[8日 ロイター] - 米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下の航空機リース大手、GECASとアイルランドの同業大手・エアキャップが合併に向けた話し合いを進めていることが分かった。複数の金融筋が8日に明らかにした。この業界では約10年ぶりの大型再編となりそうだ。
GECASの売却観測はここ数年出ていたほか、新型コロナウイルス流行で債務負担にあえぐ航空会社が、リースへの依存を強めるとの見方が強まっている。
航空機リース会社は通常、1度の契約で最大12年間貸し出す。エアバスとボーイングが製造するジェット機の約半分は、既にリース会社に納入されている。
今回の合併協議を最初に報じた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、エアキャップに対するGECASの売却額は300億ドルに達する可能性がある。
関係筋の1人によると、両社は昨年終盤から協議に入っていた。
GEは憶測にコメントしないとしている。
エアキャップからは、コメントを得られなかった。
エアキャップのニューヨーク上場株は13.2%高で終了。GE株は4.1%高で引けた。
英コンサルタント会社のIBAグループによると、エアキャップが直接保有・管理しているジェット機は1080機で、商業用航空機のオーナーとして世界最大。GECASは984機を保有・管理している。
エアキャップのエンガス・ケリー最高経営責任者(CEO)は2013年、最大のライバルだった米インターナショナル・リース・ファイナンス・コープの買収合意をまとめた経緯がある。
ただ、アナリストらによると、協議がうまくいったとしても、独禁当局が注目することになりそうだ。エアキャップとGECASは、既に保有機数で業界3位のアボロン(アイルランド)のほぼ2倍となっているためだという。