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【読書感想】News Diet

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News Diet

News Diet

  • 作者:ロルフ・ドベリ
  • 発売日: 2021/02/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



Kindle版もあります。

News Diet

News Diet

  • 作者:ロルフ・ドベリ
  • 発売日: 2021/02/10
  • メディア: Kindle版

「ニュースダイエット」とは――「ニュース」をあなたの生活から完全に排除すること。情報があふれる世界で、よりよく生きるための唯一の方法である。ニュースは私たちの精神を鈍らせ、本当に重要なことから目をそらさせ、意志の力を麻痺させる。何年も前から「ニュースなしの生活」を送っている著者が、みずからの体験をもとに、「ニュースダイエット」の方法と効用について語り尽くす。世界的ベストセラー『Think clearly』の著者が提言する、人生を変える「ニュースフリー生活」のすすめ。本書巻頭には、著者からの最新メッセージ「日本語版に寄せて」を特別収録。

 最近、「インターネット(あるいはスマートフォン)に疲れたな……」って思うことが多いのです。
 何か他のことをやっていても、15分おきくらいにスマホが気になって新しいメッセージが来ていないか確認し、夜中にふと目覚めてスマホを手にとったが最後、1時間くらいネットサーフィンをしてしまい、一回りしたらまたTwitterの新しい「つぶやき」を確認し……かえって目が冴えていくばかり。

 情報の海で溺れかけているな、と思うのと同時に、自分が「情報通」「世の中のことがわかっている人間」みたいな気がして、ちょっと良い気分でもある。

 でも、現実問題として、眠りは浅いし、頭もよく痛くなる。眼も疲れている(老眼も進んできましたし)。

 ずっとスマートフォンのゲームやSNSばかりやるのは「依存」として危険視されているけれど、ネットで「ニュース」を見るのは、「世界の流れについていくために必要なこと」だと思い込みがちなんですよね。
 実際にみているのは、芸能人の不倫スキャンダルとか、プロ野球のキャンプ情報ばかりなのに。

 1990年代にインターネットが登場してから、しばらくの間、著者は「ニュース漬け」になっていたそうです。

 第二世代、第三世代のインターネットブラウザでは、プッシュ技術を使ったニュースの配信を受けたり、RSSフィードでサイトの更新情報を受け取ったりすることが可能になった。私はすべて購読した。
 新聞各社は毎日ニュースレターを配信した。私はそれらも購読した。ニュース・ポッドキャストも登場した。もちろん、それだって聞き逃すわけにはいかなかった。
 私は常に最新情報に満たされているのを感じて、その状況に感激し、夢中になり、うっとりと酔いしれた。まるでアルコールを飲んでいるみたいに。ただしアルコールは頭をぼんやりさせるが、ニュースは知識をつけてくれる──私はそう思い込んでいた。

 「ニュースを見る」のは良いことだというイメージを僕も持っているのです。少なくとも、ソーシャルゲームをやったり、漠然とTwitterのタイムラインを眺めているよりは。
 そして、「良いこと」だとみなされがちだからこそ、その危険性とか実際に役に立っているのかどうかの検証が、放置されがちでもあるのです。  

 ニュースの消費に1万時間も費やしたあとで、私ははじめて自分自身にこんなふたつの質問を投げかけた。「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか? よい決断ができるようになっただろうか?」答えはどちらもノーだった。
 それにもかかわらず、私は強烈でどぎついニュースの雷雨に魅了されたままだった。ニュースが私をいら立たせることは明らかだったというのに。
 たくさんの短いニュースが身の周りの現実と自分とを隔ててしまうように思えることが頻繁にあり、そうなると、長い文章を一度に読むのが突然苦痛に感じられてくるのだ。
 まるで、注意力を誰かに細かく切り刻まれてしまったかのようだった。

 こうして文章を書いていると、「長い」というコメントをもらうことがけっこうあるんですよ。僕の書き方が冗長であることは否めませんが、他の人のコンテンツへの反応をみていても、「えっ、このくらいの文章量が『長い』の?」と驚くことが少なくないのです。
 僕自身も、家で本を読んだり、映画を観ている最中に、スマートフォンを確認してしまうんですよね。
 著者は、「短い情報を一度にたくさん処理する能力は高まったけれど、物事を『深く考える』力は衰えてきているのではないか」と指摘しています。

 そもそも、ニュースを読んだり見たりすることは、本当に人生のプラスになっているのか?

 私が個人的にニュースダイエットをすすめた人たちの大半は、いま現在までずっとダイエットをつづけている。新しい生活で得られる充実感が、ニュースを断つことで起きる不利益を100倍は上回っているからだ。
 本書を読む前からニュースダイエットをはじめていて、すでに最初の30日は過ぎているというあなたには、祝辞を贈ろう。
 あなたは以前よりも1日あたり90分、余分に時間を手に入れたことになる。1週間分あわせると、1日の労働時間に相当する。控えめに見積もっても、あなたには1年につき1ヵ月以上もの余分な時間ができることになる。以前は11カ月だったあなたの年が、ようやくまた12カ月に戻るのだ。

 あなたがこの1年でむさぼり読んだニュースは、およそ2万本にのぼるだろう。控えめに見積もっても、1日あたり約60本は読んだことになる。
 正直に答えてほしい。そのなかに、あなたが自分の人生や家族や、キャリアや健康やビジネスに関して、よりよい決断を下すのに役立ったニュースはあっただろうか。そのニュースを読んでいなかったら、下せていなかったと思える決断はあるだろうか。

 私がこの質問をした人のうち、2本以上のニュースを挙げられる人は誰もいなかった。年に2万本ものニュースを読んでいるというのに、である。なんという関連性の薄さだろう!
 私の場合、ニュースを消費しなかったこの10年より前に記憶を巻き戻しても、本当に役に立ったニュースは、たったの1本しか思い出せない。空港に着いたあとで知った、アイスランドの火山が噴火したために私のフライトがキャンセルになったというニュースだ。

 だがこのニュースですら、私が航空会社に正確な携帯番号を伝えていて、ショートメッセージがちゃんと届いていたら、なくても特に問題はなかったのだ(メッセージが携帯に届いていたら空港まで無駄足も踏まずにすんだ)。

 僕もこの本を読みながら、考えていたのです。
 いままでニュースを数え切れないほど見てきたけれど、それは何か自分の人生にプラスになっただろうか?

 アメリカでトランプ大統領が誕生したことで僕の人生は変わったのだろうか?
 そもそも、「知った」ところで、僕がそれに対して、何かコミットする(深く関わる)ことができたわけではないんですよね。アメリカ大統領の選挙権も持っていないし。
 著者は、情報の洪水のなかには、フェイクニュースが多く含まれていて、かえって間違った決断をしてしまいやすい、とも指摘しています。

 今の「ニュース」には、発信者の意図や広告が仕込まれていることも少なくありません。

 まあ、トランプ大統領については、僕がそれをネットに書くネタにはなったのは事実なのですが。
 ニュースメディアについても、「ニュースとして大事だから」よりも、「みんなが興味を持ってくれて、PV(ページビュー)を稼げる」から報じている「ニュース」がたくさんある、というのが現実なのです。

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