
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(油井彩姫)
【まとめ】
・ワクチンが普及されても、今のやり方では感染者はいなくならない。
・全て政府の責任ではなく、国民一人一人の意識の問題。
・国が検査を補助し、陰性者がGoToキャンペーンを享受出来る仕組みを。
今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」は、元内閣官房長官で自民党元幹事長、現在、衆議院憲法審査会会長の細田博之氏がゲスト。
いよいよワクチン接種も始まったコロナ対策について、政治ジャーナリストの細川珠生氏が聞く。
はじめに細川氏は、「ようやくワクチン接種が始まった。当面は医療従事者が対象で、広く接種が開始されるのはまだ先になる。新規感染者の数もだいぶ落ち着いてきたが、先日、細田氏が、このやり方ではいつまでたっても改善しないと言ったが、その真意は何か?」と聞いた。
細田氏は、「今10都府県で発令されており、緊急事態で旅に行くな、飲食もするな、動くな、と言っている訳だから、当然(感染者は)減る。しかし(いずれは)解除しなければならない。多くの人達は我慢をしているから、解除した瞬間、旅に出たり飲食をしたりする。ウイルスを保有している人が動き回れば、日本中にまた広がってしまう」と述べ、緊急事態宣言解除後はまた感染が広がるとの懸念を示した。
続けて、「陽性率は一定の確率であるから、5000万人にワクチンを打ったとしても、残りの7000万人以上は打ってない訳だから、その中に陽性の人がいれば同じことではないか。したがって今のやり方では”賽の河原”になってしまって、また増えてしまう」と述べた。
さらに、「(感染者が)増えればまた政府の責任になる。しかし、よく考えてみるとこれは国民の責任でもある。きちんと検査をし、自分が陽性か陰性かを知って、陽性ならちゃんと病院に行く。そういう努力がなければ、いつまでも隠れ陽性が飲食をしたり旅に出て、また(感染者が)増えるという同じこと(の繰り返し)になってしまう」と述べ、国民一人一人が自分が感染しているかどうか、検査をすることが重要だとの考えを示した。
そのうえで細田氏は、少なくとも観光や移動に関連する人や、飲食に関連する人は、全員が何らかの形で検査を受けるべきだと強調した。
そのうえで細田氏は、「(検査の)単価を下げるために政府が助成するべきだ。PCR検査でも、抗原検査でもいい」と述べ、国民が負担感なく検査を受けることが出来るように、検査費用は極力政府が補助すべきとの考えを示した。
細川氏は、「陽性者がきちんと分かるためにも検査が必要」だと述べ、「3月7日の緊急事態宣言解除後の対策は今並行して考えておかないといけないのではないか」と聞いた。
細田氏は、「3月7日に解除するなら、今から民間も入れた活動をどんどん進めていかねばならない」と述べた。「抗原検査キットも世の中には余っている。PCRキットもこれから増産して、民間にも責任を負ってもらう。国民にも、これは政府だけの責任ではなく、全ての国民の責任であり、自主的に検査をした方がいいんだ、それが国民の義務だ、と意識し始める」と述べ、国民の自発的な行動を呼びかけた。