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真ん中から右にいる党

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出典、政策課題 候補者の考えは朝日・東大谷口研究室共同調査

 以上は衆院選立候補者を対象とした調査結果です。設問はそれなりの数が用意されていますが、これなどはどうでしょう。設問によっては「考え方の違い」であって、どちらが正しい、どちらが間違っていると一概には言えないものもあります。そういう類の設問であれば、私と異なる回答を選んだ候補であろうと賛成はしませんが尊重はしましょう。一方、考え方の違いでは済まされない、正解と不正解が明らかと見なしても行き過ぎではないと思われるものもあるわけです。中でも顕著なのが、この設問と言えます。

 このアンケートで真ん中から右に位置している党は、なぜ被災地のガレキ処理に協力すると言えないのでしょうか。そりゃ、東北の人間が憎い、太平洋側の人間が憎い、アイツらはガレキ処理でできるだけ長いこと苦しめば良いのだ、と悪意を隠さず被災地復興への協力を拒むのであれば、流石に人間として軽蔑しますけれど、それでも「考え方の違い」の一種です。しかし、明言は避けつつも何か別の理由でガレキ処理への協力を避けたがっているとしたら、例えば宮城や岩手のガレキ処理で放射能が心配だ――みたいな事実を伴わない理由から行動しているのなら、それは単なる誤りです。

 事実をどう解釈するかは「考え方の違い」の範囲ですが、その事実を歪曲した上に積み上げられた主張は、異論などではなく単なる偏見であり妄執でしかありません。2008年、当時の共和党大統領候補であったジョン・マケインは「オバマなんて信用しない。アラブ(のテロリスト)でしょう」と言い募る自らの支持者を「いいえ、奥さん、彼は立派な家庭人、国民です。たまたま意見の相違があるだけです」と退けました。翻って上のアンケート結果で「真ん中から右」にいる党はどうなのでしょう。宮城や岩手のガレキの放射能が云々などと煽り立てるデマゴーグに同調する、あるいは同調しないまでも顔色を窺って腰の引けた態度を取る、そういう政党(政治家)には国会に上って欲しくないです。

 

 関電、来夏の賞与見送り=月給5%カット―労組に提示(時事通信)

 関西電力は6日、電気料金の値上げに併せて行う人件費削減策として、2013年夏の賞与支給の見送りと13年4月からの月給(基準賃金)5%程度の削減を、労働組合に提案したことを明らかにした。賞与見送りは1951年の設立以来初。

 また、水無瀬体育施設(大阪府島本町)など全国6カ所の社有運動場のうち5カ所を13年4月以降に廃止。災害時の支援物資の供給基地として、総合運動場(大阪府箕面市)だけを残す。このほか、大阪市内の厚生施設1カ所も廃止する。

 関電は既に、社員の平均年収(11年度実績790万円)を13~15年度の各年度平均で約16%引き下げ、664万円にする方針を表明。2カ所の保養所を閉鎖する考えも示していた。今回打ち出したのは、その方針に沿った具体策。

 

 この辺も何度となく取り上げてきたことですが、関西電力社員に何の咎があるのでしょうね。どうにも日本的な経済感覚ですと、一般従業員が経営責任を負うのは当たり前、会社の経営が悪化したら一般従業員の取り分を減らすのが当たり前みたいに信じられているフシがありますけれど、しかし株主でも役員でも何でもない普通の社員に何の罪があるのやら。会社に損害を与えたとか本人の責任の範囲で著しく営業成績が悪化したとかならともかく、今までと変わることなく働き続けてきた、その労働の内容が変わったわけでもないのに16%もの大幅な賃下げを迫られる、これは正当なことなのかどうか、多少は疑問に思う人がいても良さそうなものです。

 ともすると労働者側の権利を重んじる風を装いつつも、公務員の場合、あるいは中高年の場合はむしろ逆の態度を取る人もいます。そして電力会社社員の場合も、ですね。一方的な人員削減や給与カットを進める経営側を勢いよく糾弾しておきながら、その一方で電力会社で同じことが行われているときには沈黙を守るか、時には逆にリストラを迫る、そんな人も目立つわけです。世間の同情を集める「無垢な被害者」に共感するフリをしながら、一方で加害者側を「犯罪者に人権などない」と切り捨てる、そういう連中と丸っきり同じと言えます。

 例えば労組とかでも、自社と組合員のことばっかりを大事にしているところは別に良いのです。自分たちを守るために寄り集まるのが労組の本分、己の役割を果たして他人にとやかく言われる筋合いはありますまい。一方、所属組合員の保護よりも外へ向けての政治的なメッセージの発信に熱心な労組も見受けられるわけですが、ならば労組であるにも関わらず電力会社で行われているような一方的な賃下げに反対の声の一つもあげられないのはどうなのかと。労働者のために活動しているのか、それとも単に脱原発が第一なのか、後者であれば組織の政治的な思惑のために組合員を利用していることにもなります。

 政治家/政党でもやはり労働者の立場を重視すると表向きは掲げつつも、電力会社の一般従業員の労働者としての権利がまるで蔑ろにされている中で反対の声の一つもあげられない、そういう人/党も目立つのではないでしょうか。あくまで自分たちが「善」として認める範囲の人々の権利を守るのであって、「悪」だと思う人々の権利が侵害されていれば、権利の侵害を容認するばかりか賛同さえする、こういう態度を取る人や組織を、私は信用がならないと思うわけです。

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