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「みんなのうた」が60周年になった

今年はNHK「みんなのうた」が、放送開始から60周年になるとのことだ。今は深夜の「日の丸・君が代」のすぐ隣で放送されているが、かつては午後6時半、子供たちのゴールデンタイムに放送される番組だった。私はこの番組を、開始から一年後の1961年の4月から翌年の9月まで、一年半にわたって、先輩の後藤田純生氏と二人で担当したのだった。この期間に、「おお牧場はみどり」を初めとして、「大きな古時計」「ドレミの歌」「線路は続くよどこまでも」「逃げた小鳥」など、この番組を代表するような多くの曲が出ている。日本ビクターの提供で無料で出していた楽譜の申し込みが10万部にもなり、NHKが出した出版物の新記録になった。日本ビクターの幹部は、その負担に驚いたが、「良いことだから続ける」と決断したと聞いている。

 1961年秋の「文化の日」には、初めての特集番組を出すことになり、私はそこで初めてのディレクターを務めたのだが、不馴れなためにスタジオ内の雑音を拾ったり、何度も冷や汗をかいたのを覚えている。ただし新聞には好評の記事が出ていたので救われた。

 この当時の選曲には、新作を依頼するという発想は皆無だった。世界中から「よい歌」を発掘してきて紹介するのが仕事だと思っていた。資料室にあった海外の放送局からの交換資料を手がかりとして、ポーランド大使館にまで行って、「踊ろう楽しいポーレチケ」「歌うよカッコー」「逃げた小鳥」などのポーランド民謡シリーズを発掘したのは、楽しい思い出になっている。大使館員がレコードに合わせて目の前で踊り出すのを見て、これこそが民謡の原点なのかと思った。ポーランド民謡に深入りしたのは、私の独断だった。それらが今、懐かしい思い出になっているのは幸せなことである。

(追伸)

 今週の土曜日、3月6日の16時(午後4時)50分から10分間、「そして『みんなのうた』は生まれた」という番組がNHKのEテレで放送され、そこに私も登場します。ご用とお急ぎのない方は、どうぞごらん下さい。

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