立つにふさわしい貫禄を、ようやく得たということか。

 いやもちろんとっくにそんな「格」はあるはずで、これは照れ混じりの返しだろう。

 実際のところは、こうだ。全国ツアーや観客を入れてのライブが思うように行なえなかったこの1年あまりで、ミュージシャンとしての音楽への渇望が高まった。気の置けない仲間と音を合わせる喜びを、たっぷり味わう機会がほしい!

 そこでバンドの原点に立ち返るようなライブの開催が模索され、縁あってBlue Note Tokyoと出逢ったわけである。

 桑田がここのステージに立つのは、公には初めてのこと。ライブ収録当日は、かなり早めに会場入りする姿が見られた。最終のリハーサルに、たっぷり時間をとるためだ。

 メンバーとステージに上がり、音を出し合う。確認と調整は細部に至り、真剣そのもの。それでも目尻はすこし綻んでいる様子。好きなものを無心でつくり上げていく悦びが、滲み出ている。

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