記事

【ウォルマート】、高齢インフルエンサーによるショッパブルレシピ動画!その意図とは?

■インフルエンサーの影響力を使ってウォルマートは昨年の年末商戦中、ショッパブル・ライブストリーム・イベントを開催した。

若者を中心に幅広い年齢層が利用する動画共有SNSアプリ「ティックトック(TikTok)」でウォルマートは12月18日に「ホリデー・ショップ・アロング・スペクタキュラー(Holiday Shop-Along Spectacular)」を行ったのだ。

フロリダ出身のダンサーで「ジャスト・マイコ―」ことマイケル・リー氏をフューチャー。1時間のライブストリーミングでウォルマートが扱っているファンションブランドからプライベートブランドまで販売したのだ。

4,300万人近くのフォロワー数を持ち、切れ味抜群でコミカルなヒップホップダンス動画が人気となっているリー氏や他のインフルエンサーたちが既存の広告には出せない独自の魅せ方でチャンピオン(Champion)やケンダル&カイリー(Kendall + Kylie)、PBのフリー・アッセンブリー(Free Assembly)等のファッションをアピールした。

ユーザーはチャンネルから離れることなく視聴を楽しみながらクリエーターが着用するアパレル商品を、視聴中にカートに入れながら決済までの買い物ができたのだ。

ウォルマートはより若いオーディエンスとつながりを持ちながら、若年層の新顧客に向けてもシームレスでストレスフリーな買い物体験を提供することになった。

 一方、若いSNSインフルエンサーだけでなく40歳代以上のセレブを使ったショッパブル動画をアップしている。

ウォルマートはインタラクティブ・コンテンツ制作のスタートアップ「エコ(Eko)」と提携してショッパブルレシピ動画「ウォルマート・クックショップ(Walmart Cookshop)」を展開している。

いわゆるレシピ動画のクックショップは必要な材料をウォルマートのネットスーパーを介して簡単に購入できるようになっているのだ。

ウォルマートのショッパブルレシピは2年前からレシピ動画のテイスティ・アプリと提携してシームレスなショッピングを行っている。

クックショップではセレブシェフのジェイミー・オリバー氏や女優のソフィア・ベルガラ氏、歌手のパティ・ラベル氏、ブロガーでインフルエンサーのレー・ドラモンド氏など有名人を起用しているのが特徴だ。

クックショップの動画は双方向コンテンツになっていることで動画の初めに「キッズ向け」「家族用」「パーティセッティング」など1つの動画でも3~4の選択肢があり、用途に合わせて選べるようになっている。

例えばジェイミー・オリバー氏のベジタブルピザでは「新しいレシピをトライします(Try new recipes)」「キッズ向け(Good stuff for kids)」「ゼロから調理(Cook from scratch)」から選択する。

「ゼロから調理」を選択するとオリバー氏がウォルマート・プライベートブランドの「中力粉(All-purpose flour)」「グルテンフリー小麦粉(Gluten free flour)」の両方を手にもち、どちらかを選択するように促すのだ。

中力粉を選ぶとオリバー氏はそれに従ってレシピを紹介していく。動画を見ながら材料をショッピングリストに加えることができ、宅配やカーブサイド・ピックアップで注文できるようになる。動画を見ながらネット注文すると最短1時間でレシピ動画の調理を始めることができるというわけだ。

 ウォルマート・クックショップのポイントは出演者に76歳になるパティ・ラベル氏のような年配者を起用していることだ。

食材を購入しにお店に行くのはしんどいけれど動画でみた料理はしてみたいという層を取り込もうとしている。

ウォルマートはネットスーパーに新規の利用客を取り入れながらネットスーパーサブスク「ウォルマート・プラス(Walmart +)」の会員拡大をねらっているのだ。

 ウォルマートは今後も様々なインフルエンサーを起用し双方向なショッパブルコンテンツを駆使しながら買い物提案をしていくことになる。お店を構えて「低価格で高品質ですから買ってください」という時代ではないのだ。

