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広瀬すず「苦手でも続けられる」女優という仕事

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俳人・堀本裕樹の青春俳句小説を原作に、『五億円のじんせい』の文晟豪監督が広瀬すず主演で実写化した『ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめて見ました-』(全2話)の前編が2月27日、夜9時からWOWOWプライムで放送・配信される。人と関わるのが苦手で、ラップのリリック(歌詞)を考えるのが至福の時間だったものの、ひょんなことから俳句と出会い、新たな世界に触れていく芸大生リリックライター・桜木杏を演じた広瀬すずに、撮影の舞台裏や個性豊かな共演者とのエピソード、「見られるのが苦手なのに女優を続けている理由」などについて聞いた。

どれが「新しい広瀬すず」なのか

広瀬すず

――今回広瀬さんが演じた桜木杏は、「視力は良好なのに(とある理由から)わざと度の強いメガネをかけている」という役柄です。眼鏡をかけた役柄を演じるのは珍しいですよね?

「もともとメガネだったけどコンタクトに変えた」という役を演じたことはあるんですけど、オールメガネは初めてです。だからしょっちゅうメガネをかけるのを忘れちゃって(笑)。

――ちなみに、広瀬さんご自身の視力はいいんですか?

私も杏と同じくすごく目がいいんです! だからメガネをかけると結構クラクラしちゃうんですけど、今回度の強いメガネをかけてお芝居をしてみたら「こっちの顔の方がいいよ!」「今めっちゃいいお芝居だった!」って、現場で褒めていただいて(笑)。レンズ越しの世界が違って見えるように「メガネ1つでそんなにも変わるんだ!」って、驚きました。

――レンズのせいで、普段より広瀬さんの目が小さく見える……とか?

あ、それも言われました! 「今日、目ちっちゃいね」って(笑)。

――俳句をきっかけに新たな自分と出会った杏のように、広瀬さんご自身も演じる役柄によって、新たな自分を発見することもありますか?

なんか私、ちょっと変なのかもしれないんですけど……。いろんな役柄をやるたびに「新しいすずちゃんを見られた気がしたよー!」って言っていただいたりもするんですけど、自分ではいままで1回も「新しい自分に出会えたなぁ」みたいに思ったことがないんですよね。

――というと……? あくまでも"自分が知っている広瀬すず"を、ちょっとずつ小出しにしているような感覚なんですか?

いやぁ、多分その逆で……。「これが私です!」みたいなことも1つも思わないですし、きっと自分について何も知らないからこそ、どれが「新しい広瀬すず」なのかよくわからないんだと思うんですよね。新しいことに挑戦するたび「あ、なんとかできた!」みたいな感じで、ギリギリでやっているというか……。でもやるからには中途半端になるのだけはどうしてもイヤなので、今回も不安な要素は細かいところまで全部詰めてから「じゃあ、やってみましょうか」って、台本をガッツリ読み込んでいった感じなんです。でもいざ監督にお会いしたら「僕はいま、これまで生きてきた人生の中で一番優しい気持ちになっています。だから、このドラマもすごく優しい作品にしたいんです」ってお話されていて、すごく素敵な言葉だなぁと思って。私も監督の気持ちに便乗するようなつもりで、クランクインしたんです。



――今回は「俳句とラップ」という異色の組み合わせが特徴ですが、「日本文化と音楽要素の融合」という意味では、『ちはやふる』シリーズで競技かるたの選手を演じ、『一度死んでみた』でデスメタルバンドのボーカル役を全力でやり切った際の経験が、杏を演じる上で役に立った部分もありましたか?

『ちはやふる』をやっていたからこそ、今回のお話をいただいたのかもしれないですけど、「あ、また言葉に関わりが深い作品だ!」っていうのは思いましたね。最初の段階ではもっとラップを披露する場面が多かったこともあって、「本当に私でいいのかなぁ。もっと向いている人がいるんじゃないかな」って正直不安になったりもしたんですが、『一度死んでみた』の時にたくさんの人の前でヘッドバンキングしながら何度も歌ったこともあって、ラップバトルもそこまで緊張せずにやり切ることができました。まずはラップの先生に独特のリズムを掴むコツを教えていただいて、ある程度できるようになったらスタジオに入って、あとはその場の勢いとライブ感を大事にしながらラップも同録しました。



中途半端になっちゃうのが嫌い

――「ラップバトル」に出場する場面もありますが、対決相手の「ハゲボウズ」役は、以前NHKの朝ドラで共演した「番長」こと、板橋駿谷さんですよね?

そうなんです! 「分からないことがあったら何でも聞いてね」って言ってくれたので、遠慮なしにぶつけられるというか、お互いにまったく容赦しない感じですごく楽しくできました(笑)。俳句とラップって、全くかけ離れたものだと思っていたんですけど、テンションが違うだけで「言葉を届けるってことでは一緒じゃん!」って思えるようになりました。

――撮影を機に、広瀬さん自身も「俳句」や「ラップ」に目覚めたりすることも……?

いやー、残念ながら私には俳句のセンスがまったくないんですよね(笑)。ラップもできたらカッコいいだろうなぁとは思いますけど、頭の回転がめちゃめちゃ速くないといけないから、自分には絶対無理だろうなぁ……。

――今回演じた杏は、広瀬さんがこれまで演じてきた役柄とは一味違う印象ですか?

杏には、相手とちゃんと言葉のキャッチボールが出来る時と出来ない時とがあって、突如スイッチが入ってバーって一気にしゃべったりもする、ちょっと変わった子なんです。だから今回は最初から最後までちゃんと"変人"でいたいなぁと思っていたんですけど、演じているうちにだんだん「杏って根はすごくピュアで優しくて、可愛らしい子なんだなぁ」って気付いて、途中から割と普通な感じになっちゃいました(笑)。でもよく見るとずっと1人だけニヤニヤしていたり、今までになくちょっと気持ち悪い要素もあったりして、前編の杏は逆にちょっと変わった子すぎるかも……(笑)。後編の杏は、周りの人たちがつい味方したくなっちゃうような子になったらいいなぁって思いながら演じたので、多分可愛くなっているんじゃないかなぁと思います(笑)。

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