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この選挙の「終戦後」を考える

 選挙戦は現在進行中であり、全国で懸命の努力をしている方々には申し訳ないのだが、時の運や大勢の流れというものがある。久しぶりにトラックバックをいただいたきまぐれな日々」の古寺多見さんの記事「日本の右傾化の転換点になる衆院選の投開票日を前にして」は、私よりもよほど精密な論考で現在の税制の歪みを指摘しながらも、選挙後の情勢を見通しておられる。

 およそ不利な戦いを「上手に負ける」のは、勝ちに乗じて戦果を拡大するよりもよほど難しい。負け方を知らずに玉砕の連続で戦力を消耗した日本軍の戦略は、愚の最たるものだった。選挙の当事者は最後まで全力を尽くすのが当然としても、有権者としては、選挙の終戦後に何が起こるかを予想した、合理的な判断があってもいい。

 今回の選挙が自公政権の復活に終ったとすると、その半年後には参議院議員の半数改選がある。この半数は、自民党が大敗して参議院の「ねじれ」を生じた際のものだから、逆に言うと、自公にとっては失地回復をするためのハードルは低い選挙ということになる。総選挙後の新政権が半年間によほどの失敗をしないかぎり、ねじれを解消して安定政権に移行する公算が大きいのだ。

 その場合には、今は忘れられている憲法問題が、必ずや具体的な政策課題として浮上してくるだろう。そして憲法を象徴とする日本の国家像の変更が図られることになる。そのときに、衆参両院とも3分の2の多数を政権が支配しているかどうかが重要になる。逆に言えば、どちらかで3分の1以上を占めていないと護憲は難しくなるということだ。

 不便で不備な現行の選挙制度だが、有権者には小選挙区と比例区と、二票を投じる権利がある。より好ましい候補者を当選させ、好ましくない候補者を当選させないために、選挙区の情勢を冷静に判断した上で、賢く投票する必要がありそうだ。

 上記の記事は「もう大勢は決した。賽は既に投げられたのだ。これからどうやって生き延びていこうか。そんなふうに考えることが増えてしまった。本当に嫌な時代になった。」と結論しているのだが、厳冬の時代が来ようと私たちはこの国で生きて行く。生命と国土があれば国は復活する。たとえ焦土であろうと、終戦後には復興が始まるのだ。 

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