トップ画像:ウォルマート・クックショップにある歌手、パティ・ラベル氏のショッパブルレシピ動画(スクリーンショット)。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。YouTubeに芸能人が進出するようになって、とても興味深いのが登録者数や再生回数です。テレビ出演が多く知名度も高いのに、YouTubeを始めると期待していたほど伸びないというのはよくあること。演者としてテレビ番組を成立させる能力は高いけれども、必ずしも広く人気があるとは言えない芸能人がいるということをYouTubeが見せているのです。

一方で演者能力が高い上にインフルエンサーとしても能力を発揮している人も浮き彫りにしています。最近では指原莉乃さんが話題になっていますね。元旦から「さしはらちゃんねる」を始めて登録者は60万人以上。動画は10本(本人が動画編集までしているのが凄い!)しかありませんが、そのうち7本は再生数が100万を突破しています(サムネ編集の有無で再生数を測っている?)。

直近の「メイク動画」は400万回近くに上っています。本人には全くその気がなくても、大手企業からスポンサーを受け企業案件の動画をアップできる下地はできあがっています。

⇒かねてから広告収入の減少がテレビ局にとって課題といわれていましたが、新型コロナウィルスによる広告営業の影響は100%に上っているのです。本当の人気度合いをYouTubeで露呈させたテレビ演者はますますテレビにしがみつくことになります。

その一方でインフルエンサーとしても認められた有名人はテレビの枠だけでなく、ネットを活用した動きを本格化させていくのです。企業側にとってみればターゲット層を絞れるインフルエンサーと組んだほうがメリットが大きいでしょう。

例えば、大手製菓メーカーによる20~30歳の女性をターゲットにしたチョコレートの発売では、テレビでCMを垂れ流しするより「さしはらちゃんねる」で田中みな美さんとコラボした動画をスポンサーするほうがコスパがいいはずです。ワンクリックもしくはワンタップで紹介しているチョコレートが速攻で手元に届くショッパブル動画を流せば、計測も可能です。エントリー記事にあるウォルマート・クックショップでは視聴者のクリック率が業界平均2%を超える8.7%でした。

 日本でもインフルエンサーを起用したショッパブルコンテンツが制作されるようになれば、テレビ局の広告収入はさらに減少しますね。影響力のない有名人がしがみつき、計測も難しいテレビからは、お金がますます逃げていきます。

あわせて読みたい

「ウォルマート」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    スガ首相「要請」を「メドが立った」とすり替える ワクチン確保のお寒い現実

    田中龍作

    04月20日 08:43

  2. 2

    日米首脳会談 菅首相訪米の重要性を理解できない野党の残念さ

    城内実

    04月20日 09:09

  3. 3

    TBS『週刊さんまとマツコ』の逆張りに期待

    メディアゴン

    04月20日 08:36

  4. 4

    自民党内に“5月下旬に東京都に緊急事態宣言ならオリンピック開催は危うい”との見方も

    ABEMA TIMES

    04月20日 08:32

  5. 5

    早稲田政経の入試で数学必須が話題に… “数学不要論”に天才数学者の答えは

    ABEMA TIMES

    04月19日 17:41

  6. 6

    「俺はそういう人間だ」オンライン生活についていけないミドル男性は罪なのか

    土屋礼央

    04月19日 09:24

  7. 7

    「仲介手数料ゼロ」に気をつけて!賃貸契約で損しないための交渉術

    中川寛子

    04月19日 09:08

  8. 8

    米で運転席無人のテスラ車衝突、2人死亡 警察はデータ要求へ

    ロイター

    04月20日 10:35

  9. 9

    【読書感想】まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか

    fujipon

    04月19日 15:05

  10. 10

    9月末までにワクチンのめどがついたのであれば根拠を示すべし

    大串博志

    04月20日 08:24

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。