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アングル:米10年債入札、今後の市場心理を左右か カギは日本勢


[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米債券市場では10日に米国債10年物の入札が実施される。米国債利回りは不安定な動きが続いており、今後の方向性を見極める上で投資家の注目が集まりそうだ。

米財務省は、新型コロナウイルス経済対策の財源を確保するため、過去1年間で国債発行を大幅に増やしている。

米証券業金融市場協会(SIFMA)によると、2020年の新規の政府証券発行額は約3兆6000億ドルと、前年の2兆9000億ドルを上回った。

INGによると、バイデン大統領が打ち出した1兆9000億ドル規模の追加経済対策により、2021年の発行額は4兆ドルに達する見通し。

こうした供給の拡大に加え、2月下旬の7年債入札が不調に終わったことで、10年債利回りは20ベーシスポイント(bp)以上上昇。これを受け、株式市場のボラティリティーも高まった。

このため、市場関係者は、米東部時間10日午後1時(日本時間11日午前3時)の10年債入札(380億ドル)に注目している。

<市場心理に大きな影響、利回り急上昇も>

ダブルラインのポートフォリオマネジャー、グレゴリー・ウィットリー氏は「(今回の10年債入札は)今後数週間の市場心理に大きな影響を及ぼす見通しだ」と指摘。

ナットウエストのアナリストはリポートで、10日の10年債入札と11日の30年債入札を受けて、「再び週の半ばに利回りが急上昇する」可能性があると指摘。9日に実施された3年債入札(580億ドル)について、「(10年債入札について)考えを変えるほど良好な結果ではなかったと指摘。

国債利回りが一段と上昇すれば、連邦準備理事会(FRB)がコメントを出す可能性もある。FBRは16ー17日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。

トゥエンティーフォー・アセット・マネジメントの米国クレジット担当責任者デビッド・ノリス氏は「市場が先走りしすぎれば、(FRBは)利回りの過度な上昇に歯止めをかけるため、何らかのコメントを出さざるを得ないだろう」と指摘。

ウィットリー氏は、入札で需要が低迷した場合、10年債利回りが今後1ー2週間でさらに20bp上昇する可能性もあると分析している。

FRBの対応策には、国債購入の増額や、「補完的レバレッジ比率」の条件緩和の延長が挙げられる。後者の条件緩和を延長すれば、銀行は現在の米国債保有高を維持することが可能になる。

ただ、FRBのパウエル議長はウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、国債利回りの上昇について、「無秩序な」動きとも、FRBによる介入が必要とも考えていないと発言している。

バンク・オブ・アメリカの米金利ストラテジスト、メガン・スウィバー氏は「入札が好調なら、FRBは金利が全く適切な理由で上昇していると考える可能性がある」とし、かなりの応札があれば、FRBは必ずしも介入する必要はないかもしれないと述べた。

<カギは日本勢>

10年債入札の結果を大きく左右するのは、日本の投資家の需要。米財務省によると、日本は世界最大の米国債保有国だが、3月31日の年度末を控えて、投資家はポジションをスクエアにしている。

BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ベン・ジェフリー氏は、7年債入札の不調の一因は、日本の投資家の需要減少だったと分析。「今週の10年債入札も同じパータンになる」と予測している。

ただ、10年債入札後に利回りが一段と上昇すれば、最終的には高利回りを求める投資家が米国債を購入し、利回りの上昇に歯止めがかかるとの声も出ている。

スウィバー氏は「利回りが上昇すれば、年金基金や日本の投資家の買いが入る可能性があると思う。米国債利回りの水準は非常に魅力的に映るからだ」と述べた。

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