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FOMCの決定を受けた日銀の対応とは

 12日のFOMCでは、年末に終了するツイストオペの代わりに毎月450億ドル規模の米国債購入を決定した。これまでのツイストオペでは、450億ドルの短期債を売って長期債を購入していたが、短期債を売却しない分、FRBのバランスシートは拡大する。MBS含めると月額850億ドルを買い入れることになる。また、国債の償還分の買入も行うようである。

 そして、少なくとも2015年半ばまで低金利を維持するとの文面が声明文から削除され、その代わりに、米失業率が6.5%を上回り、向こう1~2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利を低水準にとどめる、という数値のガイダンスに変更された。いわゆるデュアル・マンデート(最大限の雇用と物価安定)のそれぞれに、期間を限定せずに目標が課せられた格好となる。

 ただし、これはこの目標に向けて金融政策が自動的に変更されるというわけではなく、かなり裁量部分を残している。それでも時間軸政策について雇用の数値が含まれたことは大きな変更点となる。

 FRBは以前にも雇用に対して目標を設定、というか課せられたことがあった。1978年の完全雇用・成長均衡法(ハンフリー・ホーキンス法)ではFRBに対して「1983年までに、20歳以上の成人失業率が3%を超えず、16歳以上の失業率は4%を超えないこと。1983年までにインフレ率が3%になり、1988年までにゼロになること」との目標が課せられた。これにはFRB議長や、当時CEA委員長であったグリーンスパン氏が反対したそうである。ただ、法律上も経済情勢の変化に対応する余地が残され、FRBは数値目標を達成する責任を回避できたとされた。(以上、みずほ総合研究所のレポート「米国における現下の財政論争とデュアル・マンデートを巡る経験」より一部引用)。

 今回のあらたな数値の設定についても、1978年の際と同様に、経済情勢の変化に対応する余地が残されており、厳格なターゲットというわけではない。FOMCメンバーの予測値から見ても、これまでの時間軸が伸びたり縮んだりしたわけでもない。それでも数値が出てきたことに対しては緩和圧力を強めたとの認識ともなりうる。

 これを受けて日銀はどう動くのか。16日の衆院選の結果次第ではあるが、予想されているように自民党が単独過半数を制するようなことになれば、日銀への緩和圧力はさらに強まることが予想される。選挙後の19日、20日に開催される金融政策決定会合での追加緩和期待も強いが、果たしてここに今回のFRBと同じような数値のガイダンスの変更みたいなものもあるのであろうか。

 日銀は今年1月にFRBがPCEデフレーターの2%という物価に対しての特定の長期的な目標を置いたことを受けて、2月14日の決定会合でコアCPIの1%という物価安定の目途を示すことを決定した。今回もFOMCの決定に合わせて、時間軸に関するところの変更を行ってくる可能性もありうる。

 日銀法では雇用の最大化については日銀の目標とはされていない。だから自民党などからは、日銀法を改正すべきとの声も上がっているが、現状では日銀が今回のFOMCでの決定のような雇用への目標を設定することは考えづらい。

 そこで考え得ることは、たとえば10月30日の金融政策決定会合で佐藤審議委員から提出された議案の内容も参考になるか。政策運営方針の記述について、1%を「見通せるようになるまで」から「安定的に達成するまで」に変更する可能性がある。もしくは元々、物価安定の目安が2%に置かれていたこともあり、こちらを全面に打ち出してくる可能性もありうるか。また、新たな貸出支援制度の発表もあり、さらに西村副総裁が示唆したような何かしら新たな手段を講じてくる可能性もある。来週の日銀の金融政策決定会合に対しては、ここにきて円安・株高の動きも強まっているだけに、当然ながら市場でもかなり注目されるものと思われる。

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