就活解禁。とっくに始まっているのだけど。22卒採用のトピックス、論点のメモ。Twitter、Facebookに走り書きしたものなので、論拠となるデータのリンクは貼っていないことをお含みおき頂きたい。はやく共有したかったので。
・就活は前倒し傾向。ルールは、形骸化、無法化しつつ、就職ナビにブレーキをかけることにつながり、ゆるやかな「しばり」に。「通年採用」「早期選考」という名のもと、早期に内定。ただ、日本の「内定」なるものは法的拘束力が弱く。学生は「キープ」「保険」として、他の企業をまわるという。ちなみに、22卒について、千葉商科大学の教え子から最初の内定報告をもらったのは昨年の12月25日。
・ただ、単なる前倒しではなく「分散」とも言える。21卒でもそうだったが、4年生の夏、秋以降の応募→内定が増えた大企業も。就活ルールは形骸化、無法化しているが、就職ナビの開始時期と合わせて緩やかなブレーキに。
・採用活動について見切り発車、さらにはオプションプランがいっぱいという企業も。採用数が「未定」という企業の割合が特徴的。スケジュールもコロナ対応で柔軟に。
・就職ナビといえば、今年はリクナビが半月前倒しで採用情報を掲載したり、リクナビもマイナビも「エントリー事前予約」を導入。企業説明会の予約も前倒し。
・どうしてもメディアは「就職氷河期再来」と書きたがるけれど、企業の決算発表を見れば明らかなとおり、言うまでもなく業界、企業、職種により差があり。ただ、求人が伸びている領域に興味を持ち、受け、内定が出る学生がどれだけいるかという問題も。これはコロナ前からの問題。各社のビジネスモデルの変化→求める人物像の変化。
・採用を凍結、縮小した企業を目指していた学生がどこの企業を選ぶのかという問題。学生にとっては大変に気の毒である。一方、このような企業が採用したくなる学生がどの業界、企業に流れるかは日本の未来にとってはプラスになる可能性もあり。
・21卒もそうだったが、就活、新卒一括採用に関してよく批判されるポイントである「皆が一斉に」行うことの大学、学生側による再評価が起こるのではないか。もちろん、圧になる、画一的だという批判もあるが。これがオンラインにより分断したのが昨年の論点。
・大学側としては、学生をサポートしきれるのかというのが昨年度から続いている課題で。学内セミナーにしろ、各種ノウハウの支援にしろ、面談などのサポートにしろ、学生に情報を届けることができるのかという問題。これは就活支援に限らず、オンライン時代に各大学が悩んでいること。
・コロナの影響でアクションが落ちるという問題(昨年も発生)。
個人的に気になる論点は
・オンライン採用時代のミスマッチ解消(オンラインは不安という話ではなく、そもそも働き方が変わる中でのマッチとは何か)
・この時代に選ばれる企業とはどこか。
・経団連の新卒採用をめぐる方針の迷走
・(括弧付きの)「ジョブ型」採用の行方
・採用とICTと倫理
まだまだあるけれど、このへんで。原点に回帰し、この分野での研究、発信を頑張りますかね。
記事
- 2021年03月01日 11:11
22卒採用のトピックス、論点のメモ。
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