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不法残留者8万人 送還忌避者3千人をゼロへ 今国会で入管法改正へ

不法残留者・送還忌避者の現状 (出所:法務省)

国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!

をモットーとする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

 昨年来のコロナ禍の中で、新規入国者等は停止されています。しかしながら、一昨年まで外国人の我が国への新規入国者は年間3千万人を超え、中長期在留者は300万人近くとなっています。そのような中で、不法在留者が再び増加に転じています。30年近く前には30万人近くいた不法残留者でしたが、関係者の取組み強化もあり、6万人を切るところまできました。が、5年程前から再び増加に転じて、現在8万人の不法残留者がおり、所在不明となり、大半は不法就労となっていると思われます。そして、摘発等をして、退去強制手続を行い、帰国する人は年間1万人いますが、送還忌避者が約3千人もいます。

 不法残留者約8万人、送還忌避者約3千人をゼロにすべく、私共自民党は法務省等に取組みの強化を求めてきました。

 それを受けて、法務省では、対応方針として、①ルールを守らない外国人は入らせない。②不法残留者は発生させない。③不法残留者の発見を徹底させる。④不法残留者を速やかに帰国させる等を掲げて、対策強化に取り組んでおり、今国会で入管法の改正を行います。

 自民党では、昨年11月6日、11月26日に法務部会において、不法残留者8万人削減対策の取組みを議論し、そして、今年に入って、2月9日に入管法改正案について、私も出席して議論が行われました。そして、2月19日に閣議決定されて、国会に提出されました。今国会での成立を期し、我が国の安全安心を確保したいと思います。

 http://www.moj.go.jp/isa/laws/bill/index.html 

●8万人の不法残留者対策の強化

 まず不法残留者8万人の対策強化策については、以下5点です。

 ⑴ルールを守らない外国人は入国させない対策

①要注意人物の傾向分析を強化策として、乗客の予約情報等との照合や、今年夏を目途に傾向分析にAI(人工知能)を導入します。

②海外における事前チェック策として、出発空港におけるチェックイン情報を活用したスクリーニング(審査選考)や、渡航者から事前にオンライン申請させた情報に基づく幅広くスクリーニングを実施すべく検討中です。

 ⑵不法残留者を発生させない対策

①外国人向けの相談窓口として、外国人在留支援センター(FRESC)や外国人在留総合インフォメーションセンター、外国人技能実習機構等において、我が国のルールを適正に案内して、問題発生を未然に防ぎます。

②外国人からのSOS情報を端緒として、悪質業者の指導・摘発を実施し、排除します。外国人の就労環境を改善していきます。

 ⑶不法残留者を発見する対策

①調査・摘発等業務の強化策として、警察との連携を強化しつつ、法違反者の調査・摘発等を強化します。

②関係機関との連携情報強化策として、雇用主による届出に在留カード番号を追加して、情報連携のオンライン化を行います。相互データの効率的な突合によって、不法就労の可能性を効果的にあぶり出そうというものです。

 ③デジタル情報の証拠収集手続の整備として、パソコンやサーバの中に隠れた不法残留者情報を発見して、摘発に繋げていきます(入管法条)。

 ⑷不法残留者を帰国させる対策

 これは、次の送還忌避者対策の強化と同一であり、入管法の改正となります。

①退去を決意させるために、退去を命令できる制度(罰則付き)を創設します。

②難民認定制度を複数回申請する等の濫用防止のために、難民認定手続中の送還停止という例外規定を見直します。

③自発的な出国を促す措置の拡大として、上陸拒否期間を5年から1年に短縮します。ただし、観光での再入国は認められません。

 ⑸イラン人の国費送還問題の解決

 イランは、平成28年1月まで、我が国からの送還忌避者の送還(護衛官付き国費送還)を受入れていましたが、それ以降、受け入れていません。未送還のイラン人被退去強制者数は275人(令和2年6月)となっています。法務省出入国在留管理庁は、外務省と連携して、イランと交渉しており、そのため特定技能制度が発足しても、イランからは特定技能外国人の受入れを行わないものとしています。

 引続きイランに対しての働きかけ強化を政府に求めていきたいと思います。

●3千人の送還忌避者対策の強化 入管法の改正へ

入管法改正の概要 (出所:法務省)

 次に送還忌避者対策の強化策ですが、送還忌避者の増加の背景には、難民認定申請による送還の停止、送還先国の受入れ拒否、送還妨害による搭乗拒否等があるとのことです。そして、現行入管法上、送還までは原則収容となっており、送還忌避者の増加にともない、収容が長期化して、拒食事案や仮放免された者による逃亡事案が発生するという悪循環となっています。

 そこで、入管法等を改正して、⑴庇護・在留を留めるべき者を適切・迅速に判別し、⑵在留を認められない者の迅速な送還、⑶長期収容の解消及び適正な処遇を実施しようというものです。

 具体的には以下3点です。

⑴庇護・在留を留めるべき者を適切・迅速に判別

現行法務大臣の広範は裁量による判断で出す「在留特別許可」について、考慮事情等を明示し、申請手続きを創設し、不許可の理由を告知する規定を整備し、難民認定手続から在留特別許可の判断を分離します(入管法第50条)。

そして、難民条約上の難民ではなくても、難民に準じた保護(補完的保護)すべき外国人を「補完的保護対象者」と認定し、保護する制度を創設します(入管法2条と61条)。

さらに、難民認定制度の運用を見直して、難民該当性に関する規範的要素を明確化し、難民の出身国情報を充実し、難民調査官の調査能力を向上させていきます。

⑵在留を認められない者の迅速な送還

現行入管法では、難民認定手続中は、例外なく一律に送還が停止されてしまうために、送還停止の例外規定を創設します(入管法61条)。

本邦からの退去や帰国のための旅券発給申請を命令できる制度を罰則付きで創設します(入管法55・52・72条)。

そして、自発的な出国を促すための措置として、自発的に出国した者に対して、上陸拒否期間を短縮(5年→1年)する出国命令対象者を、出頭した者に加え、摘発された者にも拡大します(入管法24・5条)。観光での再入国は不可。その上で、退去強制手続を経て自費で退去した者の早期の上陸を可能とする措置を創設します(入管法53・5条)。

⑶長期収容の解消及び適正な処遇を実施しようというものです。

 長期収容から、監理人によって社会の中で監理する制度を創設します。当然逃亡した場合には保証金と罰則がかかります(入管法44・52・72条)。

 仮放免の見直しとして、要件・基準を明確化し、不許可の理由を告知し、逃亡した場合の罰則を整備します(入管法54・72条)。

 ハンストの場合等、強制治療に関する規定を整備し、常勤医師の兼業の要件を緩和し、その他適正な処遇の実施に関わる規定を整備します(入管法55条)。

 その他、デジタル情報の証拠取集等の規定も整備します。

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