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官邸で“令和の2・26事件”勃発! 「不思議な口癖」で分かった菅首相の答弁能力は国難じゃないでしょうか 「いら立ちを抑えながら反論する場合に用いられる言い回し」 - プチ鹿島

 最近の不思議な流れをご報告します。

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「囲碁将棋チャンネル」取締役・菅長男の活躍のせいで、父親である菅首相のやることなすことも将棋中継みたいにみえるのです。 菅長男が同席し、高額な接待を受けた山田広報官の辞職をめぐる各紙の見出しでは「後手」とか「読み誤り」。まるで菅首相の囲碁・将棋チャンネルだ。

「黒川隠し」が「山田隠し」に変わっただけ

 読み誤りだけではない。山田氏が辞職する直前の2月26日にはとんでもない中継もあった。

 整理すると、本来ならこの日は緊急事態宣言の一部解除に合わせた記者会見をやる予定だった。しかし「ぶら下がり」に変更したのだ(首相官邸から出るとき途中で立ち止まって話をするというスタイル)。  

 官邸は内閣記者会の幹事社による会見の申し入れも拒否した。記者会見の司会を務める広報官である「山田隠し」?

 官邸側の説明では、昨年の緊急事態宣言での関西三府県を解除した際の安倍前首相の対応が「ぶら下がり」だったことを大きな理由に挙げていた。しかし当時は東京高検検事長の賭けマージャン問題がブレイクしていたときだ。黒川隠しが山田隠しに変わっただけという前例踏襲。

「ぶら下がり」による残酷な生中継

 そんなわけで菅首相にすれば帰りがけに立ち止まって発声し、適当なところでお開きという安全な展開なはずだったが…。

 ところが菅首相の囲碁・将棋チャンネルは残酷な生中継をしてしまったのである。

 記者たちから「今日会見をやらずとも国民の協力を得られると思うか」「高額接待を受けた山田内閣広報官の問題が影響したのか」「なぜきょう記者会見を行わなかったのか?」など質問が次々に浴びせられたのだ。


山田真貴子元広報官 ©️産経新聞社

 いつもなら「一人一問」などと言う山田広報官がいない。気がついたら首相は質問と向き合わざるを得ない状態になっていた。まるで詰将棋の生中継。首相の説明の乏しさが晒されるガチな展開になってしまった。

 山田隠して菅隠さず。

 この日は歴史的な会見もどきになった。私は令和の2・26事件と名付けたい。

乱発される「~じゃないでしょうか」の意味

 さて今回の2・26事件でわかったことがある。菅首相の不思議な口癖だ。

「~じゃないでしょうか」という言い回しを乱発するのである。

・山田広報官のことは全く関係ありません。現に昨日、国会で答弁されてきたことも事実じゃないでしょうか。

・今日こうして、「ぶら下がり」会見やってるんじゃないでしょうか。

・必要なことには答えてるんじゃないでしょうか。

 このことについて上西充子・法政大教授は「言い回しを確認したところ、13回もあった」として「なぜ自分が責任をもって、はっきりと言い切らないのだろうか」と指摘。さらに「これは、いら立ちを抑えながら反論する場合に用いられる言い回しではないだろうか」と考察している。(『ハーバー・ビジネス・オンライン』3月1日)

菅首相の答弁能力は国難「ではないでしょうか」

 言い切らないが相手に押し付ける話法。そういえばあの時も使っていた。

「5000円でできないことはないんじゃないでしょうか」(2019年11月14日・官房長官会見)

 安倍前首相の桜を見る会前夜祭の「会費5000円」疑惑に対しての菅氏のコメントである。そのあと安倍事務所が補填していたことが判明した。やはり5000円ではできなかったのだ。

 このことから考えると政治家・菅義偉の「~じゃないでしょうか」は何かマズいときや窮地に追い込まれたときに出るようだ。

 では2・26をもう一度振り返ってみよう。これまで鉄壁のセコンドに囲まれていた菅首相が、うっかり丸腰で記者に囲まれたら叫んでいた。「じゃないでしょうか」「じゃないでしょうか」「じゃないでしょうか」と13回も。しみじみしてしまう。

 私が心配するのはこの話法は国内なら通じても、国益を争う場では他国のリーダーに通用しないであろうことだ。菅首相の答弁能力は国難ではないでしょうか。

「同じような質問ばっかり」と首相は言うが、同じようなことをして、同じようなごまかし方をずっとしてるからではないでしょうか。 

「テレビニュース」(平野次郎・主婦の友社)という本にはアメリカ大統領の記者会見についてこんなくだりがある。

《「なりたくてなった公人には、どのような質問をぶつけてもかまわない」と多くのジャーナリストたちが考えている。双方にとって真剣勝負の場である。》

  約30年前の本である。菅首相はなりたくて公人になり、なりたくて首相になった。「同じような質問ばっかり」とキレる立場ではないはずだ。

山田前内閣広報官は「退職した一般の方」

「同じような」といえばギョッとすることが今回もあった。

 加藤官房長官は山田真貴子前内閣広報官について政府としてあらためて調査する考えはないことを表明。「退職した一般の方」という理由で。

 ツッコミどころはたくさんあるが1点にしぼる。

 山田真貴子氏はここ1週間で最も注目された人物だ。そんなさなかでも平然とこのような振る舞いをするのだ。無かったことにしてしまうのだ。では我々が知らなくて気づけない案件ではどれだけあるのだろうか…。

 菅首相の「囲碁将棋チャンネル」あらため「詰将棋チャンネル」。見どころが多すぎてヤバいんじゃないでしょうか。

3月7日は赤木さんの命日

 最後にちゃんとしたことを書いておく。

『森友改ざん事件、忘れないで 赤木さんの死から3年 妻、毎日新聞に手記』(3月6日)。

《赤木さんは、改ざんの経緯を詳しく記したファイルを残したとされるが、国はファイルの有無を含めて明らかにしていない。「夫が何を誰に指示され、どう抵抗し、何を改ざんし、何に苦しんでいたのかが書いているはずです」。雅子さんは国への開示命令を地裁に申し立てている。》

 3月7日は赤木さんの命日だった。政府は忘れようとしているが私は忘れない。

(プチ鹿島)

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