
令和3年度阿見町予算を審査する予算特別委員会は、昨日から始まり、昨日は総務常任委員会所管分、今日は民生教育常任委員会所管分の審査を行いました。私は、委員長として特別委員会運営に当たりましたが、各議員の審査において印象に残った部分について書いて行きたいと思います。
今日の審査では、衛生費・保健衛生費・保健衛生総務費・保健衛生事務費の中で、「公的病院等運営費補助金」として計上された417万円について質疑がありました。
例年、新しい議員によって「どの病院に補助するのか」「どのような制度なのか」という質問がある項目ですが、今年も質疑がありました。阿見町では、東京医大に補助するもので、2017年(平成29年)度から補助が始まり、毎年度継続しています。2017年度は544万円、2018年度417万円、2019年度417万円、2020年度も417万円を補助しています。
補助根拠は、阿見町の例規集に掲載されています。例規集の「阿見町公的病院等運営費補助金交付要綱」(平成28年3月)に明確な規定があります。また、県内の多くの市町村に同様の規定があります。牛久市は「牛久市公的病院等運営費補助金交付に関する告示」(平成30年2月)、取手市は阿見町と同様の「取手市公的病院等運営費補助金交付要綱」(平成26年3月)となっています。
これは、救急医療の確保及び地域医療の充実を図るため国が地方自治体に交付する公立病院等に要する経費に関わる「特別交付税」として自治体に交付されるものです。
ただし、この特別交付税の制度は国と地方自治体の制度であり、病院は第三者であり、「地方自治体の判断により公的病院等又は私的二次救急医療機関に助成をすれば、それに対し国は特別交付税を措置しますという制度」です。そのため活用するかしないかは地方自治体の任意になります。
阿見町では、美浦村及び稲敷市と協議して東京医大に補助しており、令和2年では、阿見町417万円、美浦村95万円、稲敷市200万円が補助されています。
救急医療は地域住民の「命」に直結するきわめて重要な医療行為で、病院では通常は不採算部門ということになります。地域医療の充実を図るため、病院に対して補助するのは合理性があり、そのために国の特別交付税措置があります。しかし、自治体の負担が20%あることから、阿見町の補助金交付要綱には「予算の範囲内」という縛りがあります。
また、牛久市等では、「補助金の交付の対象となる事業(以下「補助事業」という。)は、公的病院等が行う救急医療、小児救急医療及び周産期医療に関する事業」に限定し、その「3部門の収支が黒字の場合は補助しない」とする自治体もあります。
こうした制度を新しい議員が一度説明を聞いただけで理解するのはなかなか難しく、毎年の予算質疑を重ねる内に、頭に入ってきます。議員を長くやるというのは、そうした経験を身につけていくということにもなります。また、他の自治体の例を横目に睨みながら、現在の阿見町の補助のあり方で良いのかという深い議論ができるようになります。