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NHK「ニュース7」担当職員の飲酒傷害事件は特権意識の現れか


緊急事態宣言が発令され、夜8時以降の飲食を伴う会食や不要不急の外出自粛が呼びかけられている最中、NHKの「ニュース7」でニュース映像を担当していた職員・鞘本諒介容疑者(さやもと・りょうすけ=32)が、仲間たちと居酒屋で夜半過ぎまで飲酒した挙句、タクシー運転手を相手に大立ち回りを繰り返し、傷害容疑で警視庁牛込署に現行犯逮捕された。

「皆様のNHK」で、花形とも言うべきニュース番組に携わっていたにもかかわらず、自らの行動に責任すら持っていなかったというわけだ。警察の取り調べに鞘本容疑者は「酔っていて記憶がない」と嘯いていると言うのだが、「記憶がない」などと言い訳をする以前に、この状況下、夜半過ぎまで居酒屋で、それこそ記憶がなくなるほど飲んでいたこと自体が大きな問題だろう。

「彼らは社会的責任を負う立場にありながらなぜか自分には甘い、自己中心的なところがあるんです。自分たちは特権階級、上級国民だと本気で勘違いしている。脇が甘いなんて言う人もいますが、最初から世の中を舐め切っていますよ。

池袋で事故を起こした旧通産省工業技術院の元院長なんかも同じだと思いますが、国会議員も似たり寄ったりで、特に与党議員については緊張感が全く感じられませんね。もっとも反省したフリだけは身につけていますが…」(社会部記者)

相次ぐコロナ禍での深夜会合 政治家にモラルは

共同通信社

確かに、自民党で麻生太郎財務相の側近中の側近だった松本純・元国家公安委員長(前国対委員長代理)をはじめ大塚高司・衆院議院運営委員会理事、田野瀬太道・文部科学副大臣、さらに公明党の遠山清彦・党幹事長代理と、緊張感のない議員の面々が思い浮かぶ。

「コロナ禍で国民には我慢を呼びかけておきながら、自分たちは銀座のクラブ通いと言うのは余りに身勝手な行動です。しかも、松本氏の場合は当初、1人でクラブを訪れ、陳情を受けていたなどと理解不能な言い訳をしていましたが、その後になって大塚、田野瀬両氏も同行していたことが分かり新たな批判を生みました。

『前途ある後輩をかばいたかった』なんて理屈を並べてはいますが、実際には何か一つでも隠せるものは隠そうと、嘘と隠蔽を繰り返していただけのことです。公明党の遠山氏に至っては、自身の資金管理団体がキャバクラなどに飲食代として11万円余りも支出していたことまで判明してしまった。ここまで来たら、国会議員だったら何でもアリになってしまう」(前出の社会部記者)

結局、松本氏以下、大塚、田野瀬両氏は離党勧告処分となったが、遠山氏は議員辞職をした。

「最も理解しがたかったのが自民党執行部の動きです。銀座クラブでのはしご酒が発覚したことで、松本氏らが役職の辞任を申し出たことに二階俊博幹事長は当初、その必要はないと留意しました。世論からの反発に慌てたのでしょうけど、執行部自体が鈍感というか無神経と言うか…とにかく危機管理に欠けています。

まあ、遠山氏の場合は、党よりも支持母体の創価学会の意向が強いので辞めさせられたと言った方がいいかもしれませんね」(前出の社会部記者)

そんな中、新たに発覚したのが白須賀貴樹(しらすか・たかき)衆院議員の、いわゆる〝パパ活〟行動だった。2月10日夜に東京都内の高級会員制ラウンジを訪れていたことが週刊文春のデジタル版で報じられたのだ。

「白須賀氏は、お気に入りだった女性と東京・赤坂の高級フランス料理店でコース料理を楽しんだ後、麻布十番にある会員制の高級ラウンジに行き、夜10時ぐらいまで過ごしたと言います。

お店の経営が大変だと泣きつかれ、少しでも売り上げの足しになればと、助けたい気持ちからの行動だったなんて釈明していましたが、どう見てもお気に入りの女性との〝同伴出勤〟でしかなかった。緊急事態宣言下での国会議員の自粛破りが大きな問題となっている時期の行動でしたからね」(ワイドショー関係者)

白須賀氏は千葉13区からの選出議員で現在3期目だが、とにかくトラブル続き。ここ1〜2年でもカジノを含むI R汚職事件では事務所が捜索を受けた他、白須賀氏を乗せた車が当て逃げ事故を起こすなどの不祥事が相次いでいた。

その白須賀氏も今回の一件でアウト。自民党を離党し、次の衆院選には出馬しないことを明らかにしたが、それにしてもお粗末な出来事だった。

芸能界からも疑問の声が上がり、俳優の石原良純などは、コメンテーターを務めるテレビ朝日「週刊ニュースリーダー」で「笑っちゃうね。3人が離党まで追い込まれているのに、まだやる!?」と呆れ顔で語るほどだった。

警察より先に事件を発表したNHKの危機感

話は戻るが、緊急事態宣言下で各メディアは連日「人出が増加している」「気が緩んでいる」と、〝自粛警察〟ぶりを発揮していたのだが、局内の人間は、そんなことはお構いなしと言ったところ。

そこで事件となったのが冒頭のNHKの報道局でニュース映像を扱う鞘本容疑者だった。

鞘本容疑者は報道局映像センターに勤務。逮捕されたのは2月15日だったが、実際は休日だった14日の夕方6時ぐらいから東京・神楽坂の居酒屋で友人と酒を飲み始めたと言う。しかし、事件は深夜の2時過ぎだから、少なくとも8時間近く飲んでいたことになる。NHK担当の放送記者は事件当夜の状況を説明する。

「ベロンベロンに酔っていたことは間違いないと思います。居酒屋を出て神楽坂(矢来町)の車道をフラフラになって歩いていたようで、通りかかったタクシーの運転手が注意したところ急に激高したとのこと。いきなり運転手の胸ぐらを掴んで顔面を殴打したり、脚を蹴ったりした挙句、最後は路上に設置されていた消化器を運転手に投げつけ怪我を負わせたんです」

ただ、鞘本容疑者については昨秋、異動で東京勤務となったというが、局内での評判は悪くなかった。

「小学校の頃から野球をやるなどスポーツマンだったようです。仲間も多かったようで海釣りやキャンプなどを楽しんでいたと」(NHK関係者)

酒さえ飲まなければ「爽やかで真面目な奴」だったようだが…。

この時期だけに、鞘本容疑者の逮捕は公共放送であるNHKにとって、さすがに看過することの出来ない不祥事だと判断したに違いない。

「事件についてはNHKが最初に発表したんです。牛込署が詳細を発表したのは、報道の後でした。この事件はNHKとしても深刻に捉えていたことは確かですね」(前出のNHK担当の放送記者)


事件の翌日、フジテレビ系の朝のワイドショー「とくダネ!」に出演したメイプル超合金のカズレーザーは、「酒に酔って何も覚えていないという人の気持ちが分からない」と言う司会の小倉智昭に対して、

「ベロンベロンに酔っていたようですからね」とした上で「(NHKには)受信料の話があって、国民のイメージって、あんまり今良くないじゃないですか。それが分かっていたら、こんな大それた行動は取らないと思うんですけど…。受信料のニュースって、テレビで取り上げられていると思うんですけど、NHKの人は、あんまりテレビ見てないんですかね」

と皮肉を込めてコメントしていた。

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