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自民党と日本維新の会が連携して日本は軍国主義の道を歩む?

 今日は何度かやっている(日本の総選挙は美人コンテスト?等)、中国が日本の総選挙をどう報道しているかというものです。もともとは台湾の『中華日報』の記事ですが、それを国営の『中国新聞網』が転載していたものです(台媒:台媒:日本右翼大肆躁动 东亚局势恐将纷扰不宁)。

1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 日本の衆議院の総選挙は16日投票だが、安倍晋三元首相が率いる最大野党の自民党及び連立を組む党は480議席のうち、300議席を獲得し、安倍が再度首相となり、与党の民主党は少数党となる見込みだ。注意すべきは、右翼の安倍及び極右の「維新の会」が軍国主義の復活を求めてくることだ。

 民主党は2009年に長期政権の自民党を破り、政権を得たが、3年余りに3人も首相が交代し、情況は芳しくない。野田佳彦首相は、自民党が消費税を挙げることを認めたため、先月17日に衆議院の解散を宣言した。政権奪還を目指す自民党は、公明党と共に、勢いを増し、野田に「反撃」を行おうとしている。

 日本の有権者は首相がころころ変わることに「困り果てている」様だ。輸出力、内需は減退し、今年の経済成長率は0.7%に下方修正。派閥力学が、安倍晋三の再登板をもたらした。最も注目を集めているのが、彼と「維新の会」がどの様な関係を結ぶかだ。

 「維新の会」は現存する政党で、創立精神は「明治維新」にあり、その母体は橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府知事を中心とする「大阪維新の会」だ。「維新の会」は今年9月に登録を行い、全国政党となった。

 それから1ヶ月も経たずに、石原慎太郎は東京都知事を辞職した。石原は政党をつくり、国政復帰を考えていたが、「維新の会」の政治主張が彼と近いことから、直ちに「維新の会」と結党の協議を行った。

 「大阪維新の会」は「維新八策」を提示しているが、外交は「アメリカと共に中国にあたる」ことを主張し、内政では首相公選制、経済では市場の開放を主張している。有権者を引きつけるため、「官僚主義的政治体制の打倒」を主張しており、右翼的色彩が強い。

 「維新の会」が全国政党になった後で、石原慎太郎が参加したため、気勢は大いに上がり、石原を党首(橋下徹が副党首)になり、右翼的色彩は更に強まった。

 石原慎太郎と橋下徹は「第三局」の規模の拡大を目指し、「維新の会」を自民党、民主党に次ぐ勢力にしたいと思っている。今回の総選挙で、「憲法改正」を主張し、第二次世界大戦後アメリカにより主導された「平和憲法」を改め、国防予算を増やし、自衛隊の武器使用を緩めようとしている。

 それ以外に、「維新の会」は日米、日中関係について民族主義的、国家主義的観点に立ち、第二次世界大戦における日本の罪状を認めず、一面的に戦後、屈辱を被ったとしており、軍国主義の復活を目指している。

 日本の右翼の「反米」意識は高まっているが、中国に対抗するためには、どうしても「日米安保条約」に立脚しなくてはならず、「アメリカと共に中国を制する」という立場で、アメリカがアジア回帰をするにあたって、先兵となっている。

 右翼的傾向を持つ安倍晋三が再度首相となれば、政権を強化するため、「維新の会」と通じ、釣魚島の主権論争を話題にし、軍国主義を復活させる。アメリカは日本の右翼が「アメリカを愛している一方で、憎んでいる」ことを知っているが、国家利益のため、協調している。

 「維新の会」が今回の総選挙で政局の要となる少数野党となれば、連合次第では、最大野党勢力となることもあり、軍国主義を掲げ、東アジア情勢を混乱と不安に陥れるかもしれない。

2 個人的感想

 これまで何度か紹介している「日本=軍国主義」という(不景気に苦しみ政治に失望している日本はファシズムが台頭している?等)典型的な記事で、基本的スタンスは以前紹介した「日本の政界の動きについて自意識過剰な中国」と殆ど同じ、橋下大阪市長、石原前東京都知事を警戒した内容となっております。

 おそらく自民党の勝利が間違いないという日本の報道を見て、このままだと中国では「右翼」と見られている安倍総裁が首相となることが確実となる中、中国が大嫌いな石原前都知事率いる日本維新の会が躍進して、両者が連携したらなどと考えたのでしょう。

 はっきり言って、馬鹿馬鹿しくて相手にする価値もない記事ですが、こうしたものが広く中国で流布されているのが、困った現状です。

 念のため断っておきますが、多分こうした記事は意図的に流されていると考えます。というのは、アメリカ大統領選挙の際にロムニー候補は当選すれば、中国を為替操作国として認定するなど、結構反中的なことを言っていたのですが、できるはずがないという論調が支配的でした。

 確かに、安倍総裁は自衛隊の「国防軍」への格上げなどを述べておりますが、アメリカに対してそうした分析を行ったのであれば、日本についても同じような分析を行っても良いはずなのに、何故か日本の場合は額面通りに受け取り、日本を非難しております。

 これまでの日本の決められない政治の現状を見ていれば、安倍総裁が如何に威勢の良いことを言っても、果たしてそれらがどこまで実現できるかは別問題です。

 それに確かに日本維新の会は石原前都知事を代表としておりますが、元記事が言うほど右翼的色彩が強いかはかなり疑問です(旧太陽の党のメンバーはともかく、今回立候補している方々を見ると私はあまり右翼的とは思いません)。

 それに今の政治状況をみると、今回衆議院で多数を押さえても、参議院のねじれを解消できるかが問題で、参議院に殆ど議席を持たない日本維新の会と連携するメリットは自民党にあまりないのが現状で、そういう意味でも明らかにミスリードを狙った記事を考えます。

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