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アメリカで「手が冷たくないハーゲンダッツ」登場、日本でも始まる容器を捨てないすごい仕組み

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欧米で多くのメーカーが参加している食品容器などの再利用システム「Loop」。洗剤やシャンプーのボトル、食品の容器を回収、洗浄して再利用するしくみだ。この3月、日本でも本格展開する。その中身とは――。

ハーゲンダッツ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LordRunar

まだまだ認知度が低いSDGs

突然ですが、皆さんは日々の生活の中で、「SDGs」を意識していますか?

2015年秋、国連がミレニアム開発目標に関するサミットで「SDGs(Sustainable Development Goals)」、すなわち「持続可能な開発目標」を打ち出してから、5年超。日本でも一部のメーカーが、商品の成分やパッケージを、SDGsの全17の目標(ゴール)に沿ったものへと切り替え始めています。

とはいえ、現状の認知度は必ずしも高くないようです。

先日発表された調査結果を見ると、SDGsについて「詳しい内容まで知っている」と答えた事業所(調査対象:約1000カ所)は、わずか5%弱。「ある程度まで知っている」を合わせても、約3割に留まります(21年 アスクル調べ)。まだ予想以上に少ない印象です。

容器の再利用システムが日本上陸

そんななか、21年春、日本でも食品容器などの再利用システム「Loop(以下・ループ)」の展開に乗り出すのが、「ループ・ジャパン」。母体は、アメリカ発のスタートアップ企業、テラサイクルです。

理念は、「捨てるという概念を捨てよう」。世界21カ国200社以上の企業と手を組み、すでにアメリカやフランス、イギリスなどで新たなリサイクルやリユースシステムの構築に取り組んでいるのですが……、果たして日本での勝算は、どのぐらいあるのでしょうか。

「日本企業の多くは、平均的な米国企業より、はるかに環境意識が高い」と話すのは、同アジア太平洋統括責任者のエリック・カワバタさん。

「江戸時代、日本は人の排泄物も肥料として再利用するなど、ゴミゼロに近い社会を実現していたと言われます。鎖国中、島国で資源が限られていたこともあり、『もったいない』精神が根づいたのではないでしょうか」

生活パターンを変えずに環境に配慮できる

一方で、SDGsへの問題意識はあっても、身近なものとして捉えなければ、つい「まだいいや」と先送りしてしまう。環境に配慮した商品を買いたくても、「わざわざ遠くまで買いに行かなきゃ」となれば、尻込みする人も多いでしょう。

こうした中、「日本の皆さんの従来の生活パターンを変えずに、サステナブルな選択肢を増やしたい」とカワバタさん。

21年春、日本でもループシステムの試験運用が開始されますが、専用サイトでの販売(当初は、東京都内を中心とした約5000世帯対象)のほか、一部イオンの店頭に販売コーナーが設置され、消費者は一般の商品を買うときと同じように購入できるとのこと。

牛乳瓶の要領で、容器を返却

ループの仕組みは、“あの”ビジネスに似ています。そう、戸別宅配の「牛乳配達」です。

参加するメーカーは、商品を「牛乳瓶」ならぬ再利用可能な容器に入れ、先のイオンやネット上の専用サイトなどで販売します。消費者は使い終わったあと、容器を返却。すると契約施設で洗浄された容器がメーカーへと運ばれ、そこでメーカーが中身を充填し、再び販売ルートに送り出される……という流れです。

【図表1】Loopの仕組み資料提供=ループ・ジャパン

この循環により、使い捨てのプラ容器は不要となり、プラごみの削減につながります。肝となる「専用容器」は参加メーカー各社が、洗って繰り返し使える(しかも強度がある)容器を、独自に開発するシステムです。

実はこの部分にこそ、ループがビジネスモデルとして成立し得る“秘密”が、隠されているのです。

メーカーにとってもコストダウンになる

その秘密とは、メーカーが容器に「ループならでは」の付加価値を付けられること。

これまで多くの消費財メーカーは、市場での競争力を高める(低価格化ほか)ため、容器の製造コストをできるだけ安く抑えようとしてきました。

ですが、その視点では「ガラスよりアルミ、アルミよりプラスチックと、どうしても使い捨ての方向に向かってしまう」とカワバタさん。

ところが、これを「再利用可能な容器に切り替える」と発想するとどうでしょう。これまで10円で作ってきた使い捨て容器を、50円かけて30回使い回せる容器に切り替えるほうが、コスト面でも抑えられる計算になりますよね。

「意識高い系」以外の層にも浸透するしかけ

容器にコストを掛けられるとなれば、メーカーも凝ったデザインや素材を採用できます。

実は、ここもポイントの一つ。冒頭で、「日本はまだSDGsへの関心が高いとは言えない」と書きましたが、環境意識が高い一部の層(アーリーアダプター)からじわじわと時間をかけて広めていく方法では、社会全体の熱量がなかなか高まりにくい。

ロッテのキシリトールガムの容器。(写真提供=ループ・ジャパン)
ロッテのキシリトールガムの容器。(写真提供=ループ・ジャパン)

ですがループの仕組みによって、デザイン性が高い容器がどんどん世に出てくれば、いわゆる「意識高い系」の層だけでなく、私のような一般の消費者も「飾っておくだけでオシャレ」「ループに切り替えたい」と手を伸ばすようになるでしょう。

すると、不参加だったメーカーも「十分、売れる」「採算が合う」と、経済合理性の側面からも参加表明するようになり、スピーディに循環システムが広がると考えられます。

味の素の調味料の容器。(写真提供=ループ・ジャパン)
味の素の調味料の容器。(写真提供=ループ・ジャパン)

気になる販売価格は、例えばアメリカで展開するループ(オンライン販売)の場合、オシャレなアルミ製のボトルに入った「Pantene(パンテーン)」(P&G)のシャンプー(12.6オンス/約320ml)が、$5.50と600円弱(デポジット別途)。

日本で同ブランドのシャンプー(プラ容器入り)が、多少成分は違うものの500mlで800~1000円程度で売られているようです(21年2月末現在)。比較しても、「ちょっとだけ高額かな」ぐらいの印象ですよね。

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