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12月調査の日銀短観で景気後退局面入りを確認する!

本日、12月調査の日銀短観の結果が発表されました。統計のヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは9月調査の▲3から▲12に悪化しました。2四半期連続の悪化です。ただし、先行きは▲10とわずかながら改善する見込みとなっています。さらに、本年度2012年度の設備投資計画が全体として上方改定されたので驚いています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

製造業の景況が大幅悪化 日銀短観、対中輸出減響く
DIマイナス12、先行きは小幅改善


日銀が14日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)で、製造業の景況感が大きく悪化した。世界経済の減速や、日中関係の悪化に伴う輸出、生産の落ち込みを映した。大企業製造業の業況判断指数(DI)はマイナス12で、9月の前回調査から9ポイント悪化した。悪化は2四半期連続で、2年9カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。復興需要などを背景に底堅かった非製造業も大企業で6四半期ぶりに悪化した。

大企業製造業の景況感は、東日本大震災の影響で大幅に悪化した2011年6月調査(マイナス9)を下回った。前回9月調査では、9月中旬以降に激しくなった沖縄県尖閣諸島の国有化をめぐる日中関係の悪化の影響を反映しきれていなかった。その分、今回調査で製造業の景況感の悪化幅が広がった。

大企業の業種別の業況判断DIをみると、全28業種中、21業種の景況感が悪化した。製造業では自動車が28ポイント悪化のマイナス9と大きく落ち込んだ。エコカー補助金による政策効果の息切れや、日中関係悪化による輸出減少が響いた。輸出関連産業は電気機械、生産用機械、業務用機械、造船・重機などでも景況感が軒並み悪化した。

復興需要など堅調な内需に支えられてきた非製造業の景況感も悪化した。復興需要の息切れで建設の業況判断DIが8四半期ぶりに悪化した。宿泊・飲食サービスも前回調査に比べて16ポイント悪化のマイナス10と大きく落ち込んだ。日中関係の悪化に伴う観光の低迷が響いたとみられる。

先行き3カ月後の業況判断DIの見通しは、大企業製造業がマイナス10とやや持ち直す予想となったが、マイナス幅はなお2ケタ台で企業の慎重姿勢は変化していない。一方、大企業非製造業はプラス3と小幅ながらもさらに悪化する予想となった。

12年度の設備投資計画の前年度伸び率は製造業が11.1%増となり、前回調査(12.3%増)から下方修正となった。ただ12月時点としては5年ぶりの2ケタ台の伸び率を維持した。非製造業は4.6%増と前回調査(3.3%増)から上方修正となった。

続いて、いつもの産業別・規模別の業況判断DIの推移は以下のグラフの通りです。上のパネルが製造業、下が非製造業で、それぞれ大企業・中堅企業・中小企業をプロットしています。色分けは凡例の通りです。なお、影をつけた部分は景気後退期です。今年1-3月期を景気の山と仮置きしています。

日銀短観のヘッドラインとなる大企業製造業の業況判断DIは市場の事前コンセンサスの▲10をさらに下回って▲12となりました。需給関係の悪化が業況判断に現れる企業マインドを押し下げ、かなり明確に、景気後退局面入りが確認されたと受け止めています。引用した記事にもある通り、製造業では自動車が大きく下げました。国内でのエコカー補助金の終了と、海外での中国との国境問題に起因する販売急減のダブルパンチで落ち込んだといえます。自動車は先行きもさらに悪化し、製造業全体ではわずかな先行きの改善にとどまります。非製造業では復興需要を背景に建設、不動産は引き続き底堅い一方で、宿泊・飲食サービスは中国問題と個人消費の停滞の両方から低迷しており、さらに注目すべきは非製造業は先行きがさらに悪化すると見込まれていることです。先行きで大きな悪化幅を見せているのは電気・ガスであり、原発停止がどのように影響しているのか、やや興味があります。

要素需要に関して、設備と雇用の判断DIの推移は上のグラフの通りです。設備に関しては今回調査では大企業製造業は横ばいだったんですが、長い目で見て設備の過剰感が上昇する傾向にあり、機械受注統計などとも整合的であると私は受け止めています。他方、意外だったのは雇用判断DIであり、大企業、中堅企業、中小企業とも雇用過剰感の高まりは見られませんでした。大企業で少し雇用過剰感が残っているものの、中堅・中小企業では過剰感も過不足感もゼロですから、かなり雇用は底堅く推移すると期待してよさそうです。もっとも、量的には底堅いかもしれませんが、質的に非正規雇用ばかりが増加することがないことを注視する必要はあるかもしれません。

今回の12月調査の日銀短観で最も意外だったのは設備投資計画が上方改定されたことです。引用した記事にもある通り、製造業は下方改定なんですが、非製造業では上方改定されて設備投資全体を引っ張っています。非製造業で最も業況感がいいのは通信産業なんですが、設備投資でもスマホ効果が出ているのかもしれません。

6月調査と12月調査だけで実施される新卒採用計画のグラフは上の通りです。今年度2012年度については、中小企業でわずかに下方修正されたものの、大企業と中堅企業では上方修正されています。さらに、初めて発表された来年度2013年度の採用計画は小幅ながらプラスを示しています。先ほどの雇用判断DIと整合的であり、雇用は底堅く推移する可能性が十分あると受け止めています。

最後に2点コメントすると、第1に、大企業製造業の想定為替レートは1ドル当たりで今年度下期78.73円、年度を通じて78.90円でした。現状の80円をやや超える円安水準が続けば、かなりの景気浮揚効果が見込めると期待しています。第2に、金融政策については何らかの追加緩和が模索される可能性が高いと私は受け止めています。この日曜日の選挙結果については中央銀行の政府からの独立性を堅持するんでしょうが、米国連邦準備制度理事会(FED)の失業率ターゲッティングからは総選挙結果以上に大きな影響を受ける可能性があります。

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