トランプ前大統領が再び表舞台に出てきました。
保守系の政治団体が主催した集会のテーマはAMERICA UNCANCELEDで、アメリカに広がる「キャンセル・カルチャー」にノーを突きつけています。
「キャンセル・カルチャー」とは、個人や組織、思想などを特定の理由で批判し、その存在すべてを否定=キャンセルするかのように非難する文化的なボイコットだそうです。
WSJはTrump Teases 2024 Run as He Hits Biden’s Early Moves(トランプ、バイデン政策叩きをしながら2024年出馬をほのめかす)の中で、アメリカのトランプ前大統領(74歳)が28日、フロリダ州で行われたCPAC=Conservative Political Action Conferenceという保守系の政治団体主催の集会に出席して、2024年の大統領選挙への立候補をほのめかしたと報じています。
ことし1月の退任後、公の場に出てきたのは初めてです。
具体的には「民主党は来年の中間選挙で惨敗して4年後にホワイトハウスを失う。私の”3度目の勝利”があるかもしれない」と述べて、去年11月に実際に勝利したのは自分だと示唆した上で、出馬する意向をにじませたということです。
一方で、第3の政党を設立することは否定し共和党を分裂させることはないという考えを示したとしています。
トランプ氏の側近は、前大統領が実際に立候補するかどうかを決めるのは2022年の中間選挙でキングメーカーの役割を果たした後だろうという見方を示しているそうです。
トランプ前大統領は演説でさらに、バイデン大統領の移民政策や新型コロナ対策を批判しました。
CPACのことしの通しテーマは”America Uncanceled”で、炎上するような発言や行動を取った人を“なかったこと”にしてボイコットするcancel cultureを逆手に取っています。
FTはTrump teases supporters with hint of new presidential run(トランプ、支持者を前に再び立候補することをほのめかす)の中で、ホワイトハウスを去ってから初めての演説で2024年の大統領選挙に出馬することをほのめかしたと伝えています。
ツイッターから追放されたことで発信する術も今はないとしています。
それでもトランプ氏の人気は根強く、CPACの出席者のうち55%がトランプ氏に大統領になって欲しいと回答。
演説の間、熱狂的な支持者らが「(去年11月の選挙で)勝ったのはあなただ」と繰り返したそうです。
New York Timesは、CPAC Takeaways: Trump Dominates, and DeSantis and Noem stand out(CPACでトランプが会場を独占。目立ったのはデサンティスとノエム)の中で3日間行われたCPACで、90分間演説したトランプ大統領が舞台を事実上独占したと伝えています。
会場で行われた調査でトランプ前大統領が55%の支持を得ましたが、トランプ氏を除いた2回目の調査ではフロリダ州のデサンティス知事、ついで”女トランプ”とも言われるサウスダコタ州のノエム知事が支持を得たということです。
CPACのテーマが”America Uncanceled"だったことを踏まえて、出席者からは”cancel culture(特定の人を“なかったこと“にしてSNSなどで責める文化)”と何度も声があがり、ツイッターやフェイスブックがトランプ氏を追放したことに不満を示したということです。