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- 2021年03月07日 10:48 (配信日時 03月07日 06:00)
サンドウィッチマン、“東北復興のシンボル”が自らに課す使命は「出続けること」 - 東日本大震災10年
1/2●『東北魂TV』信頼できるメンバーで10年
2011年3月11日に発生した未曾有の災害・東日本大震災から10年。マイナビニュースでは、この震災に様々な形で向き合ってきた人々や番組のキーパーソンにインタビューし、この10年、そしてこれからを考えていく。今回は、BSフジのバラエティ番組『東北魂TV』(毎週日曜23:00~)に出演するお笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけし。宮城出身で自身も気仙沼でのロケ中に被災し、その後は「東北魂義援金」を立ち上げるなど、積極的に被災地支援や情報発信を行っており、“東北復興のシンボル”とも言われる存在だ。
震災から半年後の2011年10月に5分番組としてスタートした『東北魂TV』は、現在30分に拡大し、「笑いで日本を応援」を掲げ、スタジオコントやロケ企画を展開。震災から10年となる3月21日で、一旦レギュラー放送を終了するが、サンドウィッチマンの2人に番組や被災地への思いを聞いた――。

サンドウィッチマンの伊達みきお(左)と富澤たけし 撮影:蔦野裕
■東北出身芸人の特色とは…
――改めて、『東北魂TV』が立ち上がった経緯から伺えればと思います。伊達:仙台のほうにロケに行ってたらBSフジの谷口さん(『東北魂TV』企画・編成担当、BSフジ編成部 谷口大二企画担当部長)に呼ばれて、東京に戻ってきたその足で東京駅前のホテルのロビーで、「実は東北を応援するというお笑い番組をやりたいんです」という話をしていただいて、「ぜひぜひ!」ということでした。
――「東北魂」というのが、またメッセージの強いタイトルですよね。
伊達:僕らの義援金口座の名前でもあるんですけど、この言葉は震災前からあって、今着ているTシャツも2010年の僕らの単独ライブのグッズだったんです。この字は、僕の妻が書いたんですよ。「東北魂」っていうのは、もともと楽天イーグルスの応援の旗に書いてあったんですが、僕はそれがすごく好きで使わせてもらいました。それで震災があって、「東北魂義援金」を立ち上げて、東北の芸人が集まって番組をやるんだったら、力強い言葉だし、『東北魂TV』にしようということになったんです。
――この番組はサンドウィッチマンさんに加え、マギー審司さん、鳥居みゆきさん、狩野英孝さんという東北出身芸人さんがそろっていますが、他の地域の芸人さんに比べて特色を挙げるとすると何でしょうか?
富澤:なぜかピン芸人が多いですね(笑)。コンビがあんまりいない。
伊達:不思議だよね。もともと東北方面は芸人が少ないんですけど、特色で言うと粘り強いとかそういうところじゃないでしょうか。
――東北の方って、よく口数が少ないと言いますよね。
伊達:口数は少ないんですけど、東北人が集まればうるさいですね(笑)。でも、信頼できるメンバーで10年やれたので、本当にこの番組は楽しみでした。

(左から)富澤たけし、マギー審司、狩野英孝、伊達みきお=「ダテ沢富美男」のコントより
■夢だったスタジオコント「誇りに思える番組」
――「笑いで日本を応援」というコンセプトを掲げていますが、どんなことを意識されて臨んできたのでしょうか。伊達:すべてを東北に絡めるということではなく、純粋にお笑い番組として笑ってもらおうというのは心がけました。全部絡めていくと重くなって大変なので。でも、ロケは基本、東北に行って全国の人に見てもらおうというスタンスでやっていたので、そういう意味ではすごくバランスは良かったと思いますね。
――この10年で、特に印象に残った出来事は何ですか?
伊達:山ほどありますねぇ。でもやっぱり、僕らが小さい頃から見ていたようなスタジオコントができたことですかね。これって、実は非常にお金がかかるんですよ。みんなにうらやましがられましたし、ゲストで来た人たちも「こんなすごいセット組んでやってるの!?」と驚いてくれて。だから、芸人の夢であるスタジオコントができたというのは、僕らもこの世界で23年やってますけど、すごく誇りに思える番組でした。
――昨年から地上波フジテレビでのゴールデンタイムで『ただ今、コント中。』という特番が始まったのも、この番組の存在が大きいですよね。
伊達:大きいも何も、100%これのおかげですよね。みんな喜んでやってますし、この番組で土台が作れたという感じです。
――富澤さんは10年で印象に残る出来事、いかがでしょうか?
富澤:僕が印象に残ってるのは、「東北を応援する」と言ってやってますけど、狩野英孝がちょいちょいいなくなって…
伊達:あいつは応援される側だったからね(笑)
富澤:またそこもいいところなのかなって。「しょうがねぇなあ、あいつは」っていうのもあって、逆に応援してもらうというのもありましたね。温かく見守ってもらえたのかな(笑)
●被災地での反響「一番うれしかった」

伊達:僕らは出るコントの数も多いので、台本覚えなきゃいけないとか、正直4日くらい前から大変なんですよ。他の仕事もあるのでそこでも覚えることがあるし、すごく大変なんですけど、この番組ほど収録が終わった後に達成感のある番組はないですね。それはもう、毎回思います。前にNHKでもコント番組をやっていたことがあって、そのときは1週間で23本コントを覚えなきゃいけないことがあったんです。
富澤:あれは地獄だよね(笑)
伊達:地獄でしたけど、それができたのは本当にこの番組のおかげなんですよね。台本の覚え方とかも学ぶことができましたから。
富澤:僕は子供を産んだことないですけど、出産に似てるのかなって思いますね。産むまではすごい苦しんですけど、産んだらすごくかわいくて、「面白かったです」と言ってもらえると報われる感じがありました。
――そんな番組の反響は、被災地ではいかがでしたか?
伊達:「『東北魂TV』見てるよ」と言ってもらえるのはすごく多かったです。地上波のいろんな番組にも出てますけど、それを見たと言われるより、「BSフジの『東北魂』見たよ。面白かったね!」と言われるのが、一番うれしかったですね。それだけ労力もかかってるし、わざわざBSにチャンネルを合わせて見てくれるんだっていうのが、すごくありがたいし、やる気にもなりました。
富澤:岩手あたりだと、この番組のおかげでトミドコロの知名度が結構あるんですよ(笑)
伊達:(岩手)めんこいテレビで地上波でやってたりとか、仙台放送でもお正月にやってくれたりしてましたからね。
――まさに「笑いで日本を応援」というのを、この10年で体現できたのではないでしょうか。
伊達:できたんでしょうかねぇ? どうなんでしょう(笑)。でも、震災から10年で一旦区切るという感じとは違うんですけどね。
富澤:また何か違う形で、次のステップに入るのかなというところですね。
伊達:ひと段落、という感じですね。


『東北魂TV』レギュラー最終収録後より



