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なぜ反原発が実現しないのか?

原発推進を政策として掲げる自民党が単独過半数を獲得する勢いである。

昨年、あれだけの大事故を起こし被災地の人々だけでなく日本中を恐怖の炉壺に叩き込んだ原発。また回りを見ても「原発推進だ!」などと声高らかに発言している人など殆どいない・・なのにいざ選挙が始まってみれば反原発派の方に勢いがない。

今回は原発事故が起こって以来初めての政権選択選挙。本来ならば原発の是非を問う「原発選挙」となってしかるべき選挙のはずだ。それなのに純粋に反原発を唱える政党に支持が集まっていない。反原発派は今こそ大規模デモや集会をすべきなのにそれもない。

このまま行けば今回の選挙は自民党の圧倒的勝利に終わる。そうなれば、また何十年と政権交代など起こらず半永久的に原発が無くなることもない。これは何故か?

それは漠然と反原発を唱えながらも、自分に直接関係がある問題を優先する人の方が圧倒的に多いからである。結局、人は自分に直接関係のあることを優先する。

極論すれば、うんこが漏れそうな時に「うんこか? 反原発か?」と問われれば殆どの人が「う、うんこ!」と答えるのである。

今の世の中、多数派の関心事は経済的な問題、つまり景気に尽きる。「世の中経済だけではないだろう」と言える人は、とても恵まれているか、間接的に経済大国日本の恩恵を受けて豊かな生活をしていることに気付いていない鈍感な人である。また本気で経済活動を否定するような人はもともと政治に関心もない。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉があるが、少なくとも自分達が日本経済を支えていると勝手に思っている側の人にとっては、景気の回復を政策に掲げさらにそれを実現してくれそうな政党が魅力的に見える。

また、反原発を唱えながらも選挙にすら行かない人も多い。また、そのような状況を打破する為に「選挙に行って反原発を実現しよう」的な活動をする人もあまり見かけない。ネットで発言して活動している気になっている人が殆どである。

逆に自民党に投票するような人は生活がかかっている。切迫感が全然違うのである。原発問題で本当に切迫感を持っているのは被災地の人だけだと言っても過言ではないだろう。

原発のような危なっかしものは無くなった方が良いに決まっている。でも多くの人の優先順位は別のところにある。それが今回の選挙の結果だろう。

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