
[1日 ロイター] - ミャンマーで28日、クーデターに抗議するデモ隊に治安部隊が発砲し、少なくとも18人が死亡した。2月1日のクーデター以降で最悪となった。国連が明らかにした。
ミャンマーでは1日に発生した国軍のクーデターに対し、市民による抗議活動が拡大。治安部隊が連日、各地で鎮圧に乗り出している。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「警察と軍が殺傷力のある武器とない武器を使用して平和的なデモ参加者と衝突した」とし、信頼できる情報として、少なくとも18人が死亡、30人以上が負傷したと明らかにした。
最大都市ヤンゴンでは、治安部隊が催涙ガスや音響閃光弾(スタングレネード)でデモ隊を散会に乗り出し、複数の場所で発砲。胸を打たれた男性1人が病院に運ばれて死亡した。病院の医師が明らかにした。ヤンゴンの死者は少なくとも5人に上った。
南部の都市ダウェイの政治家によると、ここでも治安部隊が発砲し、3人が死亡、複数人が負傷した。
報道によると、第2の都市マンダレーでは2人が死亡。住民によると、女性1人は頭に銃撃を受けた。北東部の都市ラシオや南部メルギー、東部パアンなどでも治安部隊がデモ鎮圧に乗り出した。
ロイターは警察と国軍の広報にコメントを求めたが、回答を得られていない。
国軍のミン・アウン・フライン総司令官は先週、抗議活動には最小限の武力しか使わないとしていたが、騒乱でこれまでに少なくとも21人のデモ参加者が死亡している。国軍によると、警察官が1人死亡している。
国営紙「ミャンマーの新しい灯」は、「暴徒化したデモ隊」には「必然的に厳しい措置が取られる」と報道。国軍はこれまで自制してきたが、「無政府主義の暴徒」は看過できないとした。
国連のグテレス事務総長は「国際社会が結束し、ミャンマー国軍に対し、選挙で示された民意を尊重して抑圧をやめるべきという明確なシグナルを送ることを求める」とし、加盟国に一段の取り組みを呼び掛けた。
米国大使館は「多くの命が失われたことに心を痛めている」と表明。東南アジア諸国連合(ASEAN)内での調整を主導しているインドネシアも強い懸念を示した。
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