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【ベストバイ】、勝ち組も5,000人解雇に店舗閉鎖も!チェーンストアは少数化に小型化?



■家電量販店チェーンのベストバイは25日、第4四半期(11月〜1月期)決算発表で5,000人の従業員を解雇していることを発表した。さらに大型店を中心に店舗数も削減していく。

コロナ禍でベストバイは勝ち組チェーンになっているものの、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速させるため売り場を縮小しながらピッカーを増員する。

ベストバイでは過去2年間に約20店舗を閉鎖しており、向こう3年で450店がリース契約の更新となるためさらなる店舗閉鎖を行うという。閉鎖する店舗数は現段階で明らかにしていない。

ベストバイは5,000人のフルタイマーをリストラする一方、パートタイマーとして2,000人を採用する。売上の4割がEコマース売上を占めており、売り場を縮小しながらカーブサイド・ピックアップや宅配用の注文品保管スペースを拡大する。

ベストバイでは全店舗の約35%となる340店前後がネット注文品を店から宅配するボドフス(BODFS:Buy Online Delivery From Store)の約7割を担っている。

ボドフス用のハブ店を増やすためベストバイは売り場を縮小しながら従業員をレイオフしているのだ。同時にネットからの注文品を売り場などでピッキングするパートタイマーのピッカーが増員されることになる。

 年末商戦期を含む第4四半期では売上高が前年同期比11.4%の増加となる169.4億ドルとなった。カーブサイド・ピックアップやボピス、宅配などEコマース売上が牽引した。純利益は同9.5%の増加となる8.16億ドルだった。

全売上高に占めるオンライン売上高が過去最高に達したことで粗利益率は前年同期の21.3%から20.9%と0.4ポイントの減少となった。一方、一般販売管理比率は人件費を圧縮していることで前年同期の14.9%から14.0%に減少している。

既存店・売上高前年同期比は巣ごもり需要で12.6%の増加だった。前年同期は3.2%の増加。

売上の9割以上を占める米国内の売上は154.0億ドルとなり前年同期比11.2%の増加となった。国内の既存店・売上高前年同期比は12.4%の増加。

国内のオンライン売上高は前年同期比で89.3%の増加となる67億ドルだった。オンライン売上は国内売上全体の43.5%に達した。前年同期は21.9%で前期(8月〜10月期)は35.2%だった。

なおカーブサイド・ピックアップとボピスは前年同期比で90%伸び、オンライン売上の48%を占めている。

 国内店における商品カテゴリー別の既存店・売上前年同期比では売上の43%を占める「コンピューターとモバイルフォン(Computing and Mobile Phones)」が16.4%の増加となった。

売上全体の32%を占める、大型4Kテレビなどの「コンシューマーエレクトロニクス(Consumer Electronics)」は1.3%の減少だった。

全体の12%となる白物家電の「アプライアンス(Appliances)」は巣ごもり需要で36.0%の大幅増となった。全体の9%となる「エンターティメント(Entertainment)」も自宅で過ごす時間がふえたため31.4%の大幅な増加とあった。

全体の4%となる「サービス(Services)」も4.9%の増加だった。

 通期では売上高が472.6億ドルと前年比8.3%の増加、純利益は同16.7%の増加となる18.0億ドルだった。既存店・前年比は9.7%の増加。国内店の既存店ベースも9.2%の増加だった。

 ベストバイでは巣ごもり需要で昨年度が伸びたことで今年度は売上が減速するとしており、また販促傾向が強くなるため利益率も減少すると見込んでいる。

 家電量販店のフライズ・エレクトロニクスは24日、恒久的に事業を停止し大型店31店舗を閉鎖した。買い物の仕方の変化が競合店を企業精算に追いやったのだ。

同じ轍を踏まないようベストバイはさらなる不可逆的な変化に備えて売り場を縮小するなどストアフォーマットを大幅に変更していく。

トップ画像:昨年のブラックフライデーではベストバイの行列はすぐになくなってしまった。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ベストバイの決算発表のコンファレンスコールで、営業を停止したフライズ・エレクトロニクスについては取り上げられていませんでした。つまりフライズの破綻はベストバイの売上にプラスにもマイナスにもならないということ。ベストバイに影響がないことがフライズの失敗原因でデジタル・トランスフォーメーション(DX)していなかったということです。ただ、それ以上にウォルマートやアマゾンなどの競合が値下げをしていくとしており、第1四半期以降で販促傾向が強くなることを示唆しています。

で、店を閉鎖しながら(ダークストアにいかないまでも)売り場を縮小しネット通販ピックアップ用に最適化を図るのです。宅配サービスも強化するため在庫を多く持つ店舗を中心にハブ化していきます。アフターコロナも以前ほどお客が売り場に戻ってくることはないと見ているのです。

ベストバイも一部店舗を整理しながら少数化し、ネット売上の増加で店内倉庫を増やす代わりに売り場は縮小することになります。これが家電量販店チェーンのDX。

 ベストバイのデジタルファーストへの俊敏な動きを見ると、最大5,000坪の店舗にハデな店内装飾がいかにDXを遅らせたのかを確認できます。

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