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二重の意味で問題の橋下市長の発言

先週の土曜日の読売新聞の記事、これを見るべきだろうか。

橋下市長、入札の「有力業者」を演説で明かす
2012年12月8日(土)12時47分配信 読売新聞

 大阪市が競争入札で業者を選定中の市営地下鉄の駅清掃業務を巡り、日本維新の会代表代行の橋下徹市長が、衆院選の街頭演説で「大阪の一流ホテルで掃除している業者が有力」と発言していたことがわかった。

 特別職公務員の橋下氏に地方公務員法の守秘義務違反は適用されないが、落札業者が決まっていない段階で内部情報を明かすことは不適切、との指摘が出ている。

 市交通局は、来年2月に契約が切れる44駅の清掃業務について、価格だけで決める従来の競争入札を変更し、清掃方法などの提案も点数化する「総合評価方式」での競争入札を導入。入札は10月に行われ、今月末に業者を決める予定だ。

 ところが、橋下氏は6日の水戸市内での演説で、この入札改革をアピールし、「有力なところは大阪の一流ホテルでトイレを掃除している業者。素晴らしい提案だ」と強調した。

 新聞記事でも指摘されているように、いくら守秘義務が特別職に法律上課されていないとしても、やはり首長としてこのような発言ははなはだ不適当だろう。本来であれば、地方公務員法あるいは各自治体の条例において、特別職の守秘義務とそれに関する罰則等をしっかりと規定すべきではないかという議論があってもいいのではないだろうか。

 実は、この点は厳密に解釈すれば、なかなか難しいところもあるようだが、守秘義務以上に問題なのが、この記事の中で、あたかも今回の総合評価方式の導入が「改革」だと橋下氏が賞賛し、それをその通り新聞が伝えていることではないだろうか。

 総合評価方式はこの10年来、国や地方自治体で導入されてきた入札の方法ではある。メリットもあるがデメリットもある。いずれにしても、取り立てて大阪市が先進的にやっているものでもなく、むしろ遅きに失した感がある。

 今更「改革」と持ち上げるに値しないものである。マスコミも単に橋下市長の発言を伝えるだけでなく、このような客観的な事実を踏まえて伝えるべきではないだろうか。

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