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無理筋な「イラネッチケー」裁判判決

■「イラネッチケー」<「ブースター」

 NHK放送だけ映らないようにする「イラネッチケー」を付けたテレビを買った人が、NHKに対して「受信契約を結ぶ義務がない」という裁判を起こしていた。

 一審が行われた地裁では、「NHK放送を受信できない以上、受信契約を締結する義務はない」という判決が出されていたが、二審の東京高裁では、一審の判決を覆して以下のような判決が出た。

たとえNHK放送が映らなくても、電波を増幅させるブースターを使用すればNHK放送を視聴できるので契約義務が生じる

 要は、イラネッチケーを付けた上で、ブースター(増幅器)を取り付ければ視聴が可能となるので受信料を支払う義務があるということらしい。

 こういう誰が考えても無理筋だと思える裁判結果を目の当たりにすると、結局、裁判自体が茶番でしかないのかもしれないな…と疑いたくもなる。

■NHKだけが別枠の「公共料金」

「公共」と名の付くものは、別にNHKに限られたものではなく、誰もが生活で利用している電気・ガス・水道なども公共料金として扱われている。ただ、NHKと大きく違うところは、電気・ガス・水道などの公共料金は、使用料の支払いが滞るとサービスを止められてしまう。

 よくテレビドラマ等で、光熱費が支払えない人の家に料金徴収員が押し掛けて、こう言われるシーンがある。

お金を支払ってもらえなければサービスを止めますよ

 その後、本当に利用料金を支払わなければ、電気もガスも水道も情け容赦なく止められてしまう。

 ところが、NHKの場合はそうはなっていない。NHK放送を視聴して料金を支払わないのであれば、他の公共料金と同じように、こう言えばいいのではないのだろうか。

お金を支払ってもらえなければ放送を止めますよ

 これなら誰も文句を言えない。「ただめし」ならぬ「ただテレビ」を観て料金を支払わないのは悪いことだと誰もが認識しているので、裁判で「お金を支払うのは嫌だ」とは言えない。

■「公共」だから仕方がないのか?

 あるいは、公共の薬局(置き薬)のようなものがあったとすれば、置き薬を使用して料金を支払わないのは犯罪になる。置き薬業者がサービス利用客の自宅に伺って、置き薬箱の中身を確認することは仕事の一環であり、もし、置き薬箱を隠して出さない客がいたとすれば、泥棒になってしまう。

 しかし、NHKの場合は、なぜか業者と消費者の立場が真逆になっており、公共放送を観た人に対して視聴料金を請求するのではなく、観たか観ていないかを調べることができないため、観ていない人からも料金を徴収するという前近代的なシステムとなっている。

 観たか観ていないかに関係なく、支払うお金を持っている人から徴収するという悪平等なシステムになっている。

 尤も、観たか観ていないかを調べることは技術的には可能なのだが、それを敢えてやらないことで有無を言わさずに視聴料を徴収するという出鱈目な制度となっている。

「公共だから、サービスを利用していなくても料金を支払うのは当然です」と言われれば、反射的に“仕方がない”と思いがちだが、先に述べた通り、電気・ガス・水道などの公共料金は、「公共」だからという理由で、貧しい人は無料で利用してもいいという平等なシステムになっているわけではなく、サービスを利用した者だけが厳しく料金を請求されるという公平なシステムになっている。

 同じ「公共」でも、どうしてここまで扱いが違うのだろうか?

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