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中国の航空機が領空侵犯をしたこと対する中国側の解釈

 今日は『環球時報』が、これぞ中国愛国主義者御用達の『環球時報』という感じの社説「社评:日方“拦截”终将导致中日战机对峙」を掲載していたので、これについて少し。

1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 中国の監視用航空機が昨日午前、釣魚島領空に入った。これは監視船と(連携し)初めて、海と空から釣魚島の巡航を行った。これは中国が今年行っている釣魚島の主権保護を一歩前進したことになる。

 しかし日本の航空自衛隊は昨日9機の戦闘機を出動させ、航空機を「阻止」した。(実際)双方は直接対峙していないが、日本が強硬な姿を示したことを受け、釣魚島の主権の争いで、中国に対し横暴なことを引き続き行っていることが明らかになった。

 今年以来の日本の挑発に対抗するため、中国側は断固たる態度をとり、これまでの釣魚島の情勢を転換させた。過去海上保安庁の船舶は釣魚島のまわりを廻るだけで、釣魚島の「実行支配」と称している。そして、中国の民間漁船が偶然、釣魚島の12海里内に入ると、日本側に拿捕された。

 今こそ、こうした局面を打破すべく、中国の海洋監視船が釣魚島の12海里以内の海域に出入りすることを常態化させ、日本のいわゆる釣魚島の「実行支配」をなくさなくてはならない。釣魚島の主権の争いは新しい段階に入った。

 中国は昨日初めて航空機が釣魚島領空に入ったが、日本の軍用機の「阻止」にあった。双方の損得の比較は複雑だ。中国は海と陸で連携ができたことは、大きな進展で明らかな「得」だ。しかし、日本側は9機の軍用機を出してきて、いわゆる「尖閣諸島」を守る決意と、優位さを示しされたことは「失」と言えないこともない。

 全体的に見て、中国は過去の受動的体制を抜け出し、釣魚島の主権論争で主動権を獲得した。しかし昨日の情況から見るに、釣魚島を守る事業の道のりが長く、道のりは険しい。

 日本側は軍用機で、中国の監視用航空機に対抗したわけで、これは対等ではない。中国側に対する挑発を増やしたものだ。日本側はずっと釣魚島の情勢悪化を避けると言っているが、昨日の日本側の9機の軍用機は、これと相反するシグナルだ。

 昨日は中国側が釣魚島上空の監視を初めて行ったものだが、中国側はこれを加速させ、釣魚島領空の巡航も常態化させる。中国は日本側が軍用機で「阻止」したことを警告し、もし日本側が今後もこのようなことをするなら、中国側も対応を強めて行かなくてはならない。

 もし釣魚島上空で、中日の戦闘機が互いに「阻止」という局面になれば、海上で船舶が互いに「離れながら走る」ことより、危険性は高い。下手をすれば、力の直接的な対抗、双方の銃が暴発する可能性は最高点に達する。

 日本が今後とも中国の監視用航空機の「阻止」を行うのなら、両国の軍が対峙する日がきっと来ることをはっきり日本側は認識すべきだ。中国及び中国人は日本側の挑発に萎縮することなく、中国空軍の戦闘機は釣魚島に向かい、日本軍と意志の比較を行い、雌雄を決する。

 釣魚島の危機は日本側が先に引き起こしたもので、必ず代価を払わなければならない。中国側は釣魚島の保護に対し、これまでにない活発な行動を行い、海・空の分野で新しい現実を形成した。日本は過去の状態に戻れることはなく、この現実を受け止めなくてはならない。

 9機の軍用機で、中国を脅かしたが、日本の総合国力は中国と軍事的に争うことは許さず、アメリカも中国との開戦を手助けしない。日本の背後にあるのは、国家の没落におびえていることで、この点は中国人は早くから見破られている。

 中国は断固として釣魚島の主権を守る。この過程で、強弱を付け、極端に刺激することを避けながら、次第に情勢を拡大していく。しかし中国の領土を守る決心は決して動かないので、もし日本は自発的に舞台を降り、中国側との妥協を求めず、無理して中国側と実力で対抗するのなら、最終的には利益もメンツも失うこととなる。

2 個人的感想

 ところどころ省略してありますが、読んでいて面白く(おかしく)なってしまったので、かなり本文に正確に訳してあります。

 今回のこの記事を取り上げたのは、日本側では、中国側が初めて領空侵犯をしてきたということを大きく取り上げていますが、中国側は全く違った見方で物事を見ているということを紹介したかったからです。

 何度か述べている様に私は相対主義者なので(相対主義)、この世にに「真実」などというものが存在するとは思っておりません。存在するのはある事象について人がどの様に解釈するかだけだと考えています。

 つまり、今回の中国の飛行機が尖閣諸島の領空を飛んだという1つの事象について、日本と中国でかなり異なった見解を提示しているわけで、それが大変興味深く思ったというところです。

 ただ、困ったことに、こうした軍事の話となると、そんなノンキなことも言っておれないわけで、中国の自国にだけ都合の良い主張を聞いているわけにもいきません。でどうするかとなると、とりあえずのこのまま睨み合いを続けるしかないのではないでしょうか。

 私は基本的に尖閣諸島の問題で中国との軍事衝突はないと考えています(中国を批判する中国人は「売国奴」か?)。韓国に占領されている竹島を見てもわかるとおり、何だかんだ言って実行支配している国が圧倒的に強い現実があり、中国のできることは限られています。

 そのため元記事では威勢の良いことを書いていても極端な行動に出ることは抑える書きぶりとなっています。それに元記事ではアメリカが手助けをするはずないと、自分達の希望的観測で記事を書いている有様です。

 尖閣諸島が日米安保の対象となる以上、アメリカが出てくるのは間違いない話で(アメリカが尖閣問題で日本支持を表明したことに対する中国の反応)、そうしたことは百も承知で、国内向けに自分たちが読んでいて気持ち良くなるように書かれた典型的な記事と思っております。

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