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ありがとう、シン・エヴァンゲリオン

※この文章は、ネタバレなしのシン・エヴァンゲリオンの視聴後のつぶやきです。


公式サイトに「さらば、すべてのエヴァンゲリオン」と大書された『シン・エヴァンゲリオン』が公開されたので、見に行った。21世紀に公開された新劇場版のヱヴァンゲリヲンとしては四作目で、これで完結作、ということになる。

『シン・エヴァンゲリオン』というタイトルに偽りなしの内容だった。だからネタバレを避けながらこの作品について書くのは難しい。今、ここで書いても構わないことといったら、「真希波マリは頑張りました」「式波アスカラングレーも頑張りました」ぐらいのものだと思う。ええ、ええ、彼女たちはよく頑張りましたとも。お勤めお疲れ様でした。ありがとうございました。

綾波レイ、というか『新劇場版:Q』に登場した綾波タイプのひとも頑張っていた。ええ、ええ、よく頑張りました。素晴らしかったです。かわいかったです。ありがとうございました。

でも、碇シンジや碇ゲンドウについて、それから葛城ミサトや赤木リツコらについては、なんと言ったものか……。とりあえず、ありがとうございましたと言っておけばいいんだろうか。そうだな、そう言うほかないですね。ありがとうございました。これでいいでしょうか。

公開初日の映画館の様子

公開初日、朝からネットを絶って映画館に向かった。わざわざ平日に休みを取って映画館に来るのはエヴァおじさんやエヴァおばさんばかりかと思いきや、座席の平均年齢はアラサーぐらいで、20代とおぼしき若い男女もかなり多かった。それでも40代~50代と思われる人もちゃんと混じっていて心強かった。彼らはどんな気持ちでエヴァンゲリオンを観に来たのだろう? 訊ねてみたかったが、見知らぬエヴァおじさんに声をかけられたら不審がられるに違いない。そういうことは、後日twitterかはてな匿名ダイアリーでやろう。

映画の視聴中に誰かが大声をあげるとか、感極まってワーッと泣き出してしまうとか、手拍子を始めてしまうとか、そんなことも起こらなかった。都市伝説によれば、『新劇場版:破』の時には拍手が起こる映画館があったという(本当にそんなことが起こるものなのだろうか?)。 そういうハプニングはなかったし、かといって旧劇場版『Air/まごころを、君に』の幕引きで起こったようなざわめきもなかった。とにかく、大声で泣きだすエヴァおじさんやエヴァおばさんがいなかったのは良かったと思う。

そして自分自身について言えば、やけに静かな気持ちで視聴していた。20世紀のエヴァンゲリオンと21世紀のヱヴァンゲリヲンのさまざまな思い出が去来し、エヴァファンと交わした会話なんかも思い出した。スクリーンのなかでは様々な出来事が起こり、碇シンジをはじめ登場人物一同が頑張ったり苦しんだり何かを作ったりしていたが、私は、その一部始終を客席から視聴していた。

そう、私は『シン・エヴァンゲリオン』を"お行儀良く、着席して視聴"していた。

これから先、『シン・エヴァンゲリオン』については、やれ傑作だの駄作だのといった声がオンライン空間に充満するだろう。その当否についてここで書けることはない。でも本当は感無量だ。この作品に満足し、世評など気にしなくて済むような境地にたどり着いた。自分にとって必要十分な2021年のエヴァンゲリオンを拝むことができた、と言って言いすぎじゃあない。

だけど作品が年を経たからか、私自身が年を取ったからか、私は"お行儀良く着席して『シン・エヴァンゲリオン』を視聴していた"わけだ。要するに、これは20代の頃に見たエヴァンゲリオンとも、30代の頃に見たヱヴァンゲリヲンとも別物の何かだった。『シン・エヴァンゲリオン』は、私が40代になってから視聴した最初の(そしてたぶん最後の)エヴァンゲリオンだ。だから作品そのものは昔からのエヴァンゲリオンを継承していても、作品と私との関係はきっと変わってしまった。

観たいようなエヴァンゲリオンを観たのに、気持ちは、不思議なくらい落ち着いている。事前にいろいろ予想はしていたけど、まさかこんなに落ち着いた気持ちになるとは予想していなかった。あるいは「解呪と供養のためにシン・エヴァンゲリオンを観に行く」なんて書いたせいで自己暗示にかかってしまったのかもしれないし、感情を出すことすらネタバレになる気がしてブレーキがかかっているせいからかもしれない。

ともあれ、ありがとうと言いたい

ああ、まだるっこしい!
くそー、作中に出てきた色々について触れられない。
一体どのタイミングで・どこまで書いていいものなのか?
 
それでも、こうして無事に『シン・エヴァンゲリオン』を視聴できたこと自体はとてもめでたいことで、生きてこの日を迎えられたことをうれしく思う。20世紀のエヴァンゲリヲンでも21世紀のヱヴァンゲリヲンでも綾波レイはありがとうと口にしていたが、彼女にならって私もありがとうと言いたい気持ちになった。そういえば、TV版26話のラストもありがとうだったっけか。
 
とにかく、『シン・エヴァンゲリオン』はありがとうと言うに足りる作品だったと思う。まだ自分が何をこの作品から受け取り、これからどんな風に「自分のなかのエヴァンゲリオン像」を整理していくのかわからないけれども、今はただ、ありがとうを言いたい。ありがとう、シン・エヴァンゲリオン。ありがとう、庵野監督と制作に関わった皆さん。2021年のエヴァンゲリオンとして大変良いものをみせていただきました。(私は)(今は)満足です。
 
 ※追記:はてなブックマークのコメントを読み、なぜ気持ちが落ち着いているのかわかった。わかったけど、その理由を書くこと自体がネタバレになってしまう。ネタバレを回避しながら書くと、劇中に登場した「折りたたまれた衣服の上に置かれたメモ」に書かれていた○○○○という言葉、あの言葉だ。あの言葉について語って良いのはもう少しネタバレが許されるようになってから、たぶん1~4週間後だと思う。

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