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東日本大震災10年を前に 2050脱炭素社会への全体像と原発再稼働問題

3/5 経済成長戦略本部会合で佐々木先生の講演(自民党本部で)

国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!

をモットーとする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

 3月11日(木)東日本大震災から10年を前に、改めて課題、教訓を考えたいと思います。1つ目は復興が進み中で心の復興への支援強化であり、2つ目は巨大な地震や津波への全国的な対応強化、そして3つ目は福島第一原発事故の災害の影響が残る中での原発問題をどう考えるかということです。

特に、3点目について、2050年脱炭素社会に向けて、年内でもエネルギー基本計画が見直されようとしており、我が国の安全保障と経済にとって、エネルギー問題に国民全体の理解を得ておく必要があると思います。

●2050年脱炭素社会実現の全体像

2050年脱炭素社会実現に向けての全体像(出所:佐々木経世先生)

 そのような中で、3月5日(金)、自民党本部において、経済成長戦略本部会合において、佐々木経世・慶應技術大学理工学部諮問委員会委員、東京大学国際アドバイザーの「脱炭素社会と産業化の一考察―世界のESG資金の取込み」の話を聴きました。

 その話の要旨は以下です。文責は筆者赤池にあります。

 ESG資金とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資(企業等)する資金のことです。世界では、現在3500兆円以上あるといわれ、年々急増しており、その資金を自国に呼び込み産業化していこうという競争になっているというのです。

 我が国は、「ESG」で遅れをとっており、発電量に占める再エネ比率は23%とです。2050年に脱炭素社会の実現(カーボンニュートラル)を宣言していますが、欧米先進諸国に比べて、その差は益々拡大しかねないと思われます。

 我が国には各種「技術」があっても、それを産業化する「事業」が少なく、さらに後押しする「政策」も効率よく機能していません。このままでは、世界が急速に「脱炭素化」の産業化に舵を切る中で、我が国は取り残されてしまいます。この10年が勝負だと思います。

 2018年のCO2排出量は約11.4億トンであり、構成は運輸部門2億トン(17.5%)、エネルギー部門4.6億トン(40.4%)、産業部門2.8憶トン(24.3%)、業務部門0.6億トン(4.4%)、家庭部門0.5億トン(4.4%)、工業課程が0.5億トン(4.4%)、廃棄物0.3億トン(2.6%)です。

 それを2050年にゼロにするためには、運輸部門では100%EV(電動車)・FCV(燃料電池車)化、エネルギー部門では洋上風力の産業化とICTによる連結して効率化(アグリゲート)、産業部門では段階的なアンモニアと水素の活用、2.8憶トン、業務部門と家庭部門では徹底的な省エネとZEH(ゼロエネルギー住宅)への移行、工業課程と廃棄物ではCO2の回収と再利用です。

 各部門の取組みについても話を聞きました。それぞれ技術があり、潜在力があっても、それを産業化する事業力、支援する政策力の三位一体の体制づくりに課題があるとのことでした。それは、ハイブリッド車外しや、電池開発の遅れ等、世界の動き、ルール形成に我が国の企業や政府はついていけていないとのことでした。

 改めて産官学の連携を強力に強化して、いわゆる日本株式会社を復活させていかなければいけないと感じました。

●再エネが主流でも原発再稼働は不可避

(出所:佐々木経世先生)

 その中で、CO2排出量の4割を占めるエネルギー部門について、原発の問題をどう考えるかが課題となります。佐々木先生によると、我が国の英エネの伸びしろは現在の電力需要の1.8倍あると言われていますが、脱炭素時には「電化」が進み、電力需要は最大5割増加すると予想されているとのことです。余裕は僅かです。

 そこで、CO2を排出しない原子力発電所を再稼働させることも、一つの選択肢として検討すべきだとのことです。世界各国においても、原発の新増設は進んでおり、安全な原子力を稼働させることは、脱炭素の取組みでもあり得るとのことです。

 最初から原発ありきでは、国民全体の理解が得られない中で、以上説明した再エネを全体で推進する中で、それでも原発は安全性を前提として必要だということであれば、理解を得られるとのことでした。

 東日本大震災から10年。脱炭素社会を目指す上で、原発再稼働について、全体像を描いた中で、議論する必要性を痛感しました。

 今後も、国民全体の理解と合意を得るべく、議論を進めていきたいと思います。

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