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『夢を叶えるための勉強法』 受験は自己肯定感を養う絶好の機会

私は都内の中高一貫の私立学校に通っていた。高校受験はしなかったので、高1の時がおそらく学力の底辺であった。全国模試などは中学受験以来受けたことなどなかったのだが、大学受験に向けて自分の位置を把握するのも大事だろうと考え、高1の終わりに河合塾の「ハイレベル模試」なるものを受けた。それなりの進学校の中で、上の下くらいの成績をとっていたので、「まぁ、偏差値は50の後半くらいで、場合によっては60台にいくこともあるか」と思ってのぞんだが、軒並み40台前半であった上に、英語が30台という木っ端微塵の玉砕ぶりで、鈍り甘えた心を入れ替えるのに良い機会となった。

模試の結果でやる気にスイッチが入り、高2の初旬くらいから緩くロングスパートを開始し、結果としては、志望していた国立大学に無事に現役で合格することができた。今から思い返しても当時はよく勉強したものだと思うが、努力の結果が模試や校内考査に形として表れることでやる気を保ち続けることができたのが大きい。スタート地点が低かったことの恩恵をうけたとも言えなくはないが、受験勉強というのは努力の成果が形に表れやすく、私には取り組みやすかった。。

日本の大学受験は、その出題内容のマニアックさや寒い冬の時期の一発勝負加減など、多くの問題があることは確かだ。が、「勉強の効率性をあげること」と「惜しまぬ努力を続けること」の掛け算によってほぼ確実に成果をあげることができるその仕組は、若者の「正しい努力をすれば報われる」という自己肯定感を育むことの役には立っているのではないだろうか。少なくとも、私はそういう単純明快な若者であった。

そんな私ももう45歳のど真ん中のおっさんであり、大学受験などについて思い出したり、考えたりすることもとんとなかったのだが、本日紹介する『夢を叶えるための勉強法』は、そんな30年近い前の青春の一コマを思い出させてくれた。 

夢を叶えるための勉強法【電子特典付き】

夢を叶えるための勉強法【電子特典付き】

  • 作者:鈴木 光
  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: Kindle版

 勉強法と言っても大学受験や資格試験向けの勉強方法が中心なので、本書は本ブログの読者のストライクゾーンには恐らく入らない。なんで本書を手にとったのかと言うと、隔週で、私、妻、娘と息子で何か本を読んで書評を書くということをしばらく続けているのだが、たまには全員で同じ本を読んで書評を書いてみようということになり、小6の息子と45歳のおっさん交わり用のない中間点を見つけようとしたら本書にいきついたからだ。筆者の鈴木光女史は、人気クイズ番組『東大王』のレギュラーであり、家族で視聴しており、お馴染だからというのももうひとつの理由だ。

日本の受験戦争をくぐり抜けた自分の経験からして、本書は日々学校の勉強に取り組む小中高生には強く勧めたい。体系的に効率的な勉強方法がパッケージ化されているという手堅さがあると共に、常に自分の頭で考えてより良い勉強方法を模索している筆者の姿勢を学ぶことができるのも大きい。まずは、本書に書かれている勉強法を真似して、それを土台に自分の適性にあわせて調整することができれば、受験でそれなりの結果を残すことができるのではないだろうか。

また、本書を読めば、受験戦争のトップランナーである彼女は、気づいたらそうなっていたわけではなく、とてつもない努力と改善を重ねて今の位置にいることは容易に理解でき、努力なくして結果はついてこないということも学ぶことができるだろう。

受験世代の若者には大いに参考になる勉強法が本書では沢山紹介されているが、筆者の受験勉強に対するスタンスは興味深く、強く共感できた。

勉強というジャンルが「努力すれば報われる」という体験をするのにとても適しているからです。

勉強は結果が点数としてすぐ表れるので、漢字や単語などの確認テストのようなものであれば、少し勉強法を変えたり勉強時間を増やしたりすることで目に見えて頑張った結果を得ることができます。
『夢を叶えるための勉強法』

社会にでて仕事を始めると、正解のない問題に対して、少ない材料で決断を迫られることが多々ある。正解に近い決断をし、それを成功に持って行くために死に物狂いで努力をしても、結果が伴わないことも間々ある。また、呪われているんじゃないかと思うくらい歯車が逆回転し、悪いことが重なる悪循環に陥ることも少くはない。

そんな難しい状況に数えられないくらい直面したが、いつも打開の起点になったのは「今は状況はよくないが、正しい努力を一生懸命重ねれば、必ず事態はいつかは好転する」、「うまくいかないことがあっても、きちんと努力をすれば長い目で見れば必ず結果として高い勝率をえることができる」という、正しい努力は報われるという成功体験から紡ぎ出された自己肯定感だ。そして、その自己肯定感を育むきっかけが私にとっては受験勉強であった。

本書を手にとった若者が、正しい努力の仕方と共に、努力を重ねて成果をあげてきた筆者の姿勢を学び、多くの自己肯定感の強い若者が育ってくれると、日本はもっとよくなると思う。 

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