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中国に「反日教育」は存在しない?2(経験則と差別意識について)

 昨日エントリーした「中国に「反日教育」は存在しない(反日デモも言うほど怖くなかった)?」ですが、有り難いことにBLOGOSに掲載していただき、livedoorニュースでも紹介いただきました。本当に感謝しております。>

1 コメントについて

 そのlivedoorニュースですが以下のようなコメントが掲載されており、いろいろ思うところがあったので、今日はこれについて少し。

 「教養の高い、高学歴の人間ほど、差別を悪いものと思っていて、差別意識が薄い・・・冗談でしょ。中国旅行に20年以上前に行ったが、現地のガイドさん、日本語分かるのだから高学歴なんだろうけど、思いっきり、中国の農民バカにしてましたよ。それも犬みたいな感じで。建前で差別を悪いことと思っているだけだよ。どこでもね。日本でも世界中でも、ちょっと一枚めくれば差別意識は顔を出す。」

 最初に誤解の無いように言っておきますが、私は以前書いたように相対主義者なので(相対主義)、もっとも嫌いなのが、違う意見の存在を認めないことで、自分の意見を無理矢理他人に押しつけられる方については、軽蔑すらしております。

 そのため、自分と違う意見の方がいるのが当然だと思っていますし、願わくば私の書いたものの論理的におかしいところ(矛盾点)や、誤りを指摘してくれる方がいれば本当に有り難いことだと考えております。

2 経験則について

 話が逸れましたが、コメントに戻ります。常々思っていることですが、人は自分の経験則に基づいて物事を判断します。それ自身は当たり前の話で何もおかしいところはないのですが、外国では日本の常識が通用しないので、この経験則が役に立つどころか邪魔になることも往々にして存在します。

 今回のコメントにあった「現地のガイドさん」ですが、思うに高学歴ではないと考えます。理由は追々説明しますが、まず日本では「語学ができる=高学歴」という経験則があり、コメントを書かれた方はそれに基づいて、そう判断したと考えます。

 しかし、実際私の中国滞在時に経験したことに基づくと、ガイドは大半の方がいわゆる専門学校を卒業した方が多かった様に思います。日本では語学を高等なものとして考える傾向がある様ですが、中国では語学は(意思を伝える)「道具」にしか過ぎないと考える傾向がある様です。

 つまり、体系だった文法よりも如何に意思を相手に伝えることができるかが大事という発想で、そういうレベルの訓練だけを受けされる学校が中国には存在し、ガイドになる者はおそらくこうしたところの卒業生ではないかと考えるわけです。

 当然ガイドといってもピンからキリまでいるわけで、正式な訪問団などにつく政府関係者が行うガイドであれば、間違いなく有名大学の日本語学科卒の高学歴者となるわけですが、通常の旅行会社が手配したガイドであれば、多分違うと思って間違いないと考えます。

3 求められる「語学」とは

 以前書いた様に私は、外国語の実践力という意味では、4年間国内で学ぶより1年間留学した方が上と考えています(大学の学部・学科に「キラキラネーム」が出てきた理由)。しかし、これもいろいろ前提があるわけで、ここで「実践力」と言ったのは「会話能力」がメインと思ってもらってかまいません。

 つまり、通常話すだけなら、国内で学習するより、間違いなく現地で、もまれた方が能力は上になると考えますが、それ以外の読解などは国内でも時間をかければ習得は可能ですし、語学の上級レベルになると母国語の能力が物を言う世界ですから、時間をかけて正式に学んだ者の方が上になると考えます。

 斯様に一口に語学ができるといってもいろいろなレベル、目的があるわけで、それだけでどうこう言えるものではありません。これは「高学歴」「知識階級」についても同じです。

 それに、昨日のエントリーで一番言いたかったことが、少数の者をして全体を類推することの難しさです。つまり自分がたまたま出会った中国人そうだったから、高学歴の者がそうだったから、中国人とはそうだろう、高学歴の者はそうだろうと考えることについての反論です。

 そういう意味で昨日書いた「知識階級ほど、差別を唾棄すべきものと考える傾向がある」というのもあくまで私がつきあった「知識階級」から得た経験則であり、当然これに当てはまらない方もおられます。

4 差別意識

 最後に私の考える差別意識ですが、本当にものすごい差があるところでは差別意識は生じないと考えます。似た様なレベルでありながら多少の差がある、こうした程度のところで最も激しい差別が生じるのではないでしょうか。

 つまり私は、本当に身分の高い人、暮らしの豊かな人は貧しい人等を差別する傾向はさほど強くないと考えているわけです。大きな権力を持っている者は権力をひけらかす必要もないわけですが、わずかな権力しか持っていない者は、わずかしかないが故にその権力を最大限に使おうとするというのは、良く見られることではないでしょうか。

 アメリカの黒人差別も黒人を差別するのは貧困白人に多く見られる傾向で、本当に豊かな白人階級はそうでもないという統計を見た記憶があります。これらと同じで、ガイドが農民をバカにしていたというのは、ある意味彼らに対して近い意識を持っていたからでないかと考えた次第です。

 当然「知識階級」も内心では学のない農民をバカにすることも多々あるわけですが、そうした自分の感情を表に出しても何の得もないことを知っているのが、私の知っている知識階級だったので、そこいらも少し違和感を覚えたわけです。

